朝、かなりキレイに掘り出されたオオスズメバチの巣が会社のガレージに置いてあった。
前日の夜の成果だ。初めて後輩に任せたのだが、ちゃんと無事に終了したそうでウレしい限り。
仕事でやっているのだから、もっとバラバラに取りだしてもいいのに・・・。
持ち帰ったら誰か観察するかもって、ていねいに掘り出してくれているんやろなコレは、たぶん。
有機リン系の燻煙剤の強烈な臭気が残る中、多数のシマメイガ類の幼虫がまだうごめいていた。
働きバチは少なく、新女王やオスが何匹か混じっていた。
来年の春を迎えられなかった新女王を手のひらに乗せてみた。死んでると小さい。でも妙に少し重い。
この仕事をした会社の人間の糧として、オオスズメバチのおびただしい死があるわけだ。オオスズメバチだって多数の命を糧にしてたので、食物連鎖の一種ということにしておこう。
なんだか、金子みすずの「大漁」とかが頭をよぎる・・・。
とかいいながらも、いそいそとダニ類のサンプルを採集をした。
キスイムシ Cryptophagus sp. の成虫や幼虫もみつかった。この方々は同定できる気が全然しないコウチュウのグループである。白い子嚢果をもつカビ(ユーロチウムと思う)が育房内に生えていたので、キスイムシはこれらを食べていたのかも知れない。
写真の成虫は前頭部がかみ砕かれているが、これはたぶん断末魔で暴れていたシマメイガ幼虫のしわざ。
シマメイガの幼虫って、かなり凶暴である。オオスズメバチの幼虫も孵化したての頃なら、ヤバいんじゃないかと思う。
オオスズメバチの体表もざっと調べたが、コレといった興味深いモノは付着していなかった。
ダニはマヨイダニ科とホコリダニ科ばっかりで、ツメダニ科が出てこなかったのがちょっとガッカリ。