世の中の二乗>75の二乗

話せば長くなる話をする。知っても特にならない話をする。

こわい夢

2009年09月29日 19時36分42秒 | Weblog
こわい夢を見る。
まだ薄暗いもうすぐ明け方という時間。
アパートの玄関近くから怒号が聞こえる。
それは数人の男の声で、言い争っているんじゃなくて
一方的にこわい言葉を浴びせかけている。
そして明らかに誰かを蹴ったり殴ったりしてる音。
私はこわくてこわくてちぢまっている。
と、うちのドアをそーっと開けて二人の人が入ってくる。
見るとその二人は同じアパートの住人で、ビデオカメラを持っている。
ちいさな声で二人が言うには、
あの人たちはこのアパートの出口付近で一人をよってたかって殴る蹴るしている。
あんまりうるさいし迷惑だから警察を呼んだ。
警察が来る間に逃げられたら嫌だからビデオテープに証拠を押さえたい。
ビデオテープを撮るにはこの部屋から撮るのがいちばん角度的にいい。
なのでこの部屋に来た。
そうして二人はうちのドアを少し開けて隙間にビデオカメラを覗かせ、
リンチ現場を撮影し始めた。
私はそんなことしてもし男たちに見つかったらとんでもなくえらい目にあうんじゃないかと気が気じゃない。
怒号はおさまらない。
誰かは殴られ続けている。
ビデオはまわり続ける。
警察は来ない。
誰もやめようとしない。
張りつめる糸がいつ切れるかわからない。

目覚めてもしばらく身動きできなかった。

アイコとアサラト

2009年09月28日 18時55分32秒 | Weblog
スーパーでアイコを見つける。
これは私が一番おいしいと思っているプチトマトの品種で、
普段なかなかお目にかからないものだ。
普通のプチトマトより長細くて肉厚。甘い。
少し変わっているぶん、やはり値段も高い。
が、私はつるりつるりと食べてしまう。
本来はそんな食べ方もったいないのだけど、おいしいのでよどみなく食べてしまう。
赤い楕円の形がぴかぴか光って贅沢の色。

道を歩いていたら、
パンクした自転車を引いているような音がしたので見回すがそんな人はどこにもいない。
かっちかっちしゃらしゃらしゃらと音は続いている。
おかしい。
注意深く音源を探っていくと道の反対側を私と逆方向に歩いているひとりの青年に行き当たる。
その青年は片手になにか持ってしきりに動かしている。
そこから音は出ているのだ。
紐でつながった二つの丸い玉を高速で打ち合わせる音と玉の中でなにかがしゃらしゃら鳴る音が重なる奇妙なもの。
それがアサラトという楽器であることは家に帰って調べてわかった。
それがわかってから、彼は歩きながらでも鍛練をして二宮金次郎さんのようにえらいと思った。

大太鼓を曳いて歩く

2009年09月27日 17時31分34秒 | Weblog
昨日、前から示し合わせていた友達二人にみごと約束を忘れられていたことがわかり、
けっこう楽しみだった今日がにわかに手持ち無沙汰になってしまう。
さあどうすると考えてはみたが、結局無為に過ごしてしまう。
図書館に行って吉田昭「破船」とカレル・チャペックの短編集を返し、
島尾伸三写真集「まほちゃん」と穂村弘編の短歌集と中村うさぎと倉田真由美の共著を借りてくる。
「乳と卵」と「肝心の子供」は図書館になかった。
ついでに古本屋で朝倉世界一「フラン県こわい城」とジョージ秋山「アシュラ」を買う。

夕方、買い物をしにスーパーへいくと近所の子供がわあわあ集まっている。
その親と、ハッピを着た男衆もいる。
子供は長いロープに沿って並べられていて、
そのロープの先には大太鼓が車にのせられてある。
大太鼓は直径が両腕を伸ばしたくらいあって、その上にはハッピを着て提灯を持った男が二人も乗っている。
しばらく見ていると、太鼓の脇にいた人が野球のバットのようなバチでどんと一回。反対側の人がどんと一回。
それを交互に繰り返しながら子供達がロープを引っぱり大太鼓を進ませていく。
まったくどんな祭りなのかわからないのだが、
どうやら大太鼓はこれから近所の神社に向かうらしい。
上に乗っている男達は頭上の電線に気をつけながら勇猛そうに提灯をかざしている。
どん、どん、と打ちつける音は右側の人のが威勢がいい。
いかにも現代風のひょろ長くてカラフルな子供達は上手に角を曲がり、
残った大人やハッピの人は散々お辞儀をしあってにこにこしていた。

午後3時から飲み始める

2009年09月26日 17時52分30秒 | Weblog
昨日は知り合いの芝居を見に行った。
葬式場主催のイベントの一環で30分の劇をするのだという。
会社をあげてのまじめな営業イベントなので、
スタッフは全員黒い礼服、客は互助会のじじばば130人。
私のようなわらかしで来ている人は誰もいない。
イベントは午後10時から社長のあいさつではじまり、
楽団の演奏、講談師によるトーク、劇団による芝居「おくられびとの気持ち」、その後は抽選会へ流れ、最後は用意されたお食事を楽しんでおしまい。
芝居は当然葬式をあつかったものだが、笑いを盛り込みつつ明るいタッチで描かれる。
客は役者を孫ように温かく見つめ、まじめにちゃんと聞いている。
楽屋にお邪魔すると、「いつもはもっとどっかんどっかん笑いが起こるんですけどねえ」と知り合いが迎えてくれた。

それから打ち上げに参加させてもらう。
劇自体が昼前には終わっていて、
それから用意された仕出屋の高級お弁当を食べ、
おじいちゃん役の二人の役者がシャワーを浴び、
楽屋をかたして、
駅に向かって、
電車に乗って、
池袋へ着いたのが午後3時。
平日午後3時、太陽さんさん、ビール。
このキーワードに言い知れぬ快感を感じながらぐびぐび飲んだ。
いい気持ちになって気づいたら0時になっていた。
なんてこったい。
今日は一日、部屋で目を回していた。

プレハブさん

2009年09月23日 20時43分34秒 | Weblog
昨日唐突に両親が新しく家を建てる話が立ち上がる。
まだ家を建てる「かも」という段階だが、
気の短い父は早速モデルハウスに行くと言いだし、
今日ハウジングセンターへ父と母と私で行く。
市の片隅にあるハウジングセンターは、敷地内にそれぞれの会社ご自慢の家が荘厳に立ち並んでいる。
免震やら太陽光発電やらまあなんと各社しのぎをけずりあっていることか。
説明馴れしている営業の人に連れられ、モデルハウスの地下から屋上まで隅々歩き回る。
私はこんなぴっからぴっからしたでかい家にどぎまぎしてしまう。
途中、お風呂を見て広い!台所を見て広い!柱の前に立ち止まり、「ラーメン構造」なるものの仕組みを説明される。
今や全室バリアフリーは当たり前、オール電化でも海苔はあぶれるし、床はなんかのレンガでぽっかぽか。
「部屋と部屋の仕切りをなくし、どこからでも家全体が見渡せます!」
これは各自好き勝手して放っておいてほしい我が家には不評。
営業の人が窓サッシの説明の合間に「プレハブさんなんかはよく使ってみえると思いますが」と言ったので、
しばらく「プレハブさん」というキャラクターについて考えて楽しかった。
ぽちゃぽちゃした体型で意外と神経質。

生きざま

2009年09月22日 16時55分29秒 | Weblog
松本人志「しんぼる」を見に行く。
おもしろかった。
プロのお笑い芸人による非常に手の込んだコントという感じ。
コントなので「大日本人」のような生きざま感はない。
今回はそれでいいんじゃないか。
いいお笑い見たなあという感想。
あれはお笑い以外のなにものでもない。

銀杏拾い

2009年09月21日 18時37分07秒 | Weblog
「穴場がある」という父に連れられて近くの神社に行く。
数本ある内の一本だけたわわに実がなっている。
軍手と長靴を着用して、父が高枝鋏で切り落とした実をどんどん拾っていく。
まだ固い実のうちからとって家で腐らせ、種を取り出す。
そうして乾かした種はレンジでチンすると簡単に煎り銀杏になる。
ということを父から教わったが、父は最近銀杏アレルギーであることが判明し、
収穫した銀杏は全て祖父母の家に献上される。
「銀杏を食べた後に体が痒くなったときは神社の祟りかと思った。」
境内に生えている銀杏に手をつけている私たちは、
銀杏を二袋まんぱんにしたところで、本尊に手を合わせ御礼をして帰ってきた。

三線の音で目を覚ます

2009年09月21日 09時05分02秒 | Weblog
朝起きると三線の音色がする。
ご近所の誰かが朝っぱらから練習しているらしい。
しかし三線なんてマイナーな楽器を。渋い選択だ。
たん たたたん たん、とつたないながらも琉球の風が愛知の辺境に吹いている。
一階に降りて母に「誰が三線弾いてるんだろうね」と言おうとしてやめた。
音は明らかに父の部屋から聞こえてくる。
磨りガラスの向こうで、たん たたたん たんと鳴らしている。
父の弾く音はとてもつたなく、近くで聞くとさらに下手っぴだった。
明らかに三線を始めたばかりの音、弦さばき。
いろいろな何故?が頭をよぎる。
母が「ここのとこ毎日コレだよ」と言った。

運転免許の更新に行った。
私は普段車に乗らないので当然事故も違反もなく、今回晴れてゴールドドライバーとなった。
ゴールドの優良運転者は更新講習が30分でよい。
15分「シートベルトを着用しなかったために即死した二人」などの恐ろしい映像を次々見せられて、
あとの15分は改訂された交通法の説明。
楽勝。

大須に行く。
ここは東京でいうと浅草と秋葉原と下北沢を足したような街で、
観音様がいる横で電気部品やら古着やらがひしめいている。
さらに中古買い取り販売の専門店が館を5店舗くらいどどーんと打ち建てており、
あらゆる層の人間が集まってくる。
無数にある屋台のB級グルメが客を集めているし、古い着物を売る店が観光の外国人も呼び寄せる。
えらい人だった。
えらい数の人だったが、服装が皆さん判で押したよう。
その服装趣味が全然合わないので、やっぱり愛知には住めないと思った。