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おぐち自給農園、2反百姓の日記

-都市の貧困と農村の貧しさをつなぐ、「生き方」としての有機農業を目指して-

忙しい日々

2010年05月11日 19時03分09秒 | 雑感
 久々にブログを更新です。ゴールデンウィークもあっという間に過ぎ去り、もう5月も中旬に突入です。GWは、長野に帰り畑仕事、そして川崎に戻り、小川町・霜里農場へ行き、1泊させていただいた後に、福島県へ。福島での様子はまた後ほど。福島で2泊した後、小川町へ再び戻り、川崎へ。GWが明け、授業を済ませてから、再び長野へ帰省しました。そして、9日(日)に農文協のシンポジウムに参加して、ようやく落ち着き、今に至ります。

 なんだか行ったりきたりしてました。少し疲れがでたのか、風邪を引いてしまいました。だけど、今日は嫌な天気ですね。寒いのか蒸し暑いのか、よくわかりません。

 畑もようやく忙しくなってきました。

その地域に生きるということ。

2010年03月30日 20時21分13秒 | 雑感
 先週末、久々に僕の学問の師匠の家がある埼玉の中山間地、いや山間地にある集落に行ってきました。おそらく、半年ぶりかもしれません。以前、学生時代は、一ヶ月に一回は訪問して、竹林の整備、落ち葉はき、畑作業、主に麦のお世話をしていました。農家の出ながらほとんど農作業はしたことがない僕にとって、とても新鮮な経験で、農業に価値を見出している人に初めて出会ったので、僕のそれ以降の人生に大きな影響を与えた、埼玉の山です。かわいい山です。

 ゼミの同期や後輩たちと、大人数での合宿で、久々に会う人たちも多かったでの楽しかったです。それにしても、寒かったです。

 ここは、池袋から1時間ちょっと、1回乗り継いで最寄り駅に着きます。最寄り駅から、バスを乗り継ぎ、さらに1時間ほどで、最寄のバス停に着き、歩いて20分ほどで着きます。はっきりいって、交通の便は非常に悪いです。

 僕がよく通っていたときは、最寄り駅に着いてから、2回もバスを乗り継いでようやく着きました。だけど、今は、1日に5~6本ほど、直通のバスが出ているとバスの運転手さんが仰ってました。

 山村の高齢化が進み、運転手の意思ではなく、乗客の意向でバスのダイヤがよく変わるそうです。例えば、お医者さんに行くために、山を下りたはいいものの、帰りにちょうどよいバスがなければ、駄目なので、それに合わせるように、ダイヤは変わっていくのです。そして、乗り継ぎも少なくしたほうが、利用客にとっては都合がよい。

 農山村にとって公共交通の大切さを感じました。そして今後、高齢化がさらに進めば、公共交通の需要はさらに増すように思います。

 そして、僕のように農山村をフィールドにする人たちにとっても公共交通の存在は重要です。地方をまわり、乗り継ぎごとに時間があったりするのも、色々考えたりするために貴重な時間です。「待つ」時間を有意義に使い、ぼーっとしたり、考えたり。

 山では、動物の害を防ぐための柵を直したり、竹林を整備したり、あじさいの苗を植えたりし、その後、お昼ごろ山を下り、長野に帰ってきました。

 青春18切符が残っているので、鈍行を乗り継ぎ、5~6時間かけて塩尻に着きました。久々に乗ったJR八高線。高麗川から八王子に出て、高尾から松本行きに乗りました。

 ここでも、待ち時間がそれぞれたっぷりありました。青春18は乗り降り自由なので、その都度、改札を出て、駅周辺を歩きました。本を読み、考え、メモをとり、そして畑に出る人たちの風景を見て。僕にとっては貴重な時間です。別の人から見れば、無駄だと言われてしまうかも。

 久々に山に行っても、そして電車からの風景を見てもそう思いましたが、農山村の暮らしは交通の面からも、仕事の面からも非常に効率の悪い地域ですが、なぜ、この集落が集落として存在し続けているのか。彼ら・彼女らからの営みからは、この集落に生れたという決意と意地のようなものを感じますが、もっと深い深い大切なものが、農山村の営みにはあるように思います。そこには、誇りがあります。

 ムラがムラとして何百年も存在し続けている意義を考えたいです。
 

地域が支える食と農 神戸大会への参加

2010年02月07日 18時24分37秒 | 雑感
 寒い日が続く。大学受験シーズン真っ只中。僕にとってはもう7年も8年も前の話だ。浪人しているので、2回も受験を味わってしまった。どちらも受験した大学の数は多く、2週間ほど渋谷のホテルに泊まって、会場へと向かっていた。田舎ものの僕にとっては、東京で2週間も暮らすことに、ど緊張していた。受験どころではなかった。

 昨日も朝、道を歩いていると受験生らしき女子高生が大きな荷物を引っ張って歩いていた。そこで自分の昔のことを思い出してしまった。ふと、違う方向を見ると、ロリータファッションというのかお嬢様ファッションというのか、ゴリゴリのフリフリを着こなしている女性もいて、すごい、東京は。

 という僕も、昨日は4月から進学する大学院内の試験だった。クリーニングに出したスーツを着させられているという感じで大学へと向かった。電車の中では、研究計画書を見ても緊張するだけなので、この前ようやく手にした本、内橋克人、宇沢弘文『始まっている未来 新しい経済学は可能か』(岩波書店、2009年)を読んだ。宇沢さんの研究者としての姿勢、そして社会的共通資本としての農村という考えは、とても勇気付けられる。

 控え室で同じ試験を受ける4月入学の方と少し話、二人とも畑違いのところからの農学部編入ということで、これまた勇気付けられる。

 緊張しながら発表を終える。だけど、実績や業績がない僕は相当頑張らないといけない。審査の先生方にもプレッシャーをかけられた。

 続いて次なる拠点を見つけるために不動産屋へ。目星をつけることができた。これは良かった。農場での研修も合わせれば、引越しも5回目くらいだ。今度は、また神奈川県での生活になる。今住んでいるところよりは、田舎なので、楽しみにしている。

 今日は、1日中部屋に引きこもって、原稿を書く。これが終われば、肩の荷がようやく片方だけ降りる。後は、論文1本、3月6日の日有研全国大会での分科会進行の案を作らなければ。そのため、フェアトレード関連の本を読みつつあるのだが、『季刊at 8号 特集 フェアトレードの現在』(太田出版、2007年)は現在の有機農業の論争と同じくする要点が多く、読み応えがあった。atは過去に『季刊at 12号 特集 有機農業は誰のものか』も出している。

 来週は大半、実家に帰り、2月19日からは『地域がささえる食と農 神戸大会』参加のため、神戸向かう。もし関心のある方は、ぜひ参加していただきたい。20日、21日のシンポジウム前にはオーガニックツアーもある。が、これには参加できない。

 22日の有機農業政策討論会に参加し、沖縄へ行く予定。僕の専門は有機農業研究だが、広く平和についての勉強も好きなので、初・沖縄はとても楽しみにしている。平和を自治の理念に掲げている読谷村のむらづくりにはとりわけ関心がある。社会のことを考えると、どうしても農業のことだけでは視野が狭くなってしまう。

 だけど、購入する本はほとんどが農業関係。もっと余裕を持って、他の分野の本も読んでこの堅い頭、思考回路をほぐさなければ。

 神戸-沖縄往復で、帰りは神戸から青春18切符で東京か実家に帰る予定だ。体力だけが持てばよいのだが、最近は好不調の波が激しいので、それだけが心配だ。ま、2009年度のよく働いたご褒美としよう。

     

 これはうちのラッキョウと花豆を煮たもの。いや~美味しかった。ラッキョウはほとんど手間をかけずに育ってくれるし、酢漬けで保存すれば、1年中食べることができる。最高。
 
 

1月10日(日)のETV特集

2010年01月07日 19時11分23秒 | 雑感
 2009年4月から11月までの8カ月間かけて、山間部の耕作放棄田を再生させる営みを撮影した番組です。

 NHK教育テレビ ETV特集
「よみがえれ里山の米作り~小さな米屋と農家の大きな挑戦~」

1月10日(日)22:00~23:29@NHK教育テレビ

里山の美しい田んぼを守りたい。小さな米屋と小さな農家が手を組んで、生産性が極めて低い棚田などで安全でおいしい米作りを続けている。米屋は奈良県大和郡山市の入口寿子(いりぐち・ひさこ)さん(62)。入口さんは10年前から全国各地を訪ねて「米は高く売りますから、環境を汚さない無農薬米を作ってください」と呼びかけ、それに北海道から鹿児島まで全国70以上の農家が応えてきた。そして今、入口さんは新たな呼びかけを始めた。耕作が放棄され荒れ地となった田んぼの再生である。
耕作放棄地が増え、荒廃が進む里山の田んぼ。しかしそこは美しい日本の原風景。しかも源流の天然水で潤され、安全でおいしい米ができる。そんな環境保全にもつながる田んぼを復活しようというのである。その呼びかけに応えた一人が、日本一おいしい米を競うコンクールで5年連続金賞を受賞してきた米作り名人の古川勝幸さん(52)。福島県郡山市で独自の漢方農法を実践し、去年から谷間の放棄田での米作りに取り組んでいる。その田は飲み水にも利用されている清らかな源流水で潤され、安全性とおいしさの点で極上の米の生産が期待できる。しかし一度放棄された田での稲作には思いもよらない困難が付きまとう。源流水が冷たい、日当りが悪い、漏水が激しい、そして従来の農機具が思うように使えないなど、乗り越えなければならない壁は数えきれない。古川さんはそれらをどう克服していくのか?
番組では、古川さんの放棄田再生の米作りの日々に、福島県天栄村や新潟県津南町秋山郷の農家の取り組みなども交え、原野と化した水田をよみがえらせようとする農民たちの不屈の挑戦を8か月にわたって追った。

昨日のプロフェッショナル

2010年01月06日 09時13分18秒 | 雑感
 昨日のNHK総合で22:00~放送された「プロフェショナル 仕事の流儀」は我が師匠、金子美登さんだった。詳細はこちら

 プロフェッショナルというと、合鴨農法を始めた福岡の古野隆雄さんや自然栽培でリンゴの栽培を続ける、奇跡のリンゴ、木村秋則さんも過去に登場している。そう言えば、霜里農場での研修中に古野さんが特集された時の映像を同じ研修生と見て、合鴨農法に続き、コメの乾田直まきに挑戦している姿に興奮していたのを思い出す。

 霜里農場の積み重ねは本当に大きいし、やはりこのようなカリスマ、そして地方にいるたくさんのカリスマ農家がいることで、この存在に日本の有機農業は支えられてきた、そして今も支えられていると改めて感じた。

 彼の強い信念と飽くなき探究心、そして映像の中にも出てきた「困難こそ楽しめ」、「大地は最高のキャンパス」といった農業を楽しむ姿勢と余裕、笑顔、改めて映像で美登さんの姿を見て、なんだか涙が出そうになってしまった。感動だ。本当にいい師匠に恵まれた。
 
 僕も少しではあるが有機農業の現場に出て、改めて農業の難しさや楽しさ、喜びを感じることができている。畑に出ていると喜怒哀楽があるとスタジオで言っていたが、そのことも今ではすんなり理解できる。収穫すると農業体験する人は、こんなに楽しいことはないとよく言うが、農業は収穫という作業だけではない、それに至るには様々な喜びと苦労を積み重ねているのだ。

 きっと反響がすごいと思う。2ヶ月に1回開催している見学会もパンク寸前だろうし、研修希望も絶えないだろう。さっき見たら、グーグルの検索キーワードランキングで10位以内に入っていた。驚き。なんだか、有名人になり過ぎてしまい、嫉妬心さえ出てきてしまうが、映像の中で、自分のところの野菜をつまみに1日の終わりをビールで癒す姿と奥さんの友子さんが笑いながら漬物をだし「これだけあればね」と会話している様子を見て、なんか安堵感を覚えた。

 「地球の生命とか人類の危機が叫ばれている中で、100年先まで永続するような匠の技をもった人がプロフェッショナルだと思います」という美登さんの言葉。霜里農場はまさに「未来を見つめる農場」なのだ。

再放送もあるそうです。↓
再放送
総合/毎翌週(火)午前 0:45 ~ 1:33(月曜深夜)
BS2/毎翌週(水)午後 4:40 ~ 5:28