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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

ウクライナ情勢-ロシア軍のウクライナ無人機対策と前月比9%減少したロシア軍攻撃回数

2024-04-09 07:00:10 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 無人機からの基地防護は自衛隊も考えて行かねばならない課題なのですが先ずは脅威の周知と共有なのでしょうか。

 ロシア軍はウクライナ軍によるクリミア半島航空基地攻撃に苦慮しているが対策に一貫性がない、イギリス国防省ウクライナ戦況報告4月2日の発表によれば、ロシア軍は航空機格納庫前のエプロン地区などに戦闘機のシルエットを描き、無人機による攻撃から航空機を防護しようとしているもよう。これは冷戦時代から偵察衛星に対し行われたもの。

 イギリス国防省はクリミアのキロフスコエ飛行場を一例として示したうえで、こうした欺瞞行動は他に12のロシア空軍基地で行われているとし、しかしロシア軍はコンクリート上の戦闘機シルエット真上に、ヘリコプターを駐機させる等欺瞞の意図を台無しにしている実情もあり、こうした行動によりロシア軍の戦闘序列が露見する事にもなっているもよう。
■攻撃は前月比-9%
 アウディイフカ攻防戦ではロシア軍は毎日自衛隊の師団普通科連隊が消滅する程の人員の損耗とともに戦闘を展開していました。

 ロシア軍の攻撃が9%減少している、4月4日付イギリス国防省ウクライナ戦況報告によれば、3月に確認されたロシア軍の攻撃は2120回となっていて、これは2月の2340回と比較し9%減少しているとのこと。2月にはアウディイフカ攻撃が激化していたのですが、アウディイフカ占領後は減少に転じたとのこと。この攻撃には甚大な損耗もありました。

 ドネツク市周辺での攻撃は逆に2月の721回から3月には806回に増加したものの、ロシア軍の攻撃による戦果が上がらず、ノヴォミハイリフカやヘオルヒーウカとウロジャイネなど都市ではなく集落の攻防が続いているとのこと。この意味する点は不明ですが、一回当たりの攻撃に投入できる車両や人員など戦力が低下している、とも解釈できるでしょう。
■戦況全般の概要
 駐屯地祭での仮設敵について、実際のロシア軍はそんな小規模じゃあないだろうとたかをくくっていましたが現実的には案外正解だったのかもしれない。

 ロシア軍の概況について、ISWアメリカ戦争研究所の4月4日付選挙分析によれば、バフムト北東のヴェセレとベレストヴェで前進し、バフムト西方のイヴァニフスケで占領地を拡大、またドネツク市近郊のクラスノホリフカでも前進したとのこと。ただ攻撃は散発的という。特筆すべき点はT-0506高速道路沿いで増強中隊規模の構成を行った点という。

 T-0506高速道路沿いの攻撃はバフムト西方のチャシフヤールで実施され、中隊規模以上の構成はこのところ多くはなく、今回の攻撃はウクライナ当局によれば25両の車両を用いて行われ、ウクライナにより11両を撃破したとのこと。一方、南部戦線ではロシア軍は小規模な歩兵攻撃を多方面で展開し、ヘルソン州のウクライナ軍分散を図っているとのこと。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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