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【G3X撮影速報】久居駐屯地創設72周年記念行事【3】第33普通科連隊の観閲行進(2024-04-07)

2024-06-15 20:02:47 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■普通科連隊の観閲行進
 式典から観閲行進への切り替わりは正にこの行事の動きが静から動へ。

 普通科連隊の徒歩観閲行進、国旗の日章旗と共に歩む普通科隊員のすがたは車両化が進んでいるとはいえ伝統的ともいえるこの情景は普通科部隊らしさを示しているようにさえ思えるものなのですが、この装備を見ますとなかなかかわらないなあ、とも。

 制服がこの数年間で新型に転換しているのは重要な変化でしょうか。2019年でしたか、相馬原駐屯地祭の時に、今年はやけに来賓の消防団の人が多いなあ、榛東村の消防団は鍛えているなあ、とおもっていたら、新制服だよ、といわれたのは今では懐かしい。

 89式小銃を手に観閲行進、このいわゆる“陸自迷彩”“迷彩2型”というものも今後新型が開発されるのでしょうか。小銃については20式小銃が制式化され水陸機動団などに入っているようですが、第8師団は配備開始でしたか、今後どう配備が進むのかも。

 89式小銃はAR-18のライセンス生産経験をもとに豊和工業が国産開発した小銃で、開発当初はいろいろいわれていましたが、評価が一転したのは2003年イラク派遣決定に際し、クウェートでの全派遣隊員1000発射撃訓練の際に不具合が奇跡的なほど少なかった。

 軽装甲機動車、こちらもイラク派遣に際し、間に合った装備、といわれたもの。ただ、排気ガス基準に対応しなくなったことで改良型を小松製作所が開発したところ、製造費が3500万円から5000万円に増加した事を財務当局が問題視し製造修了が決定して。

 イーグルⅣ軽装甲車かハーケイ軽装甲車を後継装備とする計画ですが、共に製造費は一億円を超えてしまいまして、いや、パトリアAMV装甲車が普通科部隊に配備されるために軽装甲機動車後継車両は必要な装備数が下方修正されるとは言うのですが。

 JLTV統合軽量戦術車両をアメリカ軍が採用した際に自重10.2tのどこが軽量なのか、と驚いたものですが、ベルギーが2020年に購入した際にJLTV322両が1億3500万ユーロとなっていて、値段もえらいことになってるなあ、と軽装甲車高騰に驚きました。

 軽装甲機動車、2020年代の視点からは防御力不足は確かに感じますし、懸架装置の限界から単純に増加装甲を装着できない事も理解しているのですが、この装備の最大の利点は安さであり、もう少し小松製作所から数を調達することは出来なかったものかなあ。

 重迫撃砲中隊の高機動車を転用した重迫牽引車、こちらは制式化というか部隊運用認可が1992年、小改良は行われているものの、汎用車両としての運用は兎も角として第一線での運用に装甲が無いことの厳しさがロシアウクライナ戦争で指摘され続けて。

 高機動車そのものは先日自衛隊の中古車両101両が支援物資としてウクライナへ到着しましたが、ある程度使い道はある模様、ただ、やはり装甲車の方が、最近は砲兵の滅茶苦茶な制圧射撃に加えて手榴弾を抱えた市販無人機が雲霞の如く襲う中、安全で。

 本部管理中隊の観閲行進、本部管理中隊は偵察に当たる情報小隊や工兵に当たる施設作業小隊と戦闘救急に当たる衛生小隊など様々な部隊が連隊を支援する、ここに装甲輸送小隊のような、装甲車を15両くらい装備する輸送支援部隊があればなあ、とも。

 フロントガラスに太陽光が反射した瞬間を偶然撮影しました。第一線部隊は与えられた装備の中で創意工夫を法律内で行う他ないのですが、その時、がいつ来るかは相手次第という現行憲法の専守防衛なのですから、それなりの重装備を揃える政治の責任は重い。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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