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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【京都幕間旅情】上賀茂神社-賀茂競馬,桜から楓へ鉦鼓が響けば右の騎手と太鼓が轟けば左の騎手が

2024-06-05 20:24:56 | 写真
■五穀豊穣を問う神事
 迫力があるなあと写真を観返しましても。

 賀茂別雷神社の賀茂競馬、ゴールデンウィークの真っ最中に執り行われる神事なのですが、この五月五日の馬が駆ける勇壮な祭事こそ人の心ひく神事ではあるのですが、しかし祭事そのものは実は五月一日から始められているもので、長い神事であるのです。

 足汰式、これも古式にの鳥取執り行われているものでして、あしぞろえしきと読むのですが、神事に参加します馬は20騎、そのうち一斉に走るのではなく2騎を組み合わせてはりしますので馬を各々走らせ、同じ走りの早さ同士の馬たちで組み合わせを定める。

 騎手の組み合わせというのは重要で、それは騎手は左右に二人が並び、左の騎手には緋闕腋袍に緋色裲襠、右の騎手は黒の闕腋に青の裲襠を身につけたうえで上衣としまして獅子の繍が描かれた袍を身につけます、故に騎手は組み合わせで装束が決まるという。

 饗食という神事は、3日に騎馬の騎手が親族を持て成す神事として祭事に組み入れられていまして、その饗食を終えて明けて4日に騎手たちは上賀茂神社ではなく下鴨神社を参拝するという祭事の取り決めがあります、そして5日の神事に臨むのですね。

 午刻に一番太鼓が響き神事が始まります、競馬をケイバと読むならば騎手は機能的な装いで臨むのでしょうがこれは神事であり、競馬太刀という、真剣ではなく模造刀なのですけれども、身に付けまして、神事に臨みます装束も歴史的な伝統衣装となっています。

 桜から楓に。賀茂競馬では桜の一から馬を駆りまして遥か御阿礼所があります方角に向け走るのですが、数百mさきの楓の木までの競いにより鉦鼓と太鼓のどちらかが勝敗を告げるという。鉦鼓が響けば右の騎手、太鼓が轟けば左の騎手が勝ったことを示す。

 鉦鼓が響けば右の騎手、太鼓が轟けば左の騎手、という競いなのですが、その進発は横並びではなくたて並びであり、走り始めるとともにその離隔距離が開いたか縮んだかにより勝敗が決まるというところでして、足汰式で先ず先か後かがきまるということ。

 勝敗というのは、左右の馬は並ぶのではなく一頭分の距離を離隔して走りまして、そのきょりが開いたかどうか、そしてこれは先を行く馬が有利に思われますが六組の騎馬は前に並ぶのが前の競馬での勝敗により決まるため、左右の勝敗は全体に繋がる。

 幄舎からも勝敗を示す扇が掲げられまして、幄舎は東西に設けられていて左の騎手が勝てば朱の日の丸、右の騎手が勝った際には白い日の丸の扇が掲げられるという、この勝敗は合議制であり、勝敗が双方から見え方が違った場合には両方掲げ引き分け、と。

 白絹が勝者の騎馬には与えられまして、騎手はその白絹を乗馬鞭に結び付け高らかに記すとともに、帰路鳥居の前に馬上から鳥居と上賀茂神社本殿より祭事に併せて神霊がうつされています屯宮という祭礼の壇に向けまして神前の報告と共に最敬礼する。

 勝敗、左の騎手が勝てば五穀豊穣という神事なのですが、六組の騎馬が走り抜ける中、一番組は一頭駆けという習わしであり、基本的に五穀豊穣を念頭としているように、六度の競馬を経て古都委は五穀豊穣かそうでは無いかを競うとのことでして。

 貴船神社に、この神事の翌日6日には騎手全員が貴船神社、もともと上賀茂神社の末社という歴史があります、ここに詣でまして、神前の報告と共に勝敗をそのまま貴船川に流して翌年に向けての五穀豊穣と国家安寧を祈る、ここまでが賀茂競馬です。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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【京都幕間旅情】上賀茂神社-賀茂競馬,宮中行事伝統の古式競馬はわが国でも屈指の歴史の長さを誇る神事

2024-06-05 20:00:58 | 写真
■賀茂競馬
 2011年や2016年以来の身動きが出来なかった五月のしかしそのはじまりの頃の神事を拝観しました話題です。

 賀茂競馬、競馬と書いてケイバと読まず、かもくらべうま、こう読む神事があります。ただ、馬の競いというかたちはどうあれ神事というものではわが国でも屈指の歴史の長さを誇る神事ということもありまして、一つ賑わいを見てみよう、と歩み進めまして。

 祭事の撮影、所謂ゴールデンウィークは様々な神事行事が並ぶというのが京都でして、この日ばかりは心静かに過ごすかいっそ岩国フレンドシップデイでF-35戦闘機でも眺めるか、ともうまようところなのですが今年は色々時間の過ごし方を考えてみました。

 自由、というと様々な受け止め方があるのは知っていますが、わたしの場合は特に休日の散策は、あてどもなくというと放浪とか徘徊になってしまいますので徘徊よりも俳諧に留めまして、しかし日程を自分でがんじがらめにして縛ることだけは避けたい。

 撮影位置とか撮影機材とか、それも自衛隊行事ならば、航空祭には超望遠を想定して駐屯地祭では機動力を考えた身軽さ、と自分で器材を考えるのですけれど、京都散歩、という際にはもうその日の気分で今日は軽く、とか望遠を携行するか、を考えます。

 オーバーツーリズム、しかしこの今では日常的な、日常への浸食というならばCOVID-19よりも影響度が大きくなっているのかなあ、という言葉が、なんといいますか、この京都散歩という京都の街並みを歩く中に、無視できないような影響を及ぼしている。

 むかしはもっと自由に撮れましたよ、ねえ。こう声をかけられましたのは一つ撮影しまして、さてピントの度合いはいかがなものか、とカメラのデータを確認している際に老紳士の、しかしCANONの一眼レフを使っていました、方に声掛けされまして。

 一眼レフ、そうミラーレスがどんどん増える中において、電子画像ではなく光学画像に光学機器の精緻というべき望遠レンズを構えて撮るという方にはそれなりのこだわりと、そして銀塩時代から撮っているならではの慎重さと新技術を知っている世代だ。

 茂みの中から撮影に適した位置を探す、というのは恰も舞鶴基地の撮影が難しい位置に接岸している護衛艦を撮影しているようで、確かに前はもう少しわきのあたりや、そもそもこうした線引きなどは無かったものですから、隔靴掻痒といえばそうですね。

 自由に撮れた、といいますと、そう、天幕で神事を覆い隠すのは分かるのですが、覆い隠すとともに有料拝観席が準備されていまして、その有料拝観席の場所が悪いとともに、しかしそれでも仕方ないかと拝観席受付へ誘導されて歩み進めたのですけれど。

 有料拝観席は、満席の設定は早くて、誘導された先にはもう拝観受付は終了しているという一言でした。こんなものは無線で事前連絡することですぐに情報共有できるでしょうに、受け付けられない受付へどんどんと誘導されているため、混乱が生じていた。と。

 撮影位置から考えますと、有料拝観席はもう少し収容力を考えて欲しい、神事ですから美しく撮影する事は想定していないのかもしれませんが、神馬さんが走り出す基点ちかくのみに拝観席が設定されていまして、加速する前に拝観席の視界から去ってしまうのです。

 神社のご神体は北方の山なのですから、その北側にもう少し拝観席を設定してくれましたならば、勇壮な、走っているという神馬の神事という様子を撮影できるのですけれども、出発して加速する前しか見られない位置ではなあ、と少し嘆息してしまうのです。

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【京都幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌:京都-近鉄プラッツ跡ヨドバシカメラ前でホットドックの軽朝食

2024-06-05 07:00:34 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 総監部の街舞鶴へ特急まいづる号の発着する京都駅は護衛艦を撮影するために不可欠のカメラ機材を入手する要衝に隣接している。

 京都の家電量販店、寺町が電気街であったと言われても実感が難しい昨今、家電量販店と云われても入ってみるとデジタル一眼レフ一つなくCFカードさえ購入できないという事が多い中で、特にカメラを撮影機材として重視する当方としてはこまったものです。

 京都駅前のヨドバシカメラ、ここは京都で何か家電などで困った事が有りますと駆け込み寺のようになっていまして、いや昔からここにあった近鉄プラッツの中にソフマップがあり、この場所はわたしにはデジタルカメラ黎明期のころから大切な場所となっています。

 MIWAKU,京都ヨドバシに隣接している喫茶店は、軽めの朝食を頂く際にお勧めできる一角です、少々煙草のきついニオイがただよっているのですけれども、まあ、家電を買う際には立地な良いので我慢する事が出来て、ホットドックと、そしてアイスコーヒーを嗜む。

 ホットドック、二つに切りかけられて供されます。ちょっとした焦げ目が香ばしさを醸していて、普通の大きさのソーセージが酸味のマスタードとケチャップソースに隠れていて、一口サイズという訳ではないけれども、はむはむと軽い食事として頂くにはちょうどよい。

 アイスコーヒーをストローで吸うのではなくコップからそのまま啜る、ごくごくというよりはちびりちびりと頂くのは、そう、どれを買うか迷っている為なのですよね。ロシア軍ウクライナ侵攻とCOVID-19の長びくグローバルサプライチェーン破綻は品不足を招いた。

 長居、もちろん常識の範囲内ですが、珈琲よりも煙草の香りが喉に絡んできた当たりで店を出る、テレワーク時代のおかげで煙草との接点を切った結果、逆にこの匂いに耐性が無くなったのは悪い事じゃないけれども不便だとおもいつつ、思わずため息をついてしまいました。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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