■戦闘機日英伊共同開発
国際共同開発は各国軍の同床異夢と各国毎技術者人事異動があり成功しにくいとの視点はあるようですが。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/ac/df769f21fd1f85d6d6db1cf7f1b74ec1.jpg)
F-2戦闘機のイギリスと日本の共同開発方針、ここにイタリアが加わりまして欧州と日本の戦闘機開発という、日本の防衛用航空機開発としては過去にないあたらしい一歩を進む事となりました。従来はFSX支援戦闘機,F-2戦闘機日米共同開発、しかし完成した装備はアメリカが生産に関与するがアメリカ軍は採用しない、という方式が執られてきました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/44/1fb5b0fbaae3e345db5310394c099186.jpg)
イギリスと共同開発で大丈夫なのか、こう思われる方が思いのほかいるようですが、幾つかの事情を踏まえてみますと、むしろ日米共同開発の方がリスクがある、という事に気付かされます。先ずイギリスですが、国防費のGDP比は2%を越えており、これ以上支出できない為に各国と共同開発を進めるという必然性があるのです、一国で開発費を出せない。
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センチネルR1地上監視航空機、アメリカは将来発展性を見込み様々な性能を盛り込む、結果高くなる。イギリスは米英共同開発によりセンチネルR1という航空機を開発しました、しかし、常識的な性能に対してアメリカは将来発展性から満足できず不採用、イギリスのみ調達する事となり運用費用が高騰、僅か14年で退役させています。この点は重要だ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/f4/d522a0f9750ec44fac6cd145100890b8.jpg)
テンペスト戦闘機、イギリスが今回の共同開発戦闘機のたたき台となる第六世代戦闘機計画を開始した際、取得性を重視する、としました。要するにF-35よりも安価にしたいという国防予算の切迫性、そして掛け声倒れになりますとイギリス自身が買えないという、ハイローミックスではなく揃えられる事こそが次世代機、と認識している点も重要でしょう。
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日米共同開発を行うにも適当な機体が無い、アメリカはF-22にF-35のセンサーを搭載した機体を提示しましたが、F-35ライセンス生産さえ認めない現状では技術移転に現実味がない、とはいえアメリカに次期戦闘機計画はF-22後継機位しか無く技術移転の目処は無い、F/A-18E後継機については着手さえされていない、アメリカに提示できる物が無いのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/66/24c71e4e96f921a9668ef21ec782df2b.jpg)
F-2戦闘機の後継である、この点も重要です、もしF-15後継機であれば難航したでしょうが、防空自衛隊というべき制空戦闘至上主義の航空自衛隊に在って多機能戦闘機であり、航空自衛隊の任務かとの内部での議論もある対艦攻撃を担うF-2後継機ですので、元々“支援”戦闘機とされた区分、つまり性能などに譲歩余地がある、F-2開発の際の様に、ね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/0c/10b020f792d1498607fb278b8fc8ed8a.jpg)
イタリアが開発に参加しましたが、こちらで興味深い点が生まれます、日本は2024年からF-35Bを導入しますが、イギリスとイタリアは導入しており、日本とイタリアはF-35Aを運用している、つまり第五世代戦闘機を切迫して導入なければならない状況にありません、そしてF-35を補完する機体を必要としている、この点で共通している点は注目に値します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/0f/2bdde5b747d67e6cdb45a1ebfac243b3.jpg)
ユーロファイター戦闘機、国際共同開発が空中分解する懸念も無いには無いのですが、イギリスとイタリアは思いのほか短かったユーロファイター戦闘機の構造寿命を前に、それほど悠長に開発を待てないという背景はあります、一方で手元にF-35が配備済みという余裕はある。この国際共同開発は、実は非常に各国の時機が良いプロジェクトとなるでしょう。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
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国際共同開発は各国軍の同床異夢と各国毎技術者人事異動があり成功しにくいとの視点はあるようですが。
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F-2戦闘機のイギリスと日本の共同開発方針、ここにイタリアが加わりまして欧州と日本の戦闘機開発という、日本の防衛用航空機開発としては過去にないあたらしい一歩を進む事となりました。従来はFSX支援戦闘機,F-2戦闘機日米共同開発、しかし完成した装備はアメリカが生産に関与するがアメリカ軍は採用しない、という方式が執られてきました。
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イギリスと共同開発で大丈夫なのか、こう思われる方が思いのほかいるようですが、幾つかの事情を踏まえてみますと、むしろ日米共同開発の方がリスクがある、という事に気付かされます。先ずイギリスですが、国防費のGDP比は2%を越えており、これ以上支出できない為に各国と共同開発を進めるという必然性があるのです、一国で開発費を出せない。
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センチネルR1地上監視航空機、アメリカは将来発展性を見込み様々な性能を盛り込む、結果高くなる。イギリスは米英共同開発によりセンチネルR1という航空機を開発しました、しかし、常識的な性能に対してアメリカは将来発展性から満足できず不採用、イギリスのみ調達する事となり運用費用が高騰、僅か14年で退役させています。この点は重要だ。
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テンペスト戦闘機、イギリスが今回の共同開発戦闘機のたたき台となる第六世代戦闘機計画を開始した際、取得性を重視する、としました。要するにF-35よりも安価にしたいという国防予算の切迫性、そして掛け声倒れになりますとイギリス自身が買えないという、ハイローミックスではなく揃えられる事こそが次世代機、と認識している点も重要でしょう。
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日米共同開発を行うにも適当な機体が無い、アメリカはF-22にF-35のセンサーを搭載した機体を提示しましたが、F-35ライセンス生産さえ認めない現状では技術移転に現実味がない、とはいえアメリカに次期戦闘機計画はF-22後継機位しか無く技術移転の目処は無い、F/A-18E後継機については着手さえされていない、アメリカに提示できる物が無いのです。
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F-2戦闘機の後継である、この点も重要です、もしF-15後継機であれば難航したでしょうが、防空自衛隊というべき制空戦闘至上主義の航空自衛隊に在って多機能戦闘機であり、航空自衛隊の任務かとの内部での議論もある対艦攻撃を担うF-2後継機ですので、元々“支援”戦闘機とされた区分、つまり性能などに譲歩余地がある、F-2開発の際の様に、ね。
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イタリアが開発に参加しましたが、こちらで興味深い点が生まれます、日本は2024年からF-35Bを導入しますが、イギリスとイタリアは導入しており、日本とイタリアはF-35Aを運用している、つまり第五世代戦闘機を切迫して導入なければならない状況にありません、そしてF-35を補完する機体を必要としている、この点で共通している点は注目に値します。
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ユーロファイター戦闘機、国際共同開発が空中分解する懸念も無いには無いのですが、イギリスとイタリアは思いのほか短かったユーロファイター戦闘機の構造寿命を前に、それほど悠長に開発を待てないという背景はあります、一方で手元にF-35が配備済みという余裕はある。この国際共同開発は、実は非常に各国の時機が良いプロジェクトとなるでしょう。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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