害虫屋の雑記帳(ブログ人の保存版)

ブログ人のサービス停止に伴い、gooに過去記事を保管させてもらうことにした。

闇の奥

2008-08-07 23:33:35 | 自然観察

夜のお寺の森を、そーっとそーっと、ライトもつけずに歩く。先日の昼間にみつけたネバネバの網を造って暮らしていたキノコバエを、暗闇の中でみるためだ。
どうやら、ツノキノコバエ科の一種らしいのだ。ということは、ニュージーランドのグローワーム(Arachnocampa spp.)と同じ科ということで、闇の中で発光するかもって短絡思考するだろう!だれでも!
巨木にたどりついて、ウロを覗き込む!
光っているじゃないか白く輝くように!
まてよ・・・白!?
ウロの開口部を手でふさいでみた。
幼虫の光が消えた!!!はあ?
振り返ってみると、少し離れた街灯の光が木々の間から差し込んできていた。
幼虫が出しているネバネバに、街灯の光が反射しているだけだった。Keroplatidae01_2
どうやら、このアナタケの一種の表面にいたツノキノコバエ科幼虫は光らないようだ。光っていたら、お寺の住職さんと共謀して見物料で一儲けしようという、壮大な悪だくみは一瞬にして潰えた。
せめて、幼虫の採餌行動をみようと観察を続けたが、大半はライトの光を嫌って隠れてしまい、結局、何を食べているのかよく分からなかった。

まあヒラタクワガタでも採集して帰るとするか・・・・。とコナラの樹液を照らしてみると、大きな黒いものが!!・・・・目を凝らしてみるとゴキブリ・・・・。このへんでヤマトゴキブリは久しぶりやん!写真撮っておこうと気を取り直してよくみるとクロゴキブリ!!

冬の瀬戸内海の島で、ウルシゴキブリかもといいながら、クロゴキブリの成虫を樹皮下から採集した思い出が頭をよぎる。Periplaneta_fuliginosa

今夜の収穫は、やはりクロゴキブリは日本の二次林に適応していると確認できたってコトやな。うむうむ。