医療制度改革批判と社会保障と憲法

9条のみならず、25条も危機的な状況にあります。その現状批判を、硬い文章ですが、発信します。

70歳以上の一定以上所得者に3割証送付

2006年07月28日 | 医療制度

   70歳以上の一定以上所得者に3割証を送付

(判定基準が少し異なるので区分は、70歳以上現役並みと69歳以下一定以上に整理された)
 
 老人保健法、健康保険法の所得区分の判定が、8月1日であることから、70歳以上で一定以上所得者に、8月1日からの新しい医療証が7月末に送付された。 
 それは、医療費の自己負担が3割と表示され、ただし、9月30日までは2割負担と書かれている。 
 先の国会で、6月14日に成立した医療制度改革関連法の先行実施分の反映だが、3割負担の医療証を送り付けられた高齢者の気持ちを考えると、酷い政治になったと思わずにはいられない。 
 課税標準所得で145万円、世帯の総収入で520万円以上が、この3割負担の対象となる。 
 6月には、市県民税、国民健康保険料、介護保険料、福祉医療の非該当通知と、負担増通知の4連発だったが、今回はこれで、さらに療養病床に入院している高齢者には、10月からは居住費・食費の自己負担が導入される。 
 これらが医療制度改革関連法の先行実施分であり、本格的な改悪はこれからであり、さらなる高齢者攻撃・高齢者いじめが続くこととなる。
 1980年代から現在にいたる老人(医療)攻撃の経過を振り返って見れば、老人医療制度の改悪を梃子に、一般の医療制度を改悪するという手法が、3次にわたって展開されてきた。新高齢者医療制度の創設に始まる攻撃も、高齢者だけが標的ではないということを、心しなければならない。
 関連法案は、充分な議論もなく成立してしまったが、その実施にむけての詳細はこれからであり、その内容を看視し、歯止めをかけ、そして、なんとしても政治の流れを変え、反撃に転じたいものだ。


4 コメント

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Unknown (taka)
2006-07-29 20:05:18
以前もお話しましたが、一般に「国民1人当り800万円」ともそれ以上とも言われる財政赤字を早急に解決しないことには日本の将来に「社会保障」は無くなってしまうのではないでしょうか?僕も学生時代は憲法を専攻しており、解釈の違いはあるかもしれませんが、その理念はある程度心得ているつもりです。そしてそれを実行するためにはやはり「財源をどこに求めるか」の問題は避けて通れないのではないでしょうか?あくまで素人の考えですが。

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ケインズが王道である (ブロウバック)
2006-08-01 15:31:17
財源はどこにある、という考え方自体が既に財務省のプロパガンダに冒されている。財源(税収)は毎年変動し、増減は景気、税制に依存する。かれらは今これしかない、だから(社会保障費)削減を甘受しなさいという。詭弁である。それ以前の景気対策と景気を壊さない税制構築を間違っているからである。景気対策をせず、景気を抑制するしか能のない一般消費税を増税する。消費税を増率しても税収があがらないことは3%の導入後、5%の増税後で実証済みである。よく国家財政を家計に例える愚か者がいるが、貨幣発行権、国債発行権という特殊性があり、これらの混同は国民にわざと間違ったイメージを与える一種の洗脳操作であるから、注意しなければならない。あえて家計に例えるならこっちの方が正しい。「まったく稼ごうとせず、貯蓄で暮らそうとし、倹約のみで生活をする。」これが今の日本の姿である。財政出動し、景気を刺激し、税収の増大を図る。貧困層の方が基礎的消費が多いので、累進課税を復活させて貧困層に所得を再配分する。これはクリントン時代のアメリカで財政赤字を解消した時の政策である。よいものはしっかり真似すべきである。
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Unknown (taka)
2006-08-01 22:46:11
この記事の内容からしてマルクス経済寄りかと思っていましたが。クリントン政権下のアメリカと現在の日本の現状、そしてそれをとりまく世界情勢は同じではないと思います。そして一般に北欧諸国は間接税が高くそれが高福祉につながっていると言われています(日本ではそれができないのでしょうか?)。それらモロモロを踏まえた上で国債を増発し補正予算を組んで、景気を刺激するということでしょうか?かつて日本の政府もそのような対策をとり続けて結果として財政赤字がふくらんだのではないでしょうか?
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コメントありがとうございます (harayosi-2)
2006-08-04 01:08:21
 takaさんコメントありがとうございます。

私の立場は、お見込みのとおりです。

 takaさんのコメントについて、ケイジアンのブロウバックさんも、看過できずに一言コメントされたのだと思います。

 takaさんのコメントについて、私も率直に感想を申し上げれば、『本末転倒』という一言につきます。

 拙ブログでも再三発信していますので、詳しくは申し上げません。近日中に、関連記事をエントリーしたいと思います。
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