世の中の二乗>75の二乗

話せば長くなる話をする。知っても特にならない話をする。

誤解を解かなくては

2010年11月23日 01時00分45秒 | Weblog
あなピの芝居をみゆみゆと見に行く。
貝谷さんが主役になっていた。
閉演後、
みゆみゆが「あの主役の人、どストライクに好みなんですけど」と言う。
貝谷さんのことを知っているその場にいる誰もがあーあ、と思った。
「打ち上げくる?」と次々に誘っていただいたが、みゆみゆもいるのでお断りすると、
「ななこは芝居がつまらないと打ち上げに来ない」という噂を福永さんが昨日から流していたらしく、
皆そのことを言ってからかってくる。
なので私は「そんなことありません!おもしろかったですよ!」と
ちくいち強調して言わねばならなかった。
本当におもしろかったのにな。

その後、みゆみゆがこの寒いのにマックフルーリーが食べたいというのでマックに入る。
みゆみゆはマックフルーリーが食べたいといっていたわりにマックフルーリーの食べ方が下手で、
第一、あの上についている透明のフタみたいのは取ってから食べないとスプーンですくい上げたときに絶対マックフルーリーがついてしまうじゃないか。そういうシュミレーションもなしにマックフルーリーを食べたいと言ったのか。甘えてる。言っておくけど、あれはお客のためのフタじゃないんだぞ。スタッフがマックフルーリーを機械でぐりぐりした時に飛び散らないようにするためのフタだぞ。そんなマックフルーリーのフタなんてさっさと取ってしまえ。
と、ぐりぐり思っているうちにみゆみゆは食べ終わって
こっちを向き「そろそろ行こうか」と言った。

みゆみゆの新しい家に行く。
前の部屋より白い。あと広い。
このあたりからどんどん身体が痛くなってくる。
あと、乗り物酔いになった感じが続いている。
そういえば今日は全然食欲がない。
こりゃ風邪かなと思ってみゆみゆの部屋の体温計を借りてはかる。
数字見て笑った。
36.8℃。
平熱じゃん。
ちょっと気が楽になり、みゆみゆが作ってくれた春雨辛鍋食べる。
そのまま平成教育委員会見て帰る。
家に帰ってはかったら37.8℃あった。
こりゃ、やべえ。
なにが嫌だって休みの次の日に「風邪で休みます」なんてズル休みしたい小学生の言い訳みたいなことしたくない。
薬飲んでさっさと寝ることに。
4時間後目が覚めたら37.1℃まで下がっていた。
セーフ。
そのまま寝て完全回復。
ちゃんとお仕事できました。

なにもない男女

2010年11月21日 11時03分44秒 | Weblog
卓さんと久しぶりに話す。
卓さんは高校の部活のいっこ上の先輩で、
まあ面倒見のいい兄貴だ。
年末に部活のみんなで集まろうかとなっていて、
私が同世代の幹事で、卓さんがいっこ上の幹事。
いままで8年くらい全然交流がなかったけど、
電話口から聞こえる声は高校のときと全く変わっていなかった。
いっこ上の先輩達の消息を聞くと
なんやかや皆さん色々あったらしい。
別に何もなく、今まできてしまった私たち世代とは違う。
そういえば、高校のときからいっこ上の先輩たちの身辺は
いつもわきわきしていたなあ。
ある日、お弁当を教室で食べていたら、
先輩達が大爆笑しながら走ってきて、
卓さんの数学の答案を見せてくれたこととか思い出した。
それはまあ見事な0点だった。
そんな卓さんは同じ世代のはっさくちゃん(あだ名)と
私が夢にまで見てその後無事出産したゆきちゃんのところへ赤ちゃんを見に行くらしい。
京都まで一泊で。
「はっさくとは間違いの起こりようがない」という卓さんに
そういう男女の仲はいいよねえ、と私は思った。
最後、みんなに集まりのことを知らせるのに、
メールじゃなくて電話でするわ、話した方が楽しいし、
という卓さんは相変わらずなかなかいいやつだなあと思った。

お腹がひゅっとする

2010年11月20日 19時24分49秒 | Weblog
夢を見た。
船であの島まで行きたい。
乗る船は甲板がある。
出発して少しの間は甲板に出て、風景を見ている。
いい天気。おだやかな海。
自分の席に戻ってくると、船内放送が聞こえる。
「本船はこれより海中トンネルへ入ります」
なにそれ?
その少しの不穏さに私は思わずシートベルトをする。
と、急に船は下からがきんと何かに固定されて、
海がぱかあと割れたかと思うと約90度の角度に滑り落ちていった。
ぎゃあああああああああ。
お腹がひゅっとする。
海の中はなぜかショッピングモールのエスカレーターからみる風景に似ている。
何階にも層ができていて、銀色のお店が並んでいる。
私の頭の上にはこれを想定したであろうつかまり棒があって、
私はぎゃあと叫び続けながらそれにつかまってどんどん落ちていく。
すごいスピードと下り坂。
でもそれにも少しづつ慣れていく。
こんなものかと思っていると船内放送。
「まもなく車線変更のため、跳びます」
なにそれ??
すると船がぐるっと回転して、乗客は逆さづりに。
そのままぐんぐん落ちていくものだからこわい。あと、気持ち悪い。
底の見えない深い穴の中で逆さづりになって、
猿がうんていを渡るように船がこっちのレールからあっちのレールにがっきんと移り跳ぶ。
すごくこわかった。
ようやく船が元の位置に戻り、目的地に着いた時には
乗客のほとんどがあちこちでげーげー吐いていた。
私は帰りもこれだったらやだなと思っている。

ひん剥いてやった(ぎりぎりセーフ)

2010年11月20日 15時07分21秒 | Weblog
ついに栗をひん剥いてやった。
栗ごはんをつくった。
塩と酒のみの味付けは○。
よくばって栗を大きく切り過ぎたのは△。
火はとおっているのだが、食感がほっこりではなく、さっくり。
炊き上がった後に小さく切って余熱でほっこりしないかと実験中。
半分をもち米にしたのはあんまり変わりなし。
次やるなら全もち米だな。
きっとお婆ちゃんは全もち米だったはずだ。
やはり炊き上がり直後より、
ちょっと経ってからのほうがおいしいみたい。

ようこそただいま

2010年11月13日 21時15分04秒 | Weblog
肥田さんが書いた「炬燵電車」が
第10回AAF戯曲賞というものの最終選考まで残った。
9日、名古屋で公開審査会が開かれるというので向かう。

仕事を半休にしてもらい、新幹線へ。
くうくう寝ていると着いてしまう。早い。
地下鉄の通路が赤いレンガを使っていて、
蛍光灯が暗くて全体的に沈んだ印象を受ける感じに
愛知だなあ、帰ってきたなあと思う。
会場の愛知芸術劇場は初めて行く。と思う。
小さいときには行ったことあるのかもしれないけど。
名古屋のど真ん中、テレビ塔の横にどどんと大きな現代的建築物。
余裕のある土地利用。お金かけてますよという外観。
肥田さんが「京都の芸センと全然違うなあ」と言っていた。
私は芸センの方が好きだ。

公開審査会は予想よりはるかにおもしろかった。
まずはノミネート作品一つづつを審査員が批評していく。
全てこれでもかというくらい言われていた。
「炬燵電車」も言われていた。
意外だったのは審査員が作品とは別に提出する「ねらい」をけっこう重視していたこと。
その「ねらい」通りに作品が書かれているか。
あるいは、自分の意図した内容にどれだけ意識的であるかというのを見ているらしい。
てきとうに「ねらい」を書くと審査にひびくというのをまざまざと知ることになった。
それが終わると、選考に入る。
審査員一人が一つの作品を選んで名指しする。
ホワイトボードには審査員と作品の名前が書いてあり、
選ばれた作品には○がつけられる。
最終的に○の数が多い作品が受賞する、という得点制のような感じ。
と、ルール説明が終わってから、物語がぐっとおもしろくなる。
まず、最初の審査員である鐘下さんが「二つある」と発言。
司会の安住さんに「困ります、一つにしてください」と言われ、考え込む。
安住さんが鐘下さんをとばして、次の木村さんにふると
「○はない、△だ」と言う。
どしょっぱなからルールを完全無視したスタート。
ホワイトボードに○を書き込む係の人がすごく困惑していたのがおもしろかった。
そこから話がどんどん展開していって、
受賞作はなくて佳作のみにするとか、
シナリオドクターなるものをつけて上演できるものに手直しさせるとか、
いろいろなことになっていった。
これでもか、これでもかと色々な理屈をこねては状況が二転三転する。
後半に入り、一つの佳作候補作品について、
もしこれを佳作とするならシナリオドクターは誰がやるか、という話に。
これが決まればこの作品が佳作受賞になる可能性が高い。
その中で、他の人たちの「俺とは作風が違うから」の理由で
年若い深津さんにその任が科せられる風に話がなっていく。
深津さんは
「僕はこの作家の今までの作品も読んできてるし、どういう風にしたいのかもわかってるつもりだから、もしシナリオドクターになって、全面的に書き直しをさせるとしても、たぶんできるし、そうなったら喜んでやりたいと思う」と発言。
私はここで話がついたと思った。
甘かった。
「ただ、僕はもうこの作家に対してもうなんていうか身内みたいな感情でいるんです。そこがなんか引っかかるんですよ。」
ふりだし。
ええええええええ。
全然話が着地しないじゃないか。
今決まりかけていることと反対の理屈が後から後から感心するほど出てくる。
そこがすごくおもしろかった。
いい舞台を観ているような感じだった。
結局、鈴江さんがただ一人最初から○をつけていた「どこか行く船」という作品が、
「審査員一人の○だけじゃ受賞はできないんだってことだよね」という理由で佳作に選ばれた。
この作品はシナリオドクターによって書き直し指導をされて、
来年のどこかに愛知芸術劇場で上演される。
と、当然ここで話は「じゃあ、シナリオドクターは一番押してた鈴江さんだよね」となる。
そりゃそうだろうやれやれ一件落着と誰もが思う。
甘かった。
「いや、逆に手放しで良いと思ってた僕がならない方がいいんじゃない?」
えええええええええええええ。
鈴江さん。
「いや、シナリオドクターやりたくないから言ってるんじゃないんだけど。」
いやいやいやいや。
案の定「あなたしかいないでしょ」と他3名から言われてシナリオドクターは鈴江さんに決定。審査会は終わった。
おもしろい。
そして佳作受賞の作者が出てきて主催の理事長から賞状をもらい、ひとことあいさつ。
今までの経緯をじっと見ていたので、その表情はうれしそう、というより、こわばっていた。
最後に理事長のあいさつ。
こ、れ、が、
今までの喧々諤々なんてぜんぜん目に入っていなかったような、
とことんお役所的なもので、
審査員とか聴衆がこの2時間半あまりで積み上げたものを
すっこんとなし崩しにする爆弾のような威力があった。
私はこの爆弾がいい喜劇の最後のいい落ちのようでたいへんおもしろかった。
いやあ、おもしろかったなあ。

その後、審査員、ノミネート作品の作家たち、主催者の人たちで飲み会。
県外の人がたくさんいるからという理由だろう、「世界の山ちゃん」に連れて行かれる。
手羽先かじりながら、ここでやっとフラットな人間同士の会話。
終電ギリギリまで過ごす。
私は実家に帰る手はずになっていたのだが、
宿がないという肥田さんもご案内することになる。
電話で両親に了解をもらって、二人で駅まで走る。
審査会の前に肥田さんが「テレビ塔が緑ですごかった」という話をして、
そのときはテレビ塔の照明が緑色くらいで何をそんな、めずらしくもなし、と思っていたのだが、
走ってるときにテレビ塔を見たら、自分の記憶以上に幻想的な緑色に染まっていて、
こりゃすげえ、と考えを改めた。
やはりいつも最初に発見するのは外部から来た人間だ。
なんとか終電に間に合い、帰省の道のりを肥田さんがいるという感じが不思議ながら揺られる。
父が駅まで迎えに来てくれて実家へ。ようこそと、ただいまと。
弟の部屋を使ってもらい、就寝。
今回はこのせいで肥田さんとかなりたくさん話ができたのでよかったなあと思う。
これはもうマブダチとよんでも差し支えないんじゃないかと思ったので、
以後肥田さんのことはマブダチと思うことにする。
朝、実家にあるものを食べ、駅へ。
お互い昼過ぎから仕事があるので、また会いましょうと別れて新幹線へ。
ぐうぐう寝ながら帰ってきた。

生パスタと日光

2010年11月07日 18時52分47秒 | Weblog
映画見た。

「マイマイ新子と千年の魔法」。
宝物の金魚にきれいなものを与えていくという発想が好き。
そのきれいなものというのがどどめやらビー玉やら。
それが良いことだと思ってる子供が出てくる。
私も部屋の中でビーズをばら撒いたら
さぞきらきらしてきれいだろうと思ってやってみたら、
全然想像とは違ってきれいでもないし、
つぶつぶがあたって居心地がわるくなるし、
絨毯の毛の隙間に入ったのを取り出すのも大変だし、
という体験を思い出した。

ピーター・グリーナウェイ「数に溺れて」。
なぜイギリスの海岸はあんなに寒々しいのか。
よくあんなとこで泳ぐなあ。
と思ってたらやっぱり溺れたのでそりゃそうだと
なぜかすごく納得した。
サドの「悪徳の栄え」のような話。
途中で良心が痛んだり、怖じ気づいたら途端に窮地に立たされるゲームをこの人たちはやっている。

今日は髪を切って、公園で散歩した。
コンビニで買った生パスタを柵に腰掛けて食べた。
水面に秋のうすい日差しがきらきらしている。
葉っぱが透けてセロファンみたい。
雲と太陽がおもしろい形を作っていた。

においがする

2010年11月04日 20時45分20秒 | Weblog
昨日から2歳に「先生、お豆のにおいがする」と言われる。
後ろめたいことは何もないのだが、
くりんとした目で言われるとどきりとする。

映画見た。
ピーター・グリーナウェイ「ZOO」。
よっ、変態。
さわやかに声をかけたくなるほど名作。
「あなたの下着の色なんですか?」
「やっとまともな質問ね。シマウマ柄よ。」
よっ。

パゾリーニ「アポロンの地獄」。
スフィンクスがあっさりやられる、というか
ただの哲学者のような人間であるのを
オイディプスが殺して英雄になったというのがおもしろかった。
あと、青年オイディプスの登場シーンで
こいつがズルするのがおもしろかった。
やっぱこいつ、ちょっとずるくて浅はかなんだな。

「ライフ・イズ・ミラクル」。
これぞロシア人ママ!という女性が出てきて愉快だった。
なので途中ママがいなくなって
若い女が入ってきてからは少しがっかりした。
結局ママとパパの話だと思っていたのが、
パパの話だったのが残念。
しかし、いい映画なのはたしか。
どこまでも明るい音楽に救われる。