■種数が多いツメダニ科とはいえ、室内塵から検出されて、なおかつ「かゆみ」の原因になる種類となると、その数はかなり限られる。
かつての大阪で、最も多く検出されたのは、ミナミツメダニ Chelacaropsis moorei であったが、それも近頃はめっきり少なくなってきている気がする。
先週、東大阪市内で相談があったケースでは、変わったツメダニがマンション和室の室内塵から多く検出された。
ヒトクシゲツメダニ Acaropsellina sollers (Kuzin), 1940 (=Acaropsis sollers)という種で、小麦粉をあつかう食品工場などではよくみられる。
一般の家庭で本種が多い状況は、これまで観察したことがなかった。
ヒトクシゲはミナミに近縁な種で、両種とも胴体背面にキザキザ付き棍棒状毛があり、体型などもかなり似ているが、メス成ダニは以下の点で区別できる。
・胴背板の輪郭は明瞭で前方と後方に2枚確認できる。(ミナミは前方に輪郭が不明瞭な1枚がある。)
ツメダニ類が屋内で多発生することは、多くの場合、一時的である。肉食ダニなので、高密度な個体数を長期に安定して保つことは困難なわけである。畳や押し入れ内部を薬剤処理することと、寝具や室内の寝起きする範囲だけをこまめに掃除機がけすることで、たいてい治まる。
割と話題になるツメダニだが、実際に室内塵検査しても、問題になるほどの個体数が検出されることは稀である。
なんとなく体が痒いってパターンでは、原因がわからないけれど、少なくともダニは関与していないってことが多い。でも、やっぱダニ用殺虫剤をみんな買っていくのが現実だ。プラセボ効果は高いと考えられ、その値打ちは条件付きで認めざるをえない。
■お盆休みも今日で終わり。名作とされるが未読だった本を数冊図書館で借りてきて、ずっと家でゴロゴロしながら読んでいた。
「チップス先生さようなら」は、遺憾ながら随所にちりばめられた「洒落」の意味がぜんぜん分からない本であったが、控えめな反戦メッセージや、おだやかな人間関係の描写に心がほっこりした。
何気なく借りてきた本だったが、チップス先生の夭逝した妻の命日が、ウチの亡き母と同じ日というところで、ちょっと驚いた。
などということをスピリチュアル的事象が大好きなヨメに話してしまったら、しょーもない虫ケラばっかりに気を取られてないで、亡くなった人々も忘れるなよっちゅーコトやね、なんていわれてしまった。
などということをスピリチュアル的事象が大好きなヨメに話してしまったら、しょーもない虫ケラばっかりに気を取られてないで、亡くなった人々も忘れるなよっちゅーコトやね、なんていわれてしまった。