goo blog サービス終了のお知らせ 

北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

本日は憲法記念日 北大路機関は、基本的に憲法改正には懐疑的

2012-05-03 22:53:04 | 北大路機関特別企画

◆現在の我が国に改憲の戦略展望無し

 本日は憲法記念日です。気が付けば一升瓶が残り半分、ということはよくあることですが、そんな中での記事作成です。

Img_6430 驚かれるかもしれませんが、Weblog北大路機関としては、憲法九条を含め日本国憲法の改正には実のところ懐疑的です。そしてHARUNA氏は護憲派か?と問われれば、我が国防衛の責務についている方々には申し訳ないのですが、実のところそうである、としか言いようがないのです。反感を持たれた方、本意ではありませんが横須賀駅前の居酒屋などで罵倒していただいて結構です。

Img_9566_1p こうした論理の背景には、実のところ我が国の為政者に、遠く数十年の先を見越した明治憲法や現在の日本国憲法を含めた、国際政治の苛烈な展開に対応しうる、いわば次の国際秩序の形成と展開を見越した我が国の国家体系、国の在り方としての憲法を制定するだけの力量と技量があるかに懐疑的な視点があるからにほかなりません。

Img_0948 護憲派には、憲法九条のみを維持し、しかし天皇制は廃止するべきだ、という主張を京都の高僧が円山公園にて憲法記念日の集団示威行動の一環として高らかに宣言した一幕と偶然出会い、我が国の平和主義は国民の象徴たる制度のもとに展開しているという相関関係を否定する勢力が護憲派に紛れているという実情を知り、それならば何も換えない方がよい、と痛感したことがありました。

Cimg_4340 仮に憲法九条の改正を行うという、我が国安全保障上の要件を満たすために、憲法は改正しうる、という前例を作ってしまった場合、今後数十年後の革新勢力の我が国世論や教育体系への浸透を許したのち、変革があってはならない憲法の条文へ書き換えという触手が伸びないと誰が保証できるでしょうか。

Img_6843 実情としては、日本国憲法は判例から安全保障、特に政治の問題としては法学ではなく政治の問題、これを我が国では統治行為論と堅苦しく表現していますが最高裁が判例として出しています。平和的生存権確立のために軍備使用に関しての放棄を行うという条文は政治問題として判断されているのです。

Img_6605 こうした意味で、特に防衛政策に対し違憲判決は為されておらず、政治の問題として最高裁が行政府に判断を転換し、その行政府が防衛力を憲法上許容しうるという判断を下している以上、結果として自衛隊は合憲であり、自衛隊が有事において行う任務も目次的に合憲である以上、敢えて憲法改正の危険を冒さずとも好いのではないでしょうか。

Img_9769 特に、憲法制定権力という視点に依拠すれば、日本国憲法は改憲手続きの難易度から、硬性憲法として改正を念頭に置いていない制度として知られるのですが、これは実定法ではなくconstitution、国家の在り方を示す最高法としての位置づけを強く示しているのだ、ということが出来るのかもしれません。

Img_8663 例えば我が国は世界からの国際公序への要請として、国際平和維持活動を筆頭に国際貢献任務へ、自衛隊を展開させ、広く期待に応えていますが、これも一部の声からは違憲ではないかとの疑義の声が寄せられているものの、最高裁の提示した政治の問題としての行政府への判断を判決からは、この疑義はそうではない、ということが出来るわけです。

Img_2653a 無論、憲法を修正し、我が国御平和主義と国際公序を尊ぶ国民意志を順守するべく外なる強制力からの主権を維持するべく必要な措置を講じ主権を国民固有の権利とする必要を認める、というじょうな条文、我が国は憲法の平和主義の理念を護る防衛措置を講じる権利を有する、という条文があればそれに越したことはありません。

Img_9845 しかしながら、我が国の将来を見越した上で国家の安全ほしょ9鵜は、同盟関係は、国家の団結を位j市売るには、国家の将来の国民福祉を担保し維持するには、これらに影響を与える部分までもを神輿憲法制定する能力を有する政治家は討議や意見集約の部分で十分とは言い難く、結局部分的に改善されつつも全体としては改悪する可能性しかかんがえられないのです。

Img_8143 結果として防衛には条文として制約がありつつも、運用として制約はなく、我が国の独立と主権の維持に必要な措置をとるうえで憲法上の問題が無いのであれば、このまま自衛隊の任務を必要に応じた規模に推移し、必要な防衛政策を実施できる基盤を維持する体系を構築すればよいのではないでしょうか。

Img_8751 また、平和主義という政策は必要に応じて中立に近い政策から、必要な海外での任務等転換さ為せる余地があります。各国の憲法では国際法を自国憲法に比して優位に設定している条文はオランダなど数少なく、我が国も93条に遵守の重要性を記していますが、優位は明示していません。政策の対外的な評価に印象を与える部分としては大きな意味があります。

Img_1732 もちろん、永遠に現在の憲法を維持できるか、と問われれば懐疑的なことは確かです。運用の修正は為されていますので、特に憲法を最高法規としてそのほかの法体系には影響を及ぼすでしょう。しかし、今はその時なのか、と問われれば、もう少し現在の憲法はその目的を達することが出来る、と考えるところ。

Img_6908 自衛隊の検診に対して現在の憲法は失礼なのではないか、という問いは勿論想定するのですが、自衛隊の任務は日本国家の防衛、日本国家とは国家の在り方構造がconstitution、これをConstitutionとすれば憲法となるのですから、特別国家公務員として理念と権利を護る防人として頑張ってほしいというのが本音です。

Img_2645h 特に日本国憲法は国家の自然権としての自衛権、国民の生存権や幸福追求権を位呈するものではないのですから、敢えて無理に憲法を改正し自衛権を重視しつつそのほかの代えてはならない分野へも快晴の危険を曝すことなく、このまま運用すればよいのではないか、と考える次第です。そして、最高法規は国民を国家が護りえない矛盾が生じた際に国民的合意と参加の上で新しい最高法規を造るべきだ、そう考える次第です。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント (27)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする