■南シナ海緊張更に沸騰
わが国の重要なシーレーンが広がり、アジア30億の交易における重要航路が通る南シナ海での中国の挑発がさらに高まり、緊張が沸騰状態へ近づいています。
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空母遼寧、初の実弾搭載の艦載機による演習を実施した、とのこと。2012年に再就役し、四年間を経てようやく艦載機が実弾演習を実施できる水準となりました。空母遼寧は元ソ連海軍未成空母ワリヤーグをウクライナから調達したもの、進水式は1988年、今年で進水式から28年という空母遼寧、漸く艦載機を運用できるようになりました。艦載機はSu-27をコピーした殲15、数十機が演習に参加し10発以上の実弾を発射したとのこと。
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アメリカ海軍の水中無人機がルソン島沖で中国軍に奪取される事件はこの直後発生しました。無人兵器は鹵獲される危険性が指摘されてきましたが、本当に奪取されてしまいました。ルソン島南シナ海にてUSNSバウディッチより運用試験中のテレダイン社製水中無人機が引き上げの際に中国海軍の艦艇により奪取されたとの事、USNSバウディッチは数日間、中国艦追尾を受けていました。中国海軍は水中無人機返還の可能性を示唆しています。
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有事の際ならば無人機は人的損害の危険性がない有用な兵器ですが、平時に使用しますとグレーゾーン事態において奪取されそうな状況に、予防攻撃を実施する事は出来ません、また、奪取されますと筺体には多種多様な機密情報が当然盛り込まれていますので、平時には必ずしも有用な装備とは言い切れません、過去にアメリカはRQ-170無人機がイラン軍によりハッキング、毎回飛行経路が重なった為に疑似GPS誘導により奪取されたという。今回の事態を受け米海軍、今後この種の強硬手段に対しどのように対応するのでしょうか。
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米国株式市場はハイテク株下落、米中の緊張も意識、とのロイター報道、アメリカの水中無人機奪取事件がそのまま米中対立へ展開する可能性があるとして投資家がリスク回避の動きを見せたという、南シナ海での事件がさっそく市場へ影響した形です。もちろん、無人機奪取事件は単体であれば過去の海南島EP-3衝突事故と同程度の、情報漏えいの危機はあるが、この事件を契機としての大規模な軍事衝突は充分回避できる規模の事態といえる。
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しかし、今回の事件の背景がアメリカトランプ政権への政権交代に先立つ中国側の牽制であるとすれば、当然今回の事件のような水準単体で終わる事は考えられない為、これを端緒として米中対立が本格化する事を意味します。投資家のリスク回避はこうした長期的な懸念に依拠するものと考えられ、これを次期政権が態度硬化で対応するのか対中融和路線へ転換するのか予断を許しませんが、投資家は問題長期化を見越した行動をとったかたち。
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一方、この米中対立の端緒を探れば、台湾問題を契機とした米中政治摩擦に見出せるでしょう。これを契機として中国によるアメリカ自動車メーカー経済制裁への動きへ展開しようとしています。この種の事態は複合要素で展開しまして、要因は一つではありませんが、中国はアメリカ企業へひとつと解釈されかねない方法で間接的に揺さぶりを掛けようとしています。これはロイター通信が中国国家発展改革委員会筋の話として報じたものです。
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アメリカ自動車メーカー経済制裁について、中国国家発展改革委員会筋の情報としては独占禁止法違反が事由に挙げられますが、同社の市場占有度合いは高くありません。中国への海外企業進出は基本的に合弁企業を現地法人として設置する事が条件であり、知的財産権開示や資本引上げ規制など不明瞭な規制が問題視されてきましたが、今回、必要であれば切る事が出来る幾つかの切り札の中で最初の一つをアメリカに対して示した形です。
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実際、日本企業は過去に日中政治摩擦を契機とした様々な妨害を受けてきましたが、今回、アメリカ企業に対して本格的に示される事となり、アメリカが引くのか、対立が拡大するのか、中国が引く事も考えられるのか、アメリカにも対中経済制裁は中国経済の根幹を破壊する対中通貨交換停止措置等の手段があり、新しいリスクが顕在化しようとしています。
北大路機関:はるな くらま
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
わが国の重要なシーレーンが広がり、アジア30億の交易における重要航路が通る南シナ海での中国の挑発がさらに高まり、緊張が沸騰状態へ近づいています。
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空母遼寧、初の実弾搭載の艦載機による演習を実施した、とのこと。2012年に再就役し、四年間を経てようやく艦載機が実弾演習を実施できる水準となりました。空母遼寧は元ソ連海軍未成空母ワリヤーグをウクライナから調達したもの、進水式は1988年、今年で進水式から28年という空母遼寧、漸く艦載機を運用できるようになりました。艦載機はSu-27をコピーした殲15、数十機が演習に参加し10発以上の実弾を発射したとのこと。
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アメリカ海軍の水中無人機がルソン島沖で中国軍に奪取される事件はこの直後発生しました。無人兵器は鹵獲される危険性が指摘されてきましたが、本当に奪取されてしまいました。ルソン島南シナ海にてUSNSバウディッチより運用試験中のテレダイン社製水中無人機が引き上げの際に中国海軍の艦艇により奪取されたとの事、USNSバウディッチは数日間、中国艦追尾を受けていました。中国海軍は水中無人機返還の可能性を示唆しています。
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有事の際ならば無人機は人的損害の危険性がない有用な兵器ですが、平時に使用しますとグレーゾーン事態において奪取されそうな状況に、予防攻撃を実施する事は出来ません、また、奪取されますと筺体には多種多様な機密情報が当然盛り込まれていますので、平時には必ずしも有用な装備とは言い切れません、過去にアメリカはRQ-170無人機がイラン軍によりハッキング、毎回飛行経路が重なった為に疑似GPS誘導により奪取されたという。今回の事態を受け米海軍、今後この種の強硬手段に対しどのように対応するのでしょうか。
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米国株式市場はハイテク株下落、米中の緊張も意識、とのロイター報道、アメリカの水中無人機奪取事件がそのまま米中対立へ展開する可能性があるとして投資家がリスク回避の動きを見せたという、南シナ海での事件がさっそく市場へ影響した形です。もちろん、無人機奪取事件は単体であれば過去の海南島EP-3衝突事故と同程度の、情報漏えいの危機はあるが、この事件を契機としての大規模な軍事衝突は充分回避できる規模の事態といえる。
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しかし、今回の事件の背景がアメリカトランプ政権への政権交代に先立つ中国側の牽制であるとすれば、当然今回の事件のような水準単体で終わる事は考えられない為、これを端緒として米中対立が本格化する事を意味します。投資家のリスク回避はこうした長期的な懸念に依拠するものと考えられ、これを次期政権が態度硬化で対応するのか対中融和路線へ転換するのか予断を許しませんが、投資家は問題長期化を見越した行動をとったかたち。
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一方、この米中対立の端緒を探れば、台湾問題を契機とした米中政治摩擦に見出せるでしょう。これを契機として中国によるアメリカ自動車メーカー経済制裁への動きへ展開しようとしています。この種の事態は複合要素で展開しまして、要因は一つではありませんが、中国はアメリカ企業へひとつと解釈されかねない方法で間接的に揺さぶりを掛けようとしています。これはロイター通信が中国国家発展改革委員会筋の話として報じたものです。
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アメリカ自動車メーカー経済制裁について、中国国家発展改革委員会筋の情報としては独占禁止法違反が事由に挙げられますが、同社の市場占有度合いは高くありません。中国への海外企業進出は基本的に合弁企業を現地法人として設置する事が条件であり、知的財産権開示や資本引上げ規制など不明瞭な規制が問題視されてきましたが、今回、必要であれば切る事が出来る幾つかの切り札の中で最初の一つをアメリカに対して示した形です。
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実際、日本企業は過去に日中政治摩擦を契機とした様々な妨害を受けてきましたが、今回、アメリカ企業に対して本格的に示される事となり、アメリカが引くのか、対立が拡大するのか、中国が引く事も考えられるのか、アメリカにも対中経済制裁は中国経済の根幹を破壊する対中通貨交換停止措置等の手段があり、新しいリスクが顕在化しようとしています。
北大路機関:はるな くらま
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