◆国境地域の緊張は沈静化との判断
南スーダンPKO現地支援調整所第二次要員の派遣が開始されたようです。
朝雲新聞によれば、5月13日に第二次派遣要員16名が成田空港を出発、14日に南スーダンの首都ジュバ空港に到着したとのこと。自衛隊の南スーダンにおけるPKO任務は施設部隊を主力とした民生復興支援ですが、補給路が延伸する南スーダンPKOでは支援調整が重要となります。
現地支援調整所は、隣国ウガンダと南スーダンへ30名の要員を以て任務に当たっており、今回16名の第二次要員を受けました。この派遣と共に次いで派遣施設部隊の第二次部隊の派遣が開始されることとなるのですが、この以前に南スーダン軍がスーダンへ越境し、紛争となったのが先月でした。
PKO部隊が武力紛争へ巻き込まれるとの懸念があり、一時は派遣任務の継続が危ぶまれるのでは、との判断があったのですが、防衛省が首都ジュバへ調査要員を派遣し情報収集と判断の結果継続が可能とされ、このように支援調整要員の派遣は行われています。
自衛隊のPKO任務は順調のようです。陸上自衛隊は宿営地の設営を継続すると共に、四月上旬から道路建設作業を実施、この道路の完成を以て活動地域と給水拠点となる河川浄水場とを接続し、任務にあたることとなっていて、道路工事は完了、道路の側溝排水路を建設中とのこと。
南スーダンでのPKOは、スーダンとの国境紛争の問題や資源問題、加えて内陸国である南スーダンでの任務を支える長大な補給路維持の問題、自衛隊が行うPKO協力法に盛り込まれた可能な任務と自衛隊規模から生じる派遣部隊の規模の上限に対し、南スーダン政府や国連の要請が過大であるなど問題は山積していましたが、我が国の視点からは任務は順調と言えます。
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