世の中の二乗>75の二乗

話せば長くなる話をする。知っても特にならない話をする。

ランチ

2006年08月31日 00時18分35秒 | Weblog
メンバーの長沼さんとタイ料理を食べに行く。
かなり変わったお店で、壁一面、テーブル一面にカラフルなコンドームが飾られている。
そういうコンセプトの店なのだ。
いや、決してわらかしではなくて、健全にタイランドにおけるHIVや人口爆発を食い止める目的を持った店なのだが。
しかし、ウエイトレスのTシャツにもばっちり印刷されている避妊具には面食らう。
写真は、壁に貼られたのいろんな形をしたコンドーム(先端がニワトリ、ジャンケンのチョキ、どぎつい緑などなど)に苦笑いの長沼さん。
京都を代表する劇団の看板女優です。
料理は、ナンプラーの効いたトムヤムクンに香草と春雨の辛味炒め、鶏の挽肉と香草炒め、ココナツのデザートととても充実してました。
辛さを求めた者にとってはあまり辛いを堪能したとは言えませんが、
きっちりとしたタイ料理でとてもおいしくいただきました。
しかし、風変わりな内装のため、
男の人を誘わなくてよかったね、と長沼さんと言い合いました。

弟子がどんどん育ってきている稽古場。
なんのこっちゃわからんでしょうが、楽しいです。

メンバーの駒田さんおすすめの稲垣足穂「一千一秒物語」を読み始める。
句読点がない!カギカッコが閉じてない!など、アバンギャルドな小説だった。
おもしろい。

おはようこざいます

2006年08月30日 07時30分36秒 | Weblog
昨日、軽いノリでメンバーと前田家に上がり込んでしまいました。
テレビ見て、雑誌読んで、雪見大福食べて2時くらいには就寝したんですが、
にしても本番直前とは思えないほどのていたらくです。
いかんいかん。
今日も通しがあるじゃん。
お風呂に入ってないので一旦家に帰り、それからまた稽古です。

今日はその前に、メンバーのなかでも相当の辛モノ好きという長沼さんとタイ料理の辛いのを食べに行きます。
楽しみです。
そういえば、夜テレビでやってたベトナム料理はおいしそうだったな。
今日の料理も香草が効いてたらいいな。

小屋入り

2006年08月29日 00時18分29秒 | Weblog
といってもいつもの稽古場が公演場所になるので、
小屋入りと言えど、場所は変わらない。
ということで今日は仕込み日。
みんなで平台や箱馬など運び、パンチを敷く。
こんなに早く仕込みができて、本番と同じ感じで練習があと何回かできるのはうれしい。
出来上がった舞台は全体的に黒い感じ。

さて、今回の私の位置がようやく確立してまいりました。
よかったよかった。
芸は身を助ける。ホンマです。
前田さんをして「先生」と言わしめました。よかったよかった。
でも、特技がこれだけだと思われないように演技もがんばろう。
腹を出さないようにしよう。
今日の通しで思いっきし腹出して死んじゃった。
思わず、制作の人が途中駆け寄ってきて、はだけてるのを直してくれる。
すんまへん。おおきに。

仕込み日の今日、今までで一番早い入り時間になりました。
午前10時集合です。
習慣とは恐ろしい。
早ぇよ。と思ってしまうものですね。
しかしその低いモチベーションもお昼には一気に急上昇。
なんと、炊き出しが始まった。
控え室に炊飯器が2台持ち込まれ、コロッケやほうれん草の和え物などのおばんざい、京の漬物、インスタントですがお味噌汁もつきました。
そして究極の食材が。
うなぎ!
うなぎ!
私、今年初うなぎですよ。
すっげぇ幸せだったぁ。
ケータリングで淹れたてのコーヒーも飲めるし、なんちゅう好待遇なんだ。
すげえぜ、芸セン。ありがとう、芸セン。

いつものように飲んで、何人かはメンバーの鈴木さん家に産まれたての猫を見に向かった。
あんたら、今日の明け方4時までしゃべってて、10時から仕込み、みっちり稽古、一本通しして、飲んだそのあとにまだ遊ぶのか。
すげぇな、おい。
その元気さにも驚くが、無理から起こされるであろう子猫も気の毒。
明日もよろしく。

ラーメン屋で

2006年08月26日 23時54分26秒 | Weblog
今日は稽古終わりにラーメン屋でご飯。
テレビのニュースを見ながら、カニ漁船からジョンベネちゃんなど色々なことに口を出しながらラーメンをすする。
こういうのがめちゃくちゃ楽しい。
ホント、いいメンバーにめぐり合った。

あと5日らしい。
大丈夫かしら。
大丈夫じゃないかしら。

始発で

2006年08月26日 07時14分41秒 | Weblog
いつもの夕食兼飲みの後、メンバーの野津ちゃん家へ上がり込む。
くっだらないことをだらだら話して始発に乗って帰る。
学生のようだ。

前田さんとメンバーの駒田さんが妖怪談義を始めたのでうれしくなって口を挟む。
高知のシバテンやエンコウの話は受けがよい。さすが鬼太郎世代。
駒田さんは小松先生の講義を聞いたこともあるらしい。卒論はラフカディオ・ハーンだったそうな。
メンバーの松田さんが小松先生と飲んだことがあると言う。
先生に「幽霊を見た男が知り合いにおるんですが、彼は何を見たんでしょうか」と聞いたら、
「その人は日本文化を見たのです」と返されて感嘆したと言っていた。

明日、つうか今日だけど、皆13時から稽古場に行くらしい。
私は出番の関係上、19時からでいい。
これから思う様、寝ます。

ROCK IN JAPAN

2006年08月25日 15時58分35秒 | Weblog
かっこいいよ。
安吾はかっこいい。
「堕落論」、「続堕落論」の中の人間賛美というか、
どんなに取り繕ってもお前等の正体はこれだ!みたいな辛辣な指摘もかっこいいが、
私は「ピエロ伝道者」「私は誰?」のような文章がぐっとくる。
いや、要は駅でスピーカ片手に喚いているような熱っ苦しい感じなんですが、
でもかっこいい。
人にわかってもらおうなんて甘いんだよ。わかってもらおうとしてもいいけど、それは絶対的に人には伝わらない。それはどんな人間も例外なく。
かっけぇ!
もうさ、こういうことを言っちゃう人についていきたくなっちゃう気持ち、すごくわかる。
野田秀樹は盲目的にこのROCK感に魅かれたんだろうし、
昭和20年前後の文学青年たちは今のROCKミュージックを聞く感覚でこういった文章を読んでいたのではないだろうか。
戦争中、安吾は言う。
「京都の寺や奈良の仏像が全滅しても困らないが、電車が動かなくなるのは困る」。
これは心理だと思う。
誰も口に出して言わないが、心理を言い当てていると思う。
しかし同時に安吾は、いち小説家風情がこう一筆書いたところで世間は動かないということも知っている。
知っているからこう書いた。
安吾は革命家ではない。
自分の思想を切り売りしてはいても、それで何かを変えようと「行動」を起こすことはない。
だから読み物として安心できる。
そういうところも全部わかって書いてるんだろう。かっこいい。
かっこいいと言っているそばから、今日着る服のことを考えている私のような読者の移り気もわかっているんだろう。
それでくらいでいいんだと思っているんだろう。
かっこいいじゃありませんか。

帰省

2006年08月24日 10時39分46秒 | Weblog
稽古の休みを利用して、免許の書き替えのために帰省した。
京都とは暑さの質が違う愛知である。
さくさくっと更新を終わらせて、実家へ。
相変わらずの猫軍団と夏恒例のぶどう責めにあう。
んで、就活中の従姉と高一の従妹にあう。
世間では圧迫面接なるものがあるらしく、就活の面接で自分の全人格を否定されるらしい。怖ぇ、就職前線。
血族たちに今度やる芝居のことをいろいろ聞かれるが、やっぱりいまいち話が噛み合わない。
どんな役かと聞かれ、「死ぬ役だよ」と答えたら沈黙しか返ってこなかった。

メンバーへの愛知土産はなんにしよう。

お言葉

2006年08月23日 00時50分02秒 | Weblog
坂口安吾のエッセイ集を読んでいる。
「今、日本のモダン語『ナンセンス』は『悲しき笑い』として通用しようとしている」というくだりを見つける。
ははぁ、なるほどそうだなぁ。
昔々、タモリと野田秀樹がチャップリンを意識してつくったコントを演じ終えた後に、「どうも日本的になるとしみったれて困るね」と言っていたのを思い出す。
今回の舞台が「ナンセンス」な笑いを意識しているからだろうか。
悲しいときにもがっつり悲しめない、むしろふき出しちゃう。
そういうのが「リアル」なんだかどうなんだかは別にして、そこんとこをつついていこうとしている芝居なのだ。
だから役者はできるだけ素がいい。
「親しい人が死ぬ→その場で号泣」よりも「親しい人が死ぬ→なんだか笑っちゃう」方が字面だけ見たらうそ臭いからだ。
私たちの頭の中には「親しい人が死ぬ→その場で号泣」という図式が刷り込まれすぎている。
その刷り込みから逃れて、「親しい人が死ぬ→なんだか笑っちゃう」の方向に持っていこうとするためには、いかに芝居くさくないか、自然な流れで進むかが大事になってくる。
そう、今やっていることってもしかしたらすごく寓話的というか、うそ臭いことなのかもしれない。
それをいかにごまかしていくか。そういうことなのかもしれない。静かな演劇って。
いやいや、そんな大そうなことじゃないんですが。

通してみた。
体が痛くなった。
こりゃ、大変だ。

出番もないのに

2006年08月22日 00時44分53秒 | Weblog
今回の公演は出演者が17人もいるため、
当然自分が絡まないシーンがあったりする。
当然自分が絡まないシーンの徹底特訓日があったりする。
そういうときには前田さんは「出ない人は休みでいいです」と言うのだが、
本番まで10日を切っている!という事実のためか、役者同士の自主練という形で、出番もないのに時間になると皆ぞろぞろ集まってくることになる。
んで、ちゃんと練習するのかというと、だべったりでそうでもないのだが。
とてもいい雰囲気の中、練習できている。
練習終わりの飲みも行く店が定着して、今日なんかサービスのチーズ餅がすっとテーブルに登場したし、メンバーともうきゃうきゃできるようになったし。
んで、明日は通しらしい。
えー。完全版の台本もらったの金曜なんですけど。
通すらしい。
楽しみだね。

向田邦子「思い出トランプ」を読む。
絶妙な長さの短編集で、ちょうど稽古場へ向かう列車の中で一話読める。
直木賞を受賞した「花の名前」はもちろん、太田光が絶賛していた「かわうそ」もすばらしかった。「犬小屋」「大根の月」も面白かった。
大抵は夫婦の生臭い話で、結婚していない私には「そんなもんか」と思ってしまうようなことなのだが、ぐぐっと読ませる力というのがすごい。
ひと昔もふた昔も前の話だというのに、この生臭さは決して薄まらずに今も漂っている。

麩と湯葉

2006年08月21日 01時02分06秒 | Weblog
母が来た。
京都に来た。
職員旅行で来た。
お昼をご馳走になる。
前から目をつけていた生麩の専門店「半兵衛麩」に行く。
麩と湯葉を、これ以上別の調理法よう思いつきまへん、といった感じでさまざまにアレンジ調理されたのが次々出てくる。
みんなやさしい味で、とてもおいしい。
やっぱり味噌をぬたくった生麩田楽がおいしかった。
母に、「ありきたりな京懐石よりは楽しめた」とずいぶん上からものを言われた。
ははぁ、ありがたき幸せ。

しきりに今回の芝居のことを聞いてくるのだが、
どうも何か勘違いしているらしい。
「レッスン料はいくらなんだ」とか、
「(駅に貼られていた宝塚のポスターを見て)あんたたちのはこの横に貼らないのか」とか、
「演出家の人に、娘がお世話になってますと何か送らなくていいのか」とか言っていた。
いやいや、私劇団四季に入ったわけじゃないから。
たぶん、私はこの母にはなかなかわかってもらえないところで勝負していこうとしているんだな。まあ、わかってはいたんだが。
ちらと「公演見に来ようかな」と言っていたが、どうなることやら。

んで、稽古。
思った以上に汗だくになることが判明。
今度から稽古着を持参しよう。
あと、腹を出さないようにして死のう。
あと、目を閉じて死のう。
あと、無理な体勢で死ぬのはやめよう。
死ぬのにも苦労する。

ぜんぜん下らんことなのだが、メンバーの鈴木さんが私のことを自身のブログに書いたみたいなので、引っ張っておく
無断です。鈴木さんすいません。