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陸上防衛作戦部隊論(第二四回):方面航空隊の航空機動旅団移管と司令部飛行隊新設案

2015-07-25 22:39:58 | 防衛・安全保障
■方面航空隊の改編案
方面隊隷下の方面航空隊の航空機動旅団への移管と司令部飛行隊への改編案について。

方面航空隊、この部隊はそのまま航空機動旅団の編成に含めます。もともと、全ての師団を装甲機動旅団と航空機動旅団へ改編し、機甲装備を前者へ、航空装備を後者へ、二種類二個旅団を以て広域師団を編成するという視点ですので、方面航空隊のAH-1SとUH-1Jは航空機動旅団の基幹装備となるので、当然ではあるのですが。

しかし、最小限度のヘリコプターは連絡輸送用に、また航空機動旅団が運用する上で適当ではない固定翼航空機、LR-2などは中央との連絡輸送用に維持する必要があると考えます、ただし、空中機動作戦は航空機動旅団の任務であるわけですから、連絡輸送用には少数で対応可能です。

方面航空隊には現在、対戦車ヘリコプター隊と方面ヘリコプター隊が含まれ、AH-1S対戦車ヘリコプター16機とUH-1J/H多用途ヘリコプター20機にOH-6D観測ヘリコプター10機が配備され、一部方面隊にはCH-47J/JA輸送ヘリコプターも配備されています。かなりの空輸能力を発揮できるでしょう。

航空機動旅団は隷下にヘリコプター隊を配置し、装甲機動旅団の全般火力支援部隊及び戦車による装甲機動力に代えて航空打撃力を火力支援と対戦車戦闘の主力に置くという提案ですので対戦車ヘリコプターは絶対に必要な装備品です。方面隊から移管し機動運用する体制としなければなりません。

また、輸送ヘリコプター8機と多用途ヘリコプター8機からなるヘリコプター隊が全ての部隊に新編されるのが望ましいのですが、残念ながらそれだけのヘリコプターを新規調達する事は予算上難しく、方面ヘリコプター隊から管理替えし、旅団飛行隊に付与する方策以外に実現は非現実的でしょう。

ヘリコプター隊は減耗補填分以外に調達する場合、一個ヘリコプター隊完結まで三年前後程度の時間を要するため、仮に各方面隊に航空機動旅団を別枠で整備する場合、戦闘ヘリコプターや対戦車ヘリコプターの整備を別として考えた場合でも中期防衛力整備計画で三期から四期という非常に長い期間を要する訳です。

従って管理替えは必要な選択肢ではありますが、他方で、方面隊には指揮官連絡へ、航空隊ではなく飛行隊として航空機数機を配置する選択肢はあるでしょう、ただ、方面航空隊のように独立して運用するのではなく、方面総監部付隊に飛行隊として置く方式が妥当と考えます。

北大路機関:はるな くらま
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