世の中の二乗>75の二乗

話せば長くなる話をする。知っても特にならない話をする。

映画見た

2011年06月27日 22時42分46秒 | Weblog
映画見る。
キューブリックの「フルメタル・ジャケット」は因縁のある作品で、
松尾スズキの映画評を読んだのが一番最初だった。
もう、なんだかそれはそれはすごそうな感じで書いてあった。
それを読んだ時期が大学のときで、ただでさえ鬱屈としておるのに
丸尾末広とか駕籠真太郎とかサドとか夢野久作とか読んでいた頃であり、
東京の演劇界では大人計画がぶいぶいゆわしていて、
そのときに自分は高知にいて、
それも女しかいなくてしかも隣の高校より人数少ないような大学で、
気が合う子はちょっとおかしくなって学校来なくなっちゃうし、
ある意味、理解者なんて一人もいねえよ的な状況での出合いで、
救いとかでもなんでもないけど、うわあ、すごい映画があるんだなあと思った。
あるんだなあ、とは思ったけど、
「じゃあ、実際見てみるのかい?」という話とは違って。
第一、怖そうじゃないか。
第二に、高知のツタヤにあるんかいな。
第三に、その頃DVDプレーヤーを持っていなかった。
というような事情から、見なかった。
「時計仕掛けのオレンジ」は見ても、
「アイズ・ワイド・シャット」は見ても。
それで、上京してしばらく経って、見つけたので、そしてDVDプレーヤーもあったので見た。
でも、なんということだろう。
そのプレーヤーは母からもらったものだったのだけれど、
リモコンがなくて、再生、ストップ、出し入れはできるが、
チャプター選択や音声切り替えができなかった。
なので念願の初「フルメタル・ジャケット」は字幕なしの英語。
わっかんねえ。
いや、大体の話はわかるが、
松尾スズキの言う「もはや詩的ですらある」罵倒のカラフルさが一切わからない。シット。
そこを味わわず、大体の話がわかったからってなんになるっていうんだ。ビッチ。
そんなことがあったので、「フルメタル・ジャケット」は長い間「もう一度見たいけどまだ見たくない作品」の枠に入れられることになった。
そんで、昨日、ようやく、2回目の鑑賞。
ベトナム行ったのが大きかったかもな。一応。
今度は母にリモコンを渡してもらっているので日本語字幕がでる。
上官のカラフルな罵倒が理解できる。
んで見た。
うわあああああ、すげえなああああ。
言葉がわかるって大事だなあああ。
凄まじいばかりの罵詈雑言ボキャブラリー。
そしてなんだこの変な爽快感は。
やっぱりあれかなあ、人はどんくさい人にお前どんくさいなあって面と向かって言えないからかなあ。だから、それ言ってくれる人がいるとひどいとは思いつつ、ちょっとうれしくなるんかなあ。
「微笑むな。この微笑デブ」
あと、少し私が出てくる若い男の子たちを嫌だなあと思っているからかもな。
だから罵倒されてておもしろいんかも。
これはこの上官が趣味でやってるわけでないのがすごいとこだな。
こういう、最初に人格とか人権を全部排除して命令に従うことだけを叩き込むシステムが、絶妙に性の発散につなげられて行われているのもすごい。
気持ち悪いし、大嫌いだが、
そういう世界に身を置くと、それはそれで頑張っちゃうのが人間なんだろうなあというのを強く思った。

セルジュ・ゲンズブール主演「ガラスの墓標」。
セルジュ・ゲンズブールの半生を描いた「ゲンズブールと女たち」という映画の予告を見つけて、
そのゲンズブール役の俳優がものすごく色気があったので、
セルジュ・ゲンズブールにも興味が出て借りた。
うん、色気のある人だ、ゲンズブールは。
ただ、この映画はあんまりおもしろくないなあ。
最初のゲンズブールが歌ってる歌はすっごいよかった。
そうか、ゲンズブールの色気だけの映画だからあんまりなのか。
あと、彼女のきれいさだけ。
ゲンズブールは毛皮が似合うなあ。
『ゲンスブールと女たち』 予告編


篠田正浩監督作品「処刑の島」。
好きな監督の作品だったのと、武田泰淳が原作なので見た。
でも、オープニングで脚本石原慎太郎となっていて少し嫌な予感した。
案の定、あんまりおもしろくない。
なんか全部歯切れが悪かった。
怨みがあって島に返ってきた男の人の話なんだけど、
怨みの根本もなんか歯切れ悪いし、その復讐方法も歯切れが悪い。
なんだあ、そりゃあ、という感じで終わった。
島の風景の撮り方はさすが、と思った。

イラン映画「ギャベ」。
遊牧民カシュガイ族が織るギャベは柄と色がすごく好き。
でも高いのでなかなか手に入れれない。
そのギャベの映画というのでわくわくして見た。
きれい。
ぶっちゃけあまり洗練されていない映画だけど、
きれいな色彩と、おとぎ話みたいな物語が素朴でいい。
なによりロケーションがすばらしい。
こんなとこに行ってみたいなあと何度も思う。
そんでやっぱり、ギャベがほしいなあと思う。


酒と酢

2011年06月24日 16時04分39秒 | Weblog
今年は梅を漬けようと思った。
毎年梅の時期になるとそう思うんだけど、
ビン買ったり、ホワイトリカー買ったり、細かな出費が嫌でやめてしまっていた。
今年は意を決して出資した。
梅酒と梅酢を作る。
あく抜きのために一晩水につけておいたら
思いのほか傷みの多い梅を買ってしまったことに気づき、再度買い直す。
さすが、出費を恐れない年だ。
梅多め砂糖少なめの酢漬けと、砂糖多めの梅酒。

飲めるのは3ヵ月後。おいしくなるのは一年以降。
私には忘れられない梅酒があって、
それは私のじゃないお婆ちゃんがつけた梅酒なんだけど、
もうそれは梅酒というか、どろっとしててあっまくって、蜂蜜みたいに濃厚な梅酒だった。
でもその梅酒をつくるお婆ちゃんを持ってる人とは疎遠になってしまったので、
もうあの梅酒は二度と飲めない。
だから、あのどろっとした甘みの濃い梅酒が、
砂糖の量によるものなのか、熟成年月によるものなのか、両方なのか、わからずじまい。
いままで買って飲んだやつで、あれにかなう梅酒はでてきていない。
再現できるかどうか、まあ、無理だろうとは思うけど、
まずははじめの一歩です。
傷があって漬け込めなかった梅はジャムにしようかな。
しかし、ジャムなんて作って食べるのか、私。
失敗は許されない。


男の子ふたりが

2011年06月23日 06時04分26秒 | Weblog
今日見た夢。
実家の古い方の家で母とテレビ見てる。
すると全然知らない男の子ふたりが家にあがりこんでくる。
3歳と5歳くらい。
他人の家にあがりこんできた割りにこのふたりは大人しくて、
一緒にテレビを見る。
でもテレビは2時間の事件ドラマで、あんまりよく理解できてなさそうだった。
お昼頃なので、母とアサリの炒飯を作ることにする。
アサリの炒飯を作ると言っているのに、
3歳の方が我慢できず、そこら辺にあった冷やおにぎりを半分くらい食べてしまう。
もう、せっかくのアサリなのに。
アサリはバターで炒めて、とてもおいしそうなのに。
4人で食卓につく。
台所はいつものように昼でも暗かった。

生活と慣れ

2011年06月19日 21時29分26秒 | Weblog
日本に帰ってきて一週間。
あまりおいしくないお菓子を職場で配ったり、
あいかわらず「大きくなったらAKBになる」という子たちと付き合う。
友人ともぽつぽつ会って、
ベトナムのことを少し、ベトナムのことじゃないことをたくさん話す。
生活のにおいがするとこに帰ってきたなという感じ。
生活というのは仕事、のことかもしれないし、雑談、のことかもしれないし、
明日なにをすればいいのかわかっている、ということかもしれない。
どれも旅行中はなかった。

宮部さんの通っている絵の学校を卒業した人の展覧会を見に行く。
淡い輪郭の女の人が口をぐねっとしていたりした。
こういう、上野でやる美術展とかでない、演劇でいうところの小劇場的ギャラリーでやる展覧会は、何かきっかけがあると行こうと思うのだけど、
何かきっかけがないと行かないのも事実。
ああ、これも小劇場演劇みたいだね。
帰り、外苑前から渋谷まで青山通りを歩く。
そういえば、このあたりは岡本太郎のアトリエがあったと思い出して、
ちょっと道をはずれて岡本太郎記念館へ。
緑に覆われた一軒家はたくさんの人でごった返していた。
その家の中の物や作品を見て回るうちに、
私はもう岡本太郎の作品に驚いていないことに気がついた。
驚かずに見る岡本太郎はなにか、魅力が半減してしまったように思った。
なにこれ?なにこれ??え、、え、うわ、なにこれ、うわあ、おっっもしろ。
という驚きと一緒になって見ていたときのほうが好きだったなあ。
驚きがなくなって、見慣れてしまって、ここにあるのが当たり前で、
いっそなくても差しさわりがないくらいにまで当たり前になって、
それでも岡本太郎はもう死んでしまっているので次の驚きは絶対にやってこない。
死ぬというのはもう驚かせられないということなのかもしれないなあ。
あとはただ慣れていくのみ、忘れていくのみ。
が、庭の中にあるオブジェの目から口からありとあらゆる隙間から「芸術なんて知りません」とばかりに植物がばーばー生えているのを見て、
こうやって自然のものに圧倒されながら見えなくなっていくのもなんかいいなあと思った。
バナナの葉が覆い茂って、なんかよくわかんない茎みたいなのが枯れてて、「蜂がいます。お気をつけ下さい」なんて書いてある庭で、野ざらしになっているオブジェは全部が太郎のお墓みたい。
オブジェや建物はどんどん朽ちていって、あの戦慄な色合いも剥げ落ちて苔むして、ついには家ごと植物にのまれて、500年くらいたって新進気鋭の冒険家に発見されるのがいいなあ。
発見した冒険家は、うっわ、なにこれ、おっもしろって言うと思う。


日本に帰る(7日目)

2011年06月15日 22時01分31秒 | Weblog
6月11日(土)
朝起きてベトナムのNHK教育っぽい番組を見る。
同じ衣装、同じ髪型の女の子たちが虫の歌を歌っている。

セミとか、てんとう虫とかの歌はそれぞれ繰り返しが多い上に長くって、
カメラの位置もあまり変わらないし、いつまでも耳についてはなれないその歌と踊りを見ているとそういう苦痛を永遠に与え続ける地獄に落とされたよう。
8時、チェックアウト。
部屋に備え付けられている飲み物は有料で、
毎日それをお客が飲んだか確認する方法は客室係の目視だけであるらしい。
それも冷蔵庫を開けて飲み物が減っているか、
もしくは、部屋の中に飲んだ後の空き缶があるかとかのアバウトさで判断しているらしく、
私がスーパーで買ってきて飲んだビールも勘定に入っている。
ので、請求書のビールのとこを指差して「ノービア」と首をふりふりする。
そしたらなんなく取り消された。
ポーターが走っているタクシーを止めてくれる。評判のいいVinasunタクシーだったので安心する。初乗りは11000ドン。運転手の鼻の下には髭。
タクシーが学校らしい前を通る。
卒業式なのか、欧米で見かける紺色の博士帽に紺色の博士服を着た中学生くらいの子たちが何人もいる。
建物の入り口には花束を売る店。
その隣の街路樹にはうち捨てられた花束の山。もらってもすぐに捨てるのか。
タン・ソン・ニャット空港国際線ターミナル着。123500ドン。
空港の入り口付近には喫茶スペースみたいなのがあって、
多くの人が座ったり食べたりしている。
値段見ると50000ドン~60000ドンくらい。
ここで朝食をとっても良かったが、まあ建物内にも食堂はあるだろうし、
手続きを全部済ませてからのほうが何かと安心だと思ったので、先に空港内へ。
これが間違いのもとだった。
搭乗手続きを済ませる列に並ぶ。
私の前のベトナム人の家族はえらい大きい荷物を何個も何個もたずさえていて、
それがいちいち預かり荷物の重量制限に引っかかっていた。
そのたびにお父さんが荷物をどすんどすんとカートに戻していく。
ぐるぐると幅広のセロテープみたいなものに巻かれたダンボールには
子どもが書いたんだろう花のマークが全部の面にあって、ひと目でうちの荷物とわかる仕組み。
それにしてもこの家族はどこまでこの荷物と一緒に行くんだろうか。もしかすると引越しかもな。
セキュリティーチェックと出国審査済ませる。
もうだいぶこの国に慣れたので、
例えばスーパーのレジ打ちの女の人が、ピッピッとやりながらなにやら話しはじめても、
それはおおむね客に言っているのではなくて、隣のレジの人とのおしゃべりである、というのを知っている。
なので、出国審査の係員が私のパスポート見ながらなにやら話し始めても、
わ、何か聞かれてる、ベトナム語わかんないのにどうしよう、と焦ってはいけない。
往々にしてそれは隣カウンターの係員とのおしゃべりである。
なのでこちらは黙ってその内容のわからないおしゃべりを聞きつつ、
パスポートにハンコを押されるのを待てばいいのだ。
そういう国であるところのベトナムという国が好きだ。
さあ、手続きは全部終わったし、朝食を食べよう、と思ったら、
ここで最後の重大なミスに気づく。
ここまできてしまうと店の値札は全てUSドルになる。しかも途端にバカ高い。
さっき空港の外で55000ドンだったご飯プレートとそっくりそのままのものが、6ドルに跳ね上がっている。暴利だ。
もちろんベトナムドンでの支払いもできるが、ドル換算されているものはドンにすると2倍くらい値段が違う。
ベトナムドンを日本に持ち帰っても換金できないのでなるべくお金を使い切ってここまで来た私には80000ドンくらいしか残っていない。
それで買えるものといったらパン一個、2ドルで、45000ドンくらいなものである。
ああ、空港の外で食べていれば。6ドルと書かれたご飯プレートの食品サンプルをいつまでもにらみ続ける。
が、最後には諦めて2ドルのパンを買う。
それがまたおいしくないくちゃあとしたパンで、さらに遺恨が深まる。
残ったベトナムドンは35000ドン。
どうせもうくちゃあとしたパンも買えないし、空港内の寄付ボックスへ。
それでも入れるとき、「ああ、バインミーなら3個買えるのに」と浅ましく執着する。
搭乗口の近くで待つ。
ベトナムエアラインの飛行機の色はきれいだなあ。
ベトナムエアラインのCAはそれとおんなじ色のアオザイを着ている。きれいだなあ。
でもその上からジャケット着ちゃダメだよなあ。
座っているイスの向かいに白人の親子連れが座る。
お父さんが写真を構えて、しきりに子どもたちを写そうとしている。
男の子のほうは舌を出してみせたり結構ノリノリなんだけど、
お姉ちゃんのほうは写真はイヤと言っている。
弟の背負っているリュックに身を隠したりしてカメラにおさめられたくない様子。
彼女はこれから大きくなって今日のこととかこの旅行のこととかどういう風に思い出すようになるのか。
台北行き、チャイナエアラインに乗り込む。
機内に座るとマンゴスチンを持ち込んで食べている母娘がいた。みかん感覚?
ベトナム人はマンゴスチンを手でむくとわかった。
食べ終わったあと、娘はいつまでも手をなめていた。
ホーチミンを離れる。さようなら赤い土。
12時半。機内食。
ビーフンの上に魚の香草焼がのってるやつ。トロピカル味(パッションフルーツ味のこと)のサラダ。カットフルーツ。白いプリンみたいなの。パン。バター。
おいしい。
今回でベトナムは魚も肉もおいしいのだと知った。旅行中もっと食べればよかった。
もう帰りで、気分もほぐれているのでワイン頼む。赤。多少すっぱいがおいしいと思う。
食後、コーヒー。おいしい。
台北、着。
成田へ行く便の搭乗口前は日本人だらけ。約一週間ぶり、うんざりするほど日本語の雑談を浴びる。
台北は漢字圏なのでチャイナエアラインは中華航空と表示されている。
小学生のときの友達のことを思い出した。
絵がうまくて話がおもしろくて肌が白い子だった。
その日、その友達は掃除の時間くらいに先生に呼ばれて早退したのだった。
あとで先生に聞くと事故があった中華航空に彼女のおじさんが乗っていたという。
数日たって登校してきた彼女に聞くと、見つかったおじさんは「半分こげてた」と言った。
台北からの便はもう日本みたい。
ノートに書きものをしていると上の電気をつけてくれる。親切だ。
が、親切すぎる。もっとぞんざいでいい、無視してくれていい、と思う。
17時半。機内食。
豚肉の肉じゃがとご飯。ツナサラダ。ゴマのケーキ。パン。マーガリン。
ふつう。
パンにつけるのはやっぱりバターの方がおいしいなあと思った。
成田、着。
荷物の受け取り。
流れてくる自分のカバンを見つけるが、よく見るとカバンにつけていた南京錠が取れている。
完全になくなっているのではなくて、「錠」部分がなくて、U字の金具部分はある。
誰かが錠を壊して中身を盗ったのかとは考えず、
きっと運ぶとき「錠」部分を持ったら引きちぎれちゃったんだろうなあと思う。
一週間いてそのくらいの予測ができるようになった。つけてたのも100均のやわそうなやつだったし。
あと、これはベトナムに謝らねばならない。
私はベトナム初日、空港で荷物を受け取った時に半券の照合をしてくれないといってベトナムのアバウトさをおもしろがったが、
今日、日本、成田でも機内預けの荷物の半券照合はしませんでした。
え、確認しないんだあ、と、逆にこっちの方が衝撃でかかったです。
成田からスカイライナーに乗って日暮里へ。
日暮里から山手線で新宿へ。
新宿着いて中央線のホームに向かっている途中で、
もう常にバックに手を置いておかなくても盗られる心配はないんだ、と思う。
首から財布をぶら下げていなくても安心。
夜道を歩いても、なんなら携帯をズボンのポケットに入れっぱなしでもへっちゃら。
そう思ったときの気持ちは、うれしいという感情ではなくて、さびしい、に似た感情だった。
ベトナム旅行が終わった。

じたばたせず最後の日(6日目)

2011年06月14日 01時23分23秒 | Weblog
6月10日(金)
明日で帰るが、特にどこ行きたいわけでもない。
起きてまたバインミー屋に行って最後の味を噛みしめる。
マンゴスチンは時間をおいて甘みが増したのか、食べやすい。
むき方もマスターした。が、そう思ったとたん使っていたカッターで指を切る。
すこし流血するが、絆創膏貼ってまた食べ始める。想定内。
フエ料理の店に行く。
フエはベトナムの京都みたいなとこ。昔に王朝があった。
フエ料理は辛め。
一番有名なブン・ボー・フエは高円寺で食べてみてそんなにおいしいと思ってないので頼まない。
狙いはタピオカが麺に練りこんであるバインカンだ。
このお店は使っているお皿が全部蓮の葉っぱの形と色でかわいかった。

バインカンはうどんみたい。スパイシーな味付け。雷魚が入っている。エビかカニの肉団子がおいしい。
つけあわせに出てきたバナナの葉っぱに包まれて蒸されたハムみたいなのもコショウ効いてておいしかった。
一緒に頼んだザボンのチェーもおいしい。
クニクニの食感。長い透明なのはちょっとしゃきしゃき。何が入っているかほとんどわからなかったが、おいしい。好き。ナッツの塩気がいいアクセント。
向こうに座っていた男の人が持っていたものからビニールの包みをベリベリはがして、そのままビニールを置いて出て行った。
昔、付き合っていた人に店でコレをやってえらく怒られたことを思い出した。
なんだ、やっぱり日本人が神経質なだけなんだな。
店内は照明をほとんどつけていないので外の方が店の中より明るくて、店の飾りの扇子やガラス瓶が逆光の影になってきれい。
道行く人々。
観光客の前カバンはやっぱり間抜けに見える。

アオザイの上にパーカー着てる人発見。

奇抜なのか普通の感覚なのか判断つかない。
ベトナム人の歩き方はゆっくりだ。
一歩一歩腰の骨に脚の骨を入れるように歩く。だから腰がくいっと入る。

膝もまっすぐにするから、かくっかくっとなる。
足をすって歩く人も多い。
まねして歩いてみるとこういう歩き方をしていたことがあると気づく。
小学生のとき、家までの道をゆっくりゆっくり帰っていたときの歩き方だ。
帰ってもなにが待ってるわけでもない。といって帰りたくないわけでもない。どこかに向かうための手段ではなくて、歩いていることだけをしているような歩き方。
デパートのエントランスで子どもとおばちゃんがサンダル投げ合って遊んでいる。
おばちゃんは腰掛けて、もの憂げに自分のサンダルをぽおんとほうる。
子どもはうれしそうにそれを拾い上げておばちゃんに投げ返す。その繰り返し。
下りのエスカレーターでは子どもが二人、逆走して遊んでいる。
楽しそうでいいなあと思った。
デパートのフードコートでベトナムのティーンを発見。
ガールフレンドと一緒の男の子で、青いキャップ帽に黒ぶち眼鏡、七三分け。手にはバンド、思いっきり腰ばきのジーンズで、これも背負う紐を思いっきり長くしたリュックしょってる。ダルダルのTシャツにはスーパーマンのS。足には羽のついたシューズを履いていた。

きっと学校一のオシャレさんなんだろうなあ。
道端で、5、6歳の男の子が二人、戦いごっこをしている。
一人がカメカメ波の格好で「シュワ」と言うと、もう一人は飛び上がって手を胸の前でばってんにし、必死で防御していた。
どこの国でもオノコはこの遊びをするものらしい。
デパートには日本とおんなじように外国の化粧品やカバンを売っている。
ディオールのブースでキャンペーンをやるらしく、
なんかパソコンいじって壁にディオールの文字たくさん映し出したり、
くるくるチカチカ回る照明をセッティングしてたりしていた。
その中に当日モデルになるんだろう女の子がいて、
ベトナム人はみんな細くて美人だけど、その子はさらに顔がちっちゃくて細かった。
高いヒール履いてサングラスかけて、ショートパンツで立ち位置確認とかしてる。
他の子たちより明らかに洗練されてる感じ。
でもひっつめにしていた髪がちょっと乱れていてそこがかわいく思えた。
その後、道を歩いているとびちっと着飾った3人の女の子がのしのし歩いている。
黒い帽子、黒い服。ちらちらのぞく赤いフリル。化粧もバッチリでサングラス。
極めつけがその格好にもかかわらず、布のエコバック的なカバン。ださっ。

あ、もうこりゃ完全日本人じゃん、と思って観察していると、
案の定3人でみちっとかたまって店の前に陣取り、「このお店かなあ」「やーんかわいい」「買いたーい」とか言っている。
己のことは棚に上げて、日本人は立ち振る舞いがかわいくない上にださいと思って嫌だった。
鶏肉をのせたもち米、ソイガーを食べに行く。
鶏肉をなんかの葉っぱでくるんでその葉っぱごと焼かれている。食べる時はカラッカラに焼かれた葉っぱから鶏肉出す。
うまい。
あっつあつの鶏肉がジューシーですごくおいしかった。唐辛子が入ったヌクマムとよく合う。
地元っぽい食べ方。
右にスプーン、左にフォークを持ち、フォークで食べ物をスプーンに集め入れる。食べ物が集まったスプーンを口へ。
みんな両手を使って食べている。
この頃になるとお金の感覚が変わってくる。
最初は日本円でいくらになるかというのを考えながら見たり買ったりしていたが、
この頃には10000ドンが100円。100000ドンが千円くらいの感覚になってくる。
なので100000ドンを越える買い物はすこし贅沢、それ以下は節約、みたいになってくる。
実際は100000ドンでも400円しないのに。
本当の日本円の価値感覚ではなくて、ベトナムドンを日本円的価値にあわせていく感じ。それか逆に日本円をベトナムドン感覚にあわせているのか。

ぶらぶら果物食い(5日目)

2011年06月13日 14時57分51秒 | Weblog
6月9日(木)
朝、5000円だけドンに変える。1273000ドン。
お金持ち気分。
お金持ち気分でホーチミン市中央郵便局へ。
各種土産がうち揃っていて全部に値札が書いてあっておおむね安い。左の店にいたってはほぼ声かけてこなくて快適。
中央郵便局はなかなか穴場の土産スポットだと思う。
目をつけていた漆器70000ドン、民族的なかわいいポーチ50000ドン。しっかりしたカゴバック80000ドン。およそ200円から400円くらいなのでついつい買ってしまう。
ほくほく。
レロイ通りの本屋へ。
地元の人が使う店は安いし面白いものがたまに見つかるので好き。
本と文具とおもちゃとCDなど。おおむね安い。民族楽器のCDとベトナムの歌ベストアルバム買う。45500ドンづつ。
ベンタイン市場へ。
目をつけていたスカート買う。値札つき。そのままの額で納得してるのでそのまま払う。
旅行ガイドには市場では値札はなくて観光客には高い値段をふっかけてくるので言い値の半分くらいから値切って買うのが常識と書いてある。
市場も明朗会計になってきてるんだろうな。
ホテルに帰って昨日のランブータン食べる。
慣れたせいか少し置いといたせいか、食べれる。
相変わらず内っかわの筋が歯にはさがるが、こんなものかと思って食べればいける。
昨日と合わせて1kg食べてしまう。もっとも可食部は少ないが。
スーパーで買ったマンゴスチンとパッションフルーツ食べる。

マンゴスチンは外皮に切れ目を入れてぷくっとむく。

すっぱめ。桃みたい。
これは桃みたいな味なわけじゃなくて、種のまわりのやわらかい繊維質が桃みたいな食感。
ランブータンみたいに少し冷蔵庫で置いといてみるか。
パッションフルーツも切れ目を入れておいてふたを取るみたいに開ける。

中身をスプーンですくって食べる。
うまい!
トロピカル!
トロピカル味はパッションフルーツ味だったんだね。
すっぱいがイヤじゃない。種のつぶつぶ、たのしい。
通りを見ていると女の人の二人連れが腕を組んで歩いていることに気づく。
友達だろう二人が、ごく軽く腕を絡ませたり、一人がもう一人のひじの辺りをソフトにつかみながら往来を行く。

手はつながない。
男女でそれはしていないので、やはり友情のタッチなんだろう。
市場での客引きの時もそうだし、
どうもベトナム人は親しみを込めてひじを触る人たちみたい。
デパートの中で売っている長細いパンがおいしい。
フランスパンのパリッとしてないやつみたい。がしっと噛むパン。一個3500ドン。
ベトナムのパンはデニッシュ生地のが多いので、これはうれしい。
あんまり夢中で噛んでいたらおもいっきり舌と一緒に噛んでしまう。
ホテルで、エレベーターを待っていると中央アジア系の男の人から
「コリア?ジャパン?」と聞かれる。
「ジャパン」と答えると、納得したようにうなづいた。
街を歩くと色んな客引きにあうが、
主に「ハロー」「コンニチワ」「ニーハオ」のどれかでくる。
その他、「ヘイ、ミス」とか「マダム」とか「オネーサン」とか。
手をパンパンと鳴らして注意を引いた後に、「バイク?」とか「コノヘンナニモナイヨ」とか言ってバイクやシクロに誘ってきたり。
一度すれ違いざまにシクロの運転手に「背が高いね」とジェスチャーで言われた。
その人は私を見ながら手を敬礼のポーズからずいぶん上にあげたのだ。
ベトナムの人は男も女もみんな小さい。
市民劇場の前を歩いていたら、白人男性が「シンローイ」と言って近づいてきた。
それで英語で市民劇場でやるコンサートかなんかのことについて聞きたいらしい事を言ってきた。
ベトナム語も英語もよくわからないので、「ソウリー アイドントノー」と言うと
「オーケー シンチャーオ」と言う。
私をベトナム人と思ったんだろうか。そうなら少し誇らしい。
寝る間際、サワーソップと言う果物を搾ったジュースを飲む。

甘い。
最初その甘さにうっとなったが、氷いれてキンキンに冷やして飲めばちびちびいける。
ちびちび飲みながら本読んで寝た。

チョロンヘ(4日目)

2011年06月12日 15時40分46秒 | Weblog
6月8日(水)
朝、昨日買ったインスタントフォー食べる。
私の好きなぶつぶつ切れる歯応えないやつだ。うれしい。おいしい。

チョロンへ。
地元の人が普段使う路線バスに乗る。
バスターミナルで待っているとチョロン行きのバスが来るが完全には停まらない。
微妙に動いているところにみんなどかどか乗り込む。
いいね、こういうのを待っていたよと嬉しくなる。
車内はベトナムの歌がかかっている。ローカル感たっぷし。気に入る。
車掌がお金を集めにくるがここでまた旅行ガイドと行き違い。
3000ドンと聞いていたのできっちり出すと首を振って指で4を作る。
1000ドン足して切符をもらう。
外の風景がどんどん地元っぽくなっていっておもしろかった。
相変わらず人は多いが、高級そうな店がなくなっていく。
ひょっこり公文があった。はびこっていやがる、と思う。
チョロン着。
すごい!楽しい!
俄然ローカルっぽくて生活感ありありでおもしろい。
露店が多くて肉や魚も外に出っぱなし。
タライから逃げた鯰が道路でびちびちしている。
烏骨鶏のちいさいやつの首をむずっと掴んで客に渡している。

ビニール袋いっぱいに詰まった赤いつぶつぶをいくつもバイクにくくりつけてた男の人のバイクからびちゃあっと一つ袋が落ちる。
それでも男の人は慌てない。一応バイクを回転させて現場に戻るがせんないので、平気な顔で残りをつんでぶいーんと行ってしまう。
いつでもどこでも何か食べている人を見かける。麺、ご飯、ジュース、フルーツ。
喧騒。
ビンタイ市場も客引きとかなくていい。
やっぱりなんだかんだでベンタイン市場は観光地なんだな。
チョロンではこちらのことは無視してくれる。
観光客なんて目の端にもかけない。
卸しの店が集まってる。合羽橋みたいなものか?行ったことないけど。
日本でもベトナムでも外国人はこういう自国とは違う文化を見るのが好きなんだ。
昔はベンタイン市場もこんなんだったんだろう。
路上にビニールシートを広げてフルーツを山のように置いている通りで果物買う。
ランブータンと、たぶん、ミルクフルーツ。

ミルクフルーツは一個おまけしてくれた。
満足して路線バスで帰る。
もしかして、とまた3000ドン差し出すと、やっぱり4000と言われる。それでも往復30円くらい。
バスの窓からバイクの男女が警察につかまっているのを見かける。よもや交通ルールがあったとは。
病院の前。
救急車が路駐してある。
腕に包帯巻いた男の人が道端にしゃがんでいる。
入り口のとこで首をふる馬の置物を売っている女の人がいた。
道路の真ん中にバイクが転がっている。
誰もどかさずに平然とよけて通っている。
モルモン教の宣教師がバスに乗り込む。先のとがったヘルメット。縞の入った半袖シャツ。黒いズボン。黒いリュックサック。金髪の背の高い白人男性。
なんで高知で見かけた姿と寸分たがわない姿形背格好なんだ。
違うのは高知では細い競技用の自転車に乗って行動していたことと、ベトナムでは後ろをマジックテープでとめるようになっている青いコレもなんかフォルムのかっこいいマスクをしていたことくらい。
バスから降りる。
チョロンおもしろかった。
ホテル近くで赤ちゃん抱いたこじきを見る。ベトナムのあの三角い帽子を裏返してお金を求めている。
白人女性がお金あげてた。
ホテルのビュッフェで昼食。
さすがだ。
ベトナム料理がまんべんなく取り揃えてある。
こんな近くで簡単に手に入るとは知らなかった。うかつだった。
以下食べたもの覚え書き。
小皿に入ってぷりぷりに蒸された米粉のやつ。タレ別。うまい。食感楽しい。
生春巻き2種。ふつう。
見た目サバの味噌煮っぽい魚の煮物。たぶん雷魚。甘辛醤油味。うまい。
鶏肉蒸したやつ。ライムと塩かけて食べる。うまい。
豆腐。ゆるめ。スプーンですくって食べる。醤油でなくヌクマムつける。
牛肉の角煮みたいな煮込み。硬いがうまい。ほんのりヌクマム味。
チャーハン2種。うち、1種は紫色。インディカ米なのでパラパラ。まあまあ。
紫色のおこわ。甘いが意外にうまい。
米粉のひし形ゼリーみたいなの。乾燥エビのってる。タレ別。くにくに食感。たのしい。
トマトが入ってるスープ。おいしい味つけ。
バナナの葉で包まれた米粉の蒸したやつ。ほんのり葉っぱの香りが移ってる。ぷにぷにくにゅくにゅ。
ここにあった!バインクァン!蒸し春巻き。米粉をといた皮を目の前で蒸して巻いてくれる。これこれ!うまい!つるんとした食感好き。
はんぺん。魚のすり身をあげたあのはんぺんの味。
パパイヤサラダ。タイ料理みたいに辛くないが味あんまり。いろいろな調味量入れすぎみたいな感じ。
揚げ春巻き。うまい。
水レンブ。すっぱいと聞いていたが意外とうまい。すっぱくない。水水しい。しゃくしゃくっと梨みたいな食感。
マンゴー(?)あんまりおいしいくはない。
バナナ。小さめ、かわいい。味は普通のバナナ。
ひし形2層ゼリー。ふつう。
チェー。甘い煮豆を数種類入れてココナッツミルクかけるぜんざい。そのままでは常温だし甘すぎるので氷を入れるのが正解。氷入れるととてもうまい。
黄金色のジュース。えらくまずい。
塩レモンジュース。あまじょっぱい感じがまずい。
お腹のつごうでお粥とかフォーとか食べられず。
しかしおおむね満足。おいしかった。
さすが200000ドンだけのことある。贅沢した。
部屋に戻ってのんびりする。
今日くらいからあくせく動かなくても平気になってきた。時間もったいないお化けがいなくなった。
チョロンで買ったフルーツ食べてみる。
ミルクのようにトロリとした白い中身だというミルクフルーツを割ってみる。

あれ、随分かたい。
種がぶつぶつあってその種がさらにかたい。
青臭い。おいしくない。
おかしい。熟れていないのか。でも聞いたところでは外が緑色のがうまいというし。あ、虫。
白いうねうねしたちいさい虫がよく見るといっぱいいた。
あー、虫食ってるや。これがおまけでくれたやつなのか、最初に私が選んだやつなのかはわからない。
もうひとつのミルクフルーツも虫はいなかったが、かたくて種があって青臭い。
これ、大はずれ。
ランブータンは甘くないライチみたい。ものがいいと甘いんだろうな。
たまにすっぱいのにあたる。
筋があって食べにくい。野性味あふれる味。
大はずれとまではいかないがふつうよりちょい低い評価。
あれ、まずいな。いままでのフルーツでおいしかったのザボンと水レンブだけだ。
スーパーで買った桑の実のジュースもえらく甘すぎて飲めなかったし。
がんばれ、フルーツたち。

ホーチミン観光っぽいこと(3日目)

2011年06月12日 08時39分01秒 | Weblog
6月7日(火)
また早めに目が覚める。
7時に出て昨日のバインミー買いに行く。今日はおばちゃんが二人になっていた。やっぱうまい。
早くから開いている戦争証跡博物館へ。
昨日、歩いている時なんか喉がいがらっぽくなってきて、
こりゃあバイクの排気ガスのせいかなあ、やっぱりみんな布マスクしてるだけのことはあると思ったので、
今日は持ってきたマスクして歩く。
楽ちん。
だが、歩いている人でマスクしてる人なんて私くらいだし、そもそも柄つきじゃない真っ白なマスクなので明らかに異物っぽく見られている感じ。
そんな視線をはねのけるように歩く。
暑い。戦争証跡博物館に着いた頃には口の周りのファンデーションが全てマスクに移っていた。
戦争証跡博物館。
ベトナム戦争の悲惨さをパネルなどで展示してある。
入り口すぐには実際の戦車やヘリコプター。
ゴジラじゃなくて人間を殺すためのものたち。
パネルは基本ベトナム語と英語表記なのであまりよくわからない。
写真を見るとわかるが、見たことある写真が多い。
戦場カメラマンが多く入ったこの戦争は無残な記録としてのたくさん写真が残っている。
枯葉剤の影響コーナーでぐにゃりと曲がった自分の子を見つめるお母さんの顔がやさしかったのが印象的。
幼い綾ちゃんが衝撃を受けたという女の人への拷問は絵で紹介されていた。
蛇を身体へ入れる。その前にぜったい犯されるだろうし嫌すぎる。
駕籠真太郎の残酷漫画そのままじゃないか。そうか、あれはノンフィクションだったのかと思う。
少し前までこんなむごいことが行われていたなんてと思うが、すぐに、いや、今でもきっと、と思う。
などと感傷にふけっていると目の前を犬がうろついている。
黒と茶色のメス。六つあるおっぱいがどれもつんとしている。
小さくてつつましく動く。
さっきから敷地内でカラオケ大会やっているし、ここは感傷にふけるにはそぐわないなぁ。
気が臥せっている自分が馬鹿馬鹿しくなる。やさしいとこだ。
それにしても展示してあったアメリカ兵の人形はずいぶん悪そうな顔をしていた。
大きいアメリカ兵に小さいベトナムの人たちはずいぶん怖いと思ったろうなあ。
がしがし歩いて骨董品が並ぶレコンキウ通りへ。
中華風の器。フランス風の箱。買わないが見てると楽しい。
美術館へ。
展示の作品にはあまり感心しない。
その中でおもしろかったもの。
UFOのポーズしてる木彫りのおじさん。

なぜか手にこうもり持って困惑しているような猿の掛け軸。

建物は中庭を取り囲んだコロニアル建築。
卵の黄身の色の外壁がだいぶ朽ちてきていい感じ。
ところどころはがれたステンドグラス。
ひっそりとしたライトエメラルドグリーンの階段。
敷地内を鶏が普通に歩いてる。
守衛さんも椅子にもたれかかっておしゃべりしながら時間を過ごしている。
はたはたと赤い国旗だけが元気にはためく。
時間が意味を持たないようなところ。風が吹きぬけると気持ちいい。
中庭で子供が数人絵を書いていた。
建物の写生かと思ったらぜんぜん関係ない女の子とかハートとかを書いている。自由。
昨日と今日でこの街の大雑把なとこが気に入る。
こっちのあいまいな注文でも適当に作るし持ってくる。
こっちも出てきたものをそのまま食べるし満足。
細かいおつりをくれない。こっちも渡さない。
信号のない道を渡るのも平気。バイクがめまぐるしく行き交っていても平気。
クラクションも日本みたいにイライラして鳴らすんじゃなくて、通るよ、気をつけてって意味で鳴らしてる。
だから鳴らし方もごく軽くぷっと押すだけだし、それ鳴らされてもぜんぜん嫌な気持ちにならない。
道を歩いていると外国人なのでじろじろ無遠慮に見られる。
バイクタクシーやシクロに声をかけられる。
でもそんなのへっちゃらだし、断ってもなんてことなく諦めていく。
まあ、いいか、みたいな空気が楽ちん。
食べたかった蒸し春巻きバインクォンを出すという店にいく。
が、メニューにない。
「Banh Cuon」と書いて見せるが、首をふられる。
旅行ガイドはあんまりあてにならないことがよくわかった。
蓮の芽のサラダと蟹のスープ頼む。ハイネケンも。
店の中庭の屋根に猫。
赤い屋根の上の黄色い縞猫見ながら食べる。
蓮の芽のサラダはおいしいが2~3人前だったみたいで後半飽きた。
もう一度ベンタイン市場へ。
昨日は早朝で土産物屋もまだ開いてなくて客引きもそれほどではなかったが、今日はどこでも客引き。
通路を歩いているとさわっさわっとひじのあたりを触って「オネエサン、ナニサガシテル?」と話しかけてくる。
その触り方が強引に掴むわけでもなく、引っぱるわけでもなく、本当にやわらかくさわってくるので、なまめかしくて妙に気恥ずかしい感じ。男も女もやってくる。
陶器のお玉とレンゲ2つ買う。一応値切って95000ドン。
市場を出て昨日まわりきれなかった店をまわる。
これでほぼ網羅した。
売っているもの、だいたいの種類と相場を把握した。
なのでいままでちょこちょこしか使わないで欲求不満に近くなっていた買い物欲を発散させることに。
民族衣装の店で目をつけていた鞄二つ。漆器の壺と水牛の角のフォークとスプーン。試食もかねてお土産のお菓子類。
気持ちよくお金を使う。といっても日本円で3000円くらい。
スーパーでかったザボンがうまい。
つぶが大きくて水っぽくない。がぶりがぶりと食べる。酸っぱすぎない。
ここでまたミス。
昨日ホテルで2リットル30000ドンの水を知らずに使ってしまい、
今日はスーパーで安い水を買おうと決めていたのに
エビアンを何の気なしに買ったら48500ドンだった。
ホテルの割高水よりさらに割高な水を買ってしまった。くやしい。
スーパーで安い水は8000ドンくらい。外国物は高いことに慣れていなかった。
ホテルの部屋の洗面所で洗濯。

洗剤はアメニティのボディーソープ。
私のこういう大雑把さがこの街とあっているのかな。

ホーチミンを歩く(2日目)

2011年06月12日 08時16分04秒 | Weblog
6月6日(月)
早くに目が覚める。
待ちきれず6時にホテル出る。
晴れ。まだこの時間は爽やか。
お金を使ってみたいので近くのサークルKに行ってみる。ひまわりの種と緑豆のスナック買う。
サイゴン川を見に行ってみる。
目の前の道路のバイク量がすごい。
が、ゆっくりわたれば平気とわかっているので怖くない。
アイコンタクトしながら渡る。
サイゴン川に着く。

邪悪な顔をした遊覧船がとまっている。

バトミントンやってる人がいる。太極拳はもう解散後。
サイゴン川は深そうなのに流れが早い。茶色の水面に浮かんだものがどんどん流されていく。
ときどき「ヘイ」とか「バイク?」とか客引きの人が声かけてくる。笑って受け流す。
元気があり余っているのでベンタイン市場まで歩く。
まだ早朝なので路上の物売りも準備してるとこが多かった。
ホーチミン像の近くでまたバトミントンやってる。みんな朝から元気だなあ。
歩くうちに日射しがじりじり強くなる。
ベンタイン市場も食べ物関係以外は準備してるとこ。
生鮮食品売り場は豪快に肉切ったり、魚のはらわた出したり。見ていて楽しい。
中でも大量のイカをたらいの中でジャブジャブ洗っているのがおもしろかった。
蟹がきれいに並べられている。ぎょっとするような大きさの川魚がどろんと横たえられている。
まだ観光客が来ない時間なんだろう、皆じろじろ私を見る。声はかけてこない。
帰り道、人がたかって順番待ちをしているバインミー屋を見つける。
きっとおいしいに違いないと思って、ちらちらのぞく。
道にどっかり座ったおばちゃんが手際よくパンを切り裂いてパテみたいなの塗って、なんかよくわからんハムやベーコンのせて野菜入れて、その上からヌクマムかけて袋に入れて渡している。
食べたいがいくらかわからないのでしばし客とのやり取りを観察。10000ドンとわかる。安っ。約40円。
一個買ってホテルで食べる。むちゃくちゃうまい。
きゅうりと生唐辛子がいいアクセント。
たいていの店が開くのが9時くらいなのでそれまでゆっくりしよう。
しようと思ったが、早く外に出たくて時間を見つつじりじりする。
結局早めに開く店から順にまわることに。
がしがし歩く。
今日はまだ下見であまり高価な物は買わない。他と見比べてから決める。そう決めている。
20軒くらい見てまわる。好きな店何軒か。欲しいものなん点か。
どの店も観光客に慣れているんだろう、入るなりにやーと笑いながら寄ってくる。
瞬時に私が日本人であると察して「イラシャイマセー」ということもある。
その点子どもは外国人に慣れてないみたいで、
今まできゃあきゃあ遊んでいても私が入るとしんとして奥へ引っ込んでしまう。
気に入った店。
ベトナムの少数民俗の服やカバンがずらりと置いてある店。こういうとこ好き。
漆器の店。多くの店のはいろんな柄の入ったぎんぎらぎんの漆器なんだけど、何も柄のない、でも色使いがかわいい漆器の店。ここは日本女子好きだろうな。
今日の収穫。
デパートの食品売り場がめちゃくちゃおもしろいことを発見。
各種調味料やスナック菓子、即席めんやハム、ビールやコーヒーなど日常のちょっとしたものからお土産を買うにも便利。布製品や調理器具もある。
大きな箱菓子をいくつもカゴに放り入れていた東洋系の観光客のおじさん。
熱心に調味料の説明を聞いていた白人男性。
ここなら客引きもなく、心ゆくまで買い物ができる。
が、コーヒー売り場だけはなぜかおねえさん店員の勧誘がすごい。
「ベットナムコフィー オネイサーン コレオススメ」と25000ドンの横の55000ドンのコーヒー豆を勧めてくる。それが数名。人が有り余っている。
食品売り場でトマトときゅうり、ドラゴンフルーツ買って昼食とする。
トマトは肉厚。野性的。
きゅうりは太くて緑がうすい。日本のみたいにごつごつしてない。それで甘い!おいしい。瓜に近い。

ドラゴンフルーツはあんまり味がない。シャリシャリした食感はあるけど青臭い感じ。
一緒に買った乾燥ジャックフルーツスナックは独特の臭いと強烈な甘さの後味。珍味。好みが割れるとこだろう。私は好きでない。
カフェに入ってアイスコーヒーも飲む。
最初からミルク(コンデンスミルク?)が入っていて甘い。濃くておいしい。
氷入りだったけど特に問題なかった。

本屋に入ったときにスコールに降られる。
一気にびしょ濡れになりそうなザバーとした雨。止むまで足止め。
子供向けにしては恐ろしい怪物の絵のついたベトナムの絵本買う。
意外と楽かったのは日本語検定模擬問題集というの。
最高クラス、一級の問題ともなると
「下線部の漢字と同じ読み方をする選びなさい。
 個人的なことにあれこれ干渉するものではない。
 1.慣習 2.感情 3.乾燥 4.鑑賞」
とかの漢字問題から、
「次の言葉の意味を適切に用いている用例を選びなさい。
 しかたない…強い心の動きを抑えられない。
 1.この本の主人公がかわいそうでしかたない
 2.私が悪いのだから、何をいわれてもしかたない
 3.遊んでばかりいて、しかたないやつだ。
 4.電車がなかなか来ない。しかたないから、タクシーを拾った。」
などの意味問題、
はたまた天声人語が引用されている文章読解まで、なかなか難しい問題がでる。
中学の国語みたい。なので中学の国語教師である母へのお土産にする。

雨止まず。
なにか用事があるのか薄いピンクのアオザイを着た店員さんが雨の中、外に出ていく。
濡れた地面につかないようアオザイの垂れているぴらぴらしたとこを半分に折ってズボンと腰の間にはさみ込み、店のビニール袋を頭からすっぽりかぶってすたすたと歩いていく。
こんなの恥ずかしくもなんともないわよ、といったふう。

ホテルに帰って近くのパン屋で買ったトマトがのったデニッシュをスーパーで買った333で食べる。
うまいぜ、パン!
うすいぜ、333!!