北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【G3X撮影速報】練習艦隊江田島出航二〇二四【4】近海練習航海部隊・外洋練習航海部隊(2024-03-16)

2024-06-20 20:11:57 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■江田島出航
 練習艦隊は次々と出航してゆき瞬間のひとつひとつを貴重な情景として撮影し記録してゆくのです。

 海上自衛隊も将来的に艦内環境というものを欧米並み、いやアメリカ海軍艦艇の居住性の悪さは名高いので欧州並みというべきか、考えなければならないのかなあ、と練習艦かしま、1990年代設計の練習艦出航を眺めつつどうしても考えてしまうのです。

 あさぎり型護衛艦までは科員居住区が3段ベッドとなっていて、申し訳ないけれども暮らすのはちょっとなあ、と昔艦内を見せて頂いた際に思ったもので、むらさめ型、こんごう型から漸く2段ベッドと改善されてゆくのですが、これが1990年代のはなし。

 フランス海軍のミストラル級強襲揚陸艦はクルーズ船に範をとった設計であり、満載排水量に対して収容能力が少なすぎる、と2000年代初頭には批判されたものですが、しかし2020年代の長期航海増大を背景に考えますと、これは先見の明があったと思う。

 45型駆逐艦、イギリス艦を撮影した際にお教えいただいたのですが、下士官から二人部屋で三交代制なのでかなりの時間を一人で占有できるほか士官は基本的に個室でBARさえある艦内、イギリスは続く83型駆逐艦でさらに艦内容積を増やすという。

 むらさめ、とともに単縦陣を期待したのですが各艦が離隔を十分に取った関係で、むらさめ転舵前に津久茂瀬戸に向けて練習艦かしま転舵を先に取ってしまった、掃海母艦が大型だったからなのか、これだけの並びというのはちょっと寂しい印象があります。

 高台から撮影して正解でした、というのも俗にヲタ船といわれるチャーター船が練習艦かしま真横にぴったりついていて、沿岸から撮影している人、ここからも二人ほど見えるのですが、ちょっと邪魔だろうなあ。2012年に初めて撮影したときはこんなのは。

 広角でこの画角を示してみますと、如何にこの撮影でズームレンズに頼っているのか、望遠レンズの威力を、幹部候補生学校の建物と広角レンズで撮影したときの様々な情景の画角と比べてみますと、これはもう一目瞭然というところなのでしょうか。

 登舷礼として一列に卒業生が並ぶ中瀬戸内海と太平洋に向けて、しかし意外なほど組速力を出して進みます練習艦かしま。少しでも広角にしますとヲタ船が映りこんでしまいますから、船体全体を移すのではなく一部をトリミングしてみた構図となっていて。

 教官とOBと父母でしょうか、対岸の海岸からも例年の見送りが。ただ、COVID-19の数年間を挟んで、見送りの規模がかなり縮小してしまっているのですよね、2010年代はもう割れんばかりの旗幟と歓声がこの高台の撮影位置まで響いてきたほどでしたから。

 護衛艦と掃海母艦に護衛艦という不思議な取り合わせ、大きさ的に今後護衛艦もがみ型も近海練習航海や外洋練習航海に加わるのでしょうか、コンパクトな艦といわれていますが、排水量では護衛艦あさぎり型よりも大型、改良型はさらに大きくなる見込み。

 さわぎり、登舷礼を行っています。昭和から平成にかけての過渡期に量産された護衛艦はステルス性という点では前時代的ではありますが、2機のヘリコプターを収容可能な格納庫を採用したことで、ソマリア沖海賊対処やアラビア海海上阻止支援に活躍だ。

 うらが、むらさめ。掃海母艦と護衛艦ですと、大きさのバランスは不思議と取れているのですが、昔はこの位置にヘリコプター搭載護衛艦が居たことも多かった、護衛艦が平時の警戒監視任務で多忙を極めている事を実感してしまう情景といえるでしょう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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北朝鮮核弾頭増強-ストックホルム国際平和研究所報告,米韓飽和核攻撃の懸念-新兵器"火山31核弾頭"量産強化

2024-06-20 07:00:34 | 国際・政治
■ストックホルム国際平和研
 わが国に隣接する朝鮮半島において厳しい状況が進んでいると懸念すべき研究報告がありました。

 北朝鮮軍が核物質を増段している可能性が高い、ストックホルム国際平和研究所が6月17日に発表した研究報告によれば、北朝鮮は金正恩総書記の命令により核兵器用核分裂物質の増産に務めている模様で、ウラン濃縮施設の拡大などに関連する動きが確認されているという。こうした中で今年1月の時点で核兵器90発分の核物質を備蓄した、と。

 金正恩総書記の核兵器用核物質増段は2022年12月の朝鮮労働党重要会議において示されたもので、これは対外的な抑止などを含む宣言では無く実際の核戦力増大を行う実務命令であったもよう。IAEAのグロッシ事務局長は3日のIAEA定例理事会にて平壌近郊のカンソン核関連施設の拡張工事が今年2月下旬から進められていると報告しています。
■カンソン核関連施設
 核関連施設について。

 北朝鮮のカンソン核関連施設には複数の遠心分離機が置かれているという。元々この施設は2019年のヴェトナム首都ハノイにおける第二回米朝首脳会談において北朝鮮が寧辺核施設廃棄の見返りにアメリカの経済制裁終了を強く求めたところ、アメリカ側にこの施設の存在を指摘され、経済制裁解除に関する交渉が決裂したことで知られています。

 寧辺核施設についても現在操業中であり、これまでに兵器用プルトニウム生産に当たっていた5000kw級黒鉛減速炉に加えて新しく軽水炉が建設されており、この軽水炉の試運転が開始された可能性が衛星写真などの分析から指摘されています。カンソン核関連施設はその規模から、寧辺核施設に二倍程度の核分裂物質濃縮が可能だと考えられています。
■火山31核弾頭
 北朝鮮は核兵器を抑止力としてではなく有事の際の第一撃として大量使用する可能性があります。

 火山31核弾頭、ストックホルム国際平和研究所によれば北朝鮮が現在増産を図っているのは戦術核兵器用の火山31核弾頭の可能性が高いとのことで、これは2023年3月に核分裂物質生産拡大が北朝鮮により発表された際に存在が発表された核弾頭です。懸念されるのは、現在北朝鮮は650mm口径の大型ロケット砲などを強化し実験を繰り返す。

 超大型ロケット砲は射程が大きく誘導装置を搭載しているものと考えられますが、運用は戦略軍のほかに陸軍が運用しているもの、これに火山31核弾頭が搭載された場合は、朝鮮戦争停戦破綻と同時に北朝鮮が南進を開始する際、米韓ミサイル防衛を飽和状態として突破すべく二桁以上の数の戦術核兵器が一斉に使用される可能性を示唆しています。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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