分からないことだらけの侵入種のコウチュウであるMicrochaetes sp.が、どんな場所で生息しているのか、今日ようやく観察できた。
此花区のUSJ付近で仕事を終えて、昼食後に海際の遊歩道を散策していた。同僚が歩道の雑草を引き抜くと本種の成虫が転がり出てきた。私が周囲のコケをひっくり返すと蛹やら幼虫やらが出てきた。幼虫の個体数は多く、コケ10cm四方あたり10数個体程度みられた。食品工場の定点トラップにかかることが増えてきているのだから、予想はしていたが、やはり個体数は多かった。観察のために一部の幼虫はコケごともって帰った。
この場所は今まで定期的に歩いていたが、マルトゲムシ科などをみたことはなかった。きっと、コケ系の昆虫は、他のムシを探しているときの人間の視野には入ってきにくいのだろう。
このムシが最初に日本に入ってきたのはどのあたりかということは、もはやとても難しい問題になったような気がする。ムシ好きの目に留まりにくい場所で生息しているとすると、発見された順に分布が拡大しているとは考えにくくなる。分布が広がっていく状況を皆で調べていくなんて研究をしようとしても、その実施は困難に思える。この辺は、アワダチソウグンバイなどでは可能だったが・・・・・・。
考えてみれば、大阪市内で時々みかける在来種のシラフチビマルトゲムシにしても、私は府立公衆衛生研究所の中庭のゼニゴケ類で大量に見たことがあるくらいだが、いざ分布調査をするとなると途方にくれるだろう。
というわけで、また定期的に観察すべき飼育容器を増やしてしまった。やれやれ。