久しぶりに中学生の息子と夕方の森を散策。虫屋じゃないヤツと散歩しても面白くもなんともないのだが、それは、くだらないキノコの観察を無上の喜びとする息子も、同じ感情を抱いているに違いない。親父にくっついてきたのは、夏季休暇中宿題の最難関「自由研究」のテーマ探しである。「なにしようかなー」などとつぶやきながら、うしろに付いてこられるのもウザイので、テキトーなものを指差しながら研究対象として薦めるが、どれにも首を縦に振らない。
「あの木の幹で蟻道を作って、中でアリマキ飼っているアリなんかどう?」
「雑木林の樹冠の虫の研究とか?」
「池の中のシャジクモ類の水深別の分布とか?」
うーむ・・・われながら本当にテキトーだな。
そのうちキノコ観察にうつった息子は、巨木のウロにくっついている白い皮の様なキノコを観察し始めた。そのキノコの表面には、ネバネバをだしてうごめく、割と大きめのキノコバエっぽい幼虫がいた。「あれもって帰って、育てるってのは?」とまたも提案。シュタッと手を上げてさえぎりながら「あんなキショイのは、ママ無理やろ」と息子。そうか、我が家では生物の持ち込みに強烈な検疫が実施されているので、いきもの持ち帰り系の研究は困難だったな・・・・。
南の島にいるキノコバエは光るそうだが、ここのも意外に光ったりしてなどといいながら、森をあとに帰宅した。今日見たキノコバエ幼虫は、この辺で時々みかけるがいったいなんなのだろう?帰ってネットで調べると、あのネバネバでキノコの胞子を集めているらしい。ナメクジみたいでキモイと思っていたが、グローワームみたいに採餌行動の一つだったとは!しかも、光る種類と外観がソックリ(薄暗がりなのでケータイでは写真が撮れなかったが・・・・)。
ワシが夏休みの宿題で研究したいやないか!
息子の方は、しょうがないから、なぜ学校では自由研究などということを生徒にさせて、生徒たちはどのように苦しみながら宿題をやり遂げているのか、ほとんどは親が手伝っているという点に、現代の理科教育のひずみがあるのではないかウダウダって感じで、同級生を観察対象にした研究発表をしろと薦めたら、かなり乗り気になっていたので、ちょっと後が怖いかも。