世の中の二乗>75の二乗

話せば長くなる話をする。知っても特にならない話をする。

君にジュースを買ってあげる

2010年08月31日 19時16分42秒 | Weblog
職場で、なんだかのお金が余ってみんなにペットボトルの飲み物を買うことになった。
と言っても、私は決定事項を聞かされて「なに飲みたい?」と聞かれた側なので、
買ってもらう方の人間だ。
買ってあげる側はおごる気まんまんでわきわきしている。
買ってもらう側はもう大人なのでジュースをおごってもらうくらいじゃテンション上がらず、でもおごってもらう手前、テンション上げないとなあくらいは気を使い、テンションあげるためには普段はあんまり買わないものを選ぼうと浅ましくなり、
ちょっと高めのヘルシアウォーター(梅味)をおごってもらった。

こないだみゆみゆの家で出石そばを食べた。
出石そばはそばつゆにとろろと生卵を入れて食べるのだそうだ。
卵がのったりしておいしかった。

せっかく「アポロンの地獄」と「豚小屋」と「愛おしき隣人」を借りたのに
見ずに返してしまった。
ここ一週間、仕事終わりに毎日5時間くらいパソコンで作業していたせいだ。
弟と千明ちゃん(嫁)にご祝儀代わりのものを作っていた。
今日入稿が完了して、一安心した。
あとは現品が届くのを待つのみ。
パソコンのハードディスク容量不足に足止めされたり、
印刷機の紙詰まりに悩まされたり、無数の紙とにらめっこしたり、
そんな日々とはもうおさらばだ。
しかし、自分への罰のためしばらくDVDレンタルは自粛する。

実家に帰ると意外にもアリエッティへの家族評価が高く、
ちょっとうずうず見たくなってきている。

9月になる。
下旬に小豆島に行く。
尾崎放哉の死んだ場所が見たくて一人で行く。
たぶん、途中讃岐でうどんは食べちゃう。

弟の結婚式

2010年08月27日 21時20分25秒 | Weblog
8月22日。
弟の結婚式があるので帰省する。
前日の土曜は仕事があり、早く新幹線に乗りたくて
時計ばかり見てお迎えが来ない子供の数を指折り数えながら時間を過ごす。
17時15分に終わり、そのまま東京駅、新幹線へ。
新幹線の中で、小さい子が「東京」が言えず、ずっと「とーきお、とーきお」と言っているのを聞く。
家には20時半ごろ着いた。
それから家族4人でアイスを食べた。
母はスーパーカップのバニラ、父はパピコ、弟はソフトクリーム、私はカルピスパピコ。
父はパピコの空け方がわからなかった。
お風呂に入って「ひがわり娘」読みながら寝た。

当日。
7時起床。
食パンを焼きすぎた。普段食べ慣れないせいだ。
7時半。
髪をセットしてもらいにいく。
事前に「あまりぴょんぴょんさせないでください」と念押ししていたせいか、くるくると丸められる。
横で母は宇宙人みたいにされている。
8時半。
家に戻り、私と母の着物と父のモーニング(借り物)を詰め込み出発。
車の中で、式の中であいさつをする手はずの父が「完璧」と意気込む。
場所は名古屋の旧家が立ち並ぶ一角。
式場は文化財になっている和洋折衷の家だという。
荷物を着付け室に運ぶだけで汗が吹き出す。今日の最高気温は35度の予定。
母が着付けてもらっている間に会場を見て回る。
こじんまりしたところ。
風情あり。使い古されていていて好きな感じ。
着付けをしてもらう。
途中、父がモーニングを着に部屋へ入ってくる。
が、着付けの先生に「いま姫を作っておりますので」と追い出される。
先生はぎゅうと締め上げたり、立ったりしゃがんだりで玉の汗をかいている。
時折、「ちょっと失礼します」と言ってハンカチでぬぐう。
完成。重くて厚い。
部屋を出ると向こうの家族が来ている。
はじめまして。
お母さんと妹はお嫁ちゃんにそっくり。
ぞくぞくと親戚が集まる。
こないだあったばかりの伯父さん伯母さんたち。
向こうの知らない家族たち。
「おめでとう」「おめでとう」と言い合う。
まだまだ家族になりきっていない家族たち。
式が始まる。
狭い部屋で至近距離の家族たちに囲まれて二人ともがっつり照れていたのがおもしろかった。
人前結婚式で、最後、署名欄に双方の母親が署名する。
なんで母親なのかはよくわからないが、留袖を着た二人が前に出てかがむ。机低いな。
式終了。
場所を移して写真撮影。
炎天下で太陽を見ながら笑う。汗が内ももをつたう。
お食事。
野菜のテリーヌが変わってておいしかった。
ケーキカットと、ファーストバイト。
司会の人が「このケーキに一生おいしい手料理を作ってあげたいという気持ちを込めて」と言ったところ、
結婚30年の叔母が「やだぁ、そんなの無理ぃ」と叫ぶ。
双方の写真紹介。
小さい頃の弟を見ていたら笑いながら泣いてしまう。
ブーケトス。
未婚女性が私と向こうの妹しかないので、双方へ手渡される。
にこやかにもらう。
父のあいさつ。
お嫁ちゃんの名前を私の名前と言い間違える。最大のミス。
これは死んでからも言われるだろう。
私は爆笑して伯母に注意された。
弟のあいさつ。
かちかちのあいさつだった。
「えー、」とかなし。
遠い存在のようだ。
式終了。
手作りのケーキをもらって見送られる。
お嫁ちゃんの母君と話して、「こんど3人で(母君、お嫁ちゃん、私)ぜひ恐山に行きましょう!」とかたく約束する。
洋服に着替えて、荷物を車につむ。
運んでるときに黒アゲハを見る。
帰って、父母と3人で夕食を食べた。

第一印象

2010年08月19日 23時06分24秒 | Weblog
こないだ見てひどく感銘を受けた映画「ぼくのエリ 200歳の少女」の原作小説「MORSE モールス」を読んだ。
私が読む前からこの映画と小説にはいろんなことが言われていて、
それはやっぱり原作の方が映画よりおもしろいんじゃないかとか、
原作のよさを映画は描ききれてないんじゃないかとか、
日本公開するにあたっての配慮が作品の面白味をそいだんじゃないかとか、
いろいろある。
が、私は日本で日本公開向けに「作り変えられた」映画の方を最初に見たわけだけど、
しばらく頭がくわんくわんするくらいの衝撃を受けた。
そして、原作を読み終わっても、私は映画から受けた衝撃以上の衝撃は受けなかった。
これが私にとって一番大事なことなんじゃないかと思う。
やはり私はあの映画が好きなんだ。
小説読んで納得する部分、映画では語られなかった部分、映画が美化した部分、
いろいろな発見があったけれど、
でも最終的には私の好きはあの映画に行き着く。
「ぼくのエリ」という邦題に魅かれたのも事実だし、
映画の主人公もエリもいじめっ子さえ、きれいと思った。
保護者のおっさんもあれくらい控えめなのがぐっとくる。原作じゃほんとモンスターだもん。
エリの寝姿、最後の見せ場、すべて映画の表現の方が好きだ。
原作者が映画の脚本も担当したと巻末に書いてあったので
作品の根底に流れるものは一緒だろう。
しかし、その表わし方がこの映画はずば抜けて秀逸だと思う。
その意味で私には副題の小さな嘘やシーン中のモザイクは問題にならない。
そういうことは小さなことのように思う。
原作を読んで細かいところで考えを改めたり、修正したりはあるが、私の第一印象はおおむね変わっていない。
さらに悲劇度が増したくらいだ。
この二人は幸せになれない。悲しいけど。

凄まじいリアリティ

2010年08月17日 23時33分35秒 | Weblog
実家に帰ったり、働いたりした中で見聞きしたもの。
穂村弘が言うところの「凄まじいリアリティと輝きに充ち」たものたち。

お盆。
親戚の集まりでいとこのお兄ちゃんの研究テーマを教えてもらう。
曰く、「つぶつぶ」の研究だと言う。
つぶつぶを研究することで、土石流の研究とかにつながるらしい。
しかし「土」に限らず、「米」や「大豆」もつぶつぶなので研究対象なのだという話がでて、
それなら、と伯父が「いくらはどうか」と聞いた。
いくらもつぶつぶじゃねえか、と。
そしたらお兄ちゃんは「いくらはねばねばしてるからダメだ」と言った。
なんでだ、いくらもつぶつぶじゃねえか。
でも、いくらはねばねばしてるじゃないですか。
なら、ししゃもの卵はどうなんだ。
いや、ししゃもも……。大豆ならいいんですが。
最終的に伯父がくだした判断は、
「結局、くっつきてぇやつと、はなれてぇやつがいるんだな。」
だった。

同じ場で。
84歳の祖母がひとこと、
「親に似ん子は鬼子」とつぶやく。

実家の近くで。
母の車に乗っていると、男の人が馬に乗っているのが見えた。
男の人は馬を駐車場近くの街路樹にくくりつけて、
自分はコンビニに入っていった。
馬は街路樹をもりもり食べ始めた。

職場で。
おもちゃの白熊がバケツに浮かんでいる。
それを見つけた見目麗しい先生が、
「白熊ちゃん、ゲロはかれちゃったんですか?」と言った。

実家で。
母が新築の部屋につけるカーテンを選んでいる。
母の部屋につける予定のカーテン生地を見せてもらった。
見た目がものすごくシュミーズ(女性下着)っぽかった。

いとこの家で。
飼い犬のシーズーが丸刈りにされていた。

せんせいのいえにはなにがある

2010年08月14日 00時58分39秒 | Weblog
4歳二人に聞かれた。
「せんせいの家にはなにがあるの?」
私は、パソコンがあるよ、と言った。
そしたら、「ほかには?」と聞かれた。
なので家にあるものを思い出しながら言っていった。
せんせいの家にはキッチンがあるよ。
せんせいの家にはトイレがある。お風呂がある。
ご本がある。先生の好きな絵がある。先生の好きな写真がある。友達からもらった宮沢賢治がいる。先生が作ったお人形がいる。
そしたら4歳は目を輝かせて、「そのお人形に名前はついてるの?」と聞いた。
あるよ、チティパティとペルデンラモ騎騾像。
そしたら4歳は「ぺるでんらもきらぞう」と言えなくて「ぺる……にゃはははわかんない」と言った。

今日ふと、私が一番最初に恐怖した化け物のことを思い出した。
吸血鬼だ。
小さい時の夢に出てきた吸血鬼。
人間くらいの大きさで、全身が黒い毛に覆われて、首から上がコウモリのやつら。
あんまり賢くなさそうで、3、4匹はいた。
みんな口の下に一升瓶をぶら下げていて、
そこには犠牲者の血がたぷんたぷんとたまっている。

これも今日思い出したこと。
小学校一年の時に「なんやななちゃんなきべそしゅんちゃん」という本を買ってもらった。
母に横についてもらって声に出して読んでいたら、
母が「この『うち』って書いてあるのの意味わかる?」と聞いた。
私は、家のことでしょ、と当然のように答えた。
そのとき母に教えてもらうまで私は関西の女の子が自分のことを「うち」と呼ぶことを知らなかった。

夏祭り

2010年08月06日 06時39分23秒 | Weblog
職場の近くの商店街で、けっこう大々的な夏祭りが毎年この時期に開かれる。
商店街の店が各店舗それぞれ毎年違ったねぶたみたいな紙製の人形を作ってアーケードに飾る。
その他、子ども会や小学校単位で作って吊るす。
あと、色とりどりのビニールの紐飾りがわーと垂れ下がる。
出店もいっぱい出て、アーケードの道幅がいつもの1/2になり、人手はいつもの2倍に増える。
今日、昼休みに商店街を歩いてみた。
緑亀やらビールやら売っていて、お父さんは酔っ払って子供は汗だらだらかきながら見入っている。
なにしろすごい人でみんなのんびり歩いているので人の合間をすすすーっとぬけて歩いていかねばいらいらするほど。
目線の下のほうで、服を着た犬が歩いているなあと思ったら、真っ黒に日焼けした男の子二人が四つん這いになってじゃれていた。

もみたおす

2010年08月02日 19時12分25秒 | Weblog
4歳の昼寝を起こすとき、
全然目を覚まさない子がいて、
布団から追い出しても丸まってるし、
話しかけても反応しないし
ゆすってもトントン叩いてもくすぐっても
うつ伏せで絶対目を開きません状態で、
そんなら、と
その子のお尻を思う様もみもみしてやった。
もみもみもみもみもみもみもみもみ。
これがうどんならけっこうなコシが出るくらいもみたおした。
4歳はお尻をもまれながらそれでも寝ていた。

キラーンと生まれる

2010年08月02日 03時16分17秒 | Weblog
4歳の女の子が会話の中で
「みーちゃん(自分のこと)がお母さんのお腹からキラーンってでてきた時ね、」
と言った。
おお、画期的なオノマトペ。
母から生まれた者全てに対する愛情と賛辞が表わされているようだ。
いささか少女趣味ではあるが、
私はひとりでこの無自覚なオノマトペに感動していた。

1歳児や2歳児やまだ言葉の発達が十分じゃなくて、
自分の名前をうまく言えない子が多い。
特に「ゆ」とかが母音の「う」になってしまう。
なので、「ゆり」が「うり」、「ゆうき」が「うーき」などに聞こえる。
自分のことをちゃんづけで言う子が多いので、
「うりちゃん」とか、「うーちゃん」とか言っている。
私はこの語感がすごくかわいいなと思っていて、
どこかで「うり」って名前をつける機会をうかがっている。
かわいくない?うりちゃんって。