世の中の二乗>75の二乗

話せば長くなる話をする。知っても特にならない話をする。

詩のような

2011年07月31日 11時05分12秒 | Weblog
3歳はよくしゃべる。
が、あんまり会話にならないし、単語もよくごっちゃになる。
だからたまに意味不明な一文をぽんとつぶやくことがあって、
今日のつぶやきはなかなか秀逸だったのでメモる。
「絨毯に叱られてるんだよ」
本人は一心不乱に電車のブロックを手で進ませているんだけど、
口からはこんな抽象的な詩が飛び出す。
結局は本人にそんなこと言ってやろうという意志はなく、
すべてこっちの聞き取り方次第なのだが。
他に、
「三角の咳がでるんだよ」など。
詩は驚き。
ほうほうと感心する。

ときんときん

2011年07月29日 21時23分29秒 | Weblog
ずっと前の犬飼君の日記を読んでいて
トキントキンという言葉を使っているのに出くわす。
おお、愛知の言葉。
しかも私の好きな。
「鋭い」とか「尖った」いうニュアンスの方言オノマトペだと思う。
例。ときんときんに鉛筆を削る。
この方言を私はなんとか平成生まれの東京の子たちに定着させたくて、
職場でことあるごとに使っているのだけど、
でも実際は使い道ってそんなにないよね、ときんときん。
今日ようやく使えたときんときんは「あらー、爪がこんなに長くてときんときんになってるよ。」
今は無意識に聞き流していても、
いつかこの子たちがそれこそ大学とかで「そうだ、ときんときんなやつで氷割ろうよ」とか言って使ってたらおもしろい。
で、「お前、なんだよその、ときんときんって」って仲間に言われちゃうの。
私はときんときんと書くが、犬飼君はトキントキンと書く。

忌憚のない

2011年07月27日 20時59分49秒 | Weblog
子どもを産むので休職したスタッフが子どもを連れて遊びに来た。
子どもは見慣れているが、2ヶ月はさすがにちっこい。
「自分の子どもはやっぱ違いますか?」と聞いたら
「自分が産んだから、この子は贔屓していいんだと思ったよ」と言っていた。
2ヶ月は、赤黒く、薄目でこちらを見ている。

肥田さんから台本途中まで届く。
大幅な書き換え。
荒い息をしていきんでいる身重の妻をなすすべなく見ている気分。


鶏頭

2011年07月24日 19時00分23秒 | Weblog
今度の甘もの会のチラシに使う絵を書く。
最初に目に付くだろうバーンとした絵。
なかなかいいんじゃないおほほ。

鶏頭という花は夏が盛りで、
いっつも気持ち悪いなあと思って見るんだけど、
手ざわりは絨毯みたいで好き。
あともうちょこちょこ別の絵を書いてつけてチラシにする。
まあ、いつものように。



いちばんすき

2011年07月22日 09時31分39秒 | Weblog
3歳の女の子に後ろから抱きつかれたので、
そのまままわされた腕を持ってゆらゆら上半身をゆすっていたら、
「うふふ、ふかみ先生がいちばんすき」と言われる。
相手を好きということで自分を好きになってもらいたいと思っているような子であるので、
そんなこと言わなくてもちゃんと好きだから安心していいのに、
と思ったけど何も言わないでゆらゆらしていた。
だからわたしのこともいちばんすきと言って、という「いちばんすき」に
まだちゃんと「いちばんすき」と返してあげられない自分のおとなげなさ。

職場でもうすぐ夏祭り。
イベントごとにスタッフ間のピリピリがマックス状態。
語気を荒げたやりとりがそこかしこで聞こえる。
が、如何せんその内容が
「こないだはクマをそこに置くって言ってたじゃないですか」
「もう、ムササビはできたの?まだなの?」
「キャンプだホイのCDは、準備できた?」
「そこにはうきうきイルカ釣りがくるから無理」
など、要所要所にかわいい単語が来るので怖いけどちょっとおもしろい。


べとべとさんも泣く

2011年07月17日 23時27分40秒 | Weblog
わかっていたことだが、普段履きなれないヒールのサンダルを履いて、
案の定足が痛くなって、このまま歩いていけなくなって、
ええいと脱いで、夜道を裸足で帰る。
この辺は繁華街から離れているし、
なにしろこの辺は犬を散歩させるときでもペットボトルに水を入れておいて
犬のおしっこの後をきれいに洗い流すほどモラルある人たちの住んでいるところなので、
まあ大丈夫だろう。
私の足の裏、硬いし。
ぺたしぺたしと歩いていると、一番白線の上が歩きやすいことに気づく。
つるつるしているから。
でも横断歩道くらいしか歩行者が上をいける白線はない。
アスファルトはきめが細かいとこのが痛くない。
レンガ敷きは思った以上にざらざら。
たまに小石を踏んで痛いつぼを押されてしまう。
夜で道の温度が下がっているのか、足の裏で若干の冷たさを感じる。
足裏に感覚があることをわかりながら歩くのは、
犬とか馬になったみたいでおもしろかった。
が、ある一角、JAXAのまわりの道路はまるで細かくて鋭利な突起がいくつも出ているようで、一足ごとに激痛が走る。
うわあ、イタイイタイ。JAXAの前はイタイ。
たまらずサンダルを履いて、こっちの痛みの方がなんぼかマシだと思う。
当たり前だが、もう道路はぺたしぺたしと歩くようにはできていないのだなあと思う。
これではべとべとさんもおいそれとは出てこれないだろうなあと思った。

誰もいない商店街と向こうの闇

2011年07月17日 15時36分56秒 | Weblog
勉強の日々。
お金がない。
ご飯ばかりを炊いては食べる日々。
しょうもな。
おばあちゃんの梅干しが救い。
夏なので味噌汁に生姜をすって入れている。

ガッツが出てる芝居を見に行く。
みんな楽しそうにやっていた。
楽しそうなのはいい。
やってる人も見てる人もガッツの大学の同期が多いらしく、
そのくらいの人はみんなそろそろ結婚や子どもを宿している人が多いらしく、
話の内容も、話を作ってる人の一人も、見に来てる人の何人かも
妊娠や出産や育児のことを言っていた。
そうか、やはり人は当たり前に結婚して子どもを産むことよ、と思った。

こないだテレビでやってた「海がきこえる」を初めて見た。
高知に4年いたので、
飲み会が解散した後の、誰もいないのに煌々とあかりがともっている商店街を歩いていて、出口の向こうに黒々と闇が待ち構えている絵を見て、
おお、これだ、と思った。
本当にあんな感じなのだ。
映画の中で話されている高知弁よりも、ライトアップされた高知城よりも、モデルになった高校の建物よりも、
一番、これだ、と思った。

NHKで1979年の「阿修羅のごとく」がやっていた。
やっぱり抜群におもしろい。
役者が表情を作りすぎないとこがいい。
若い風吹ジュンのメランコリックな表情がいいなあと思う。
お母さんのくわっとした顔が怖い。
すごいすごいと思って見てしまう。
2話と3話は今日の深夜と明日の深夜だって。
見なくちゃ。

宮部さんが来る

2011年07月10日 20時44分48秒 | Weblog
宮部さんが泊まりにきた。
以下、宮部情報。
宮部さんは軽くはねるように歩く。
宮部さんはしきりに目的地までの到達時間を気にする。(疲れていたのか?)
宮部さんはしなびたとうもろこしを持ってくる。
宮部さんは梅干しを種までしゃぶる。
宮部さんは「未来ちゃん」が好き。
宮部さんは川上弘美が嫌い。(天然を演じてるようで)
宮部さんはいつもと違う洗顔料や化粧水を使ってもへっちゃら。
宮部さんはテレビをあまり見ない。
宮部さんは体重計に2回のる。
宮部さんは髪を乾かさない。
宮部さんはたくさん寝る。
宮部さんは朝食後もう一度寝る。
宮部さんはかわいいなあ。

サンプル「ゲヘナにて」を見に行く。
地獄まで奥さんに会いにきた男の人が古事記に出てくる神様みたいだと思った。
ときどき途中で話が中断されて客電がつくのが、
余震が頻発する中で芝居をやってて、
それで途中で区切るけど揺れがおさまったらまた続けている、みたいな感じがした。
それは、そういう感じがしただけだけど。
俳優のミスっぽくするとことか好き。
みゆみゆ、あいつは開場時間に起きたらしいので来なかった。

宮部さんとまやさんと犬飼君でハルピンに行く。
前から正体を突き止めたかったここの餃子や小龍包に入っている調味料が
八角であることをまやさんに教えてもらう。
おお、開眼。
うまいうまい。
犬飼君が情に流されて新聞をとることになった話など聞く。

いつも通り過ぎる公園に初めて入る。
まやさんと犬飼君が「いい」と言ったから。
遊具の小さい象に乗ったら「重そうだ」「大きすぎる」「かわいそうだ」「似合わない」と散々な言われ方をした。
じゃあ、犬飼君なら似合うのか。

暑いが、夕暮れ時は気持ちが良かった。

レジもらう

2011年07月05日 20時27分51秒 | Weblog
商店街を歩いていたら、
雑貨屋と食堂がくっついたお店の前に「どうぞお持ちください」と
張り紙がしてあるレジを見つける。
ほしい。
ただなのでほしいのもあるが、
レジを打つというのはやったことある人にはどうってことないがやったことない人には一度はやってみたいことではないだろうか。
そして私は今までの人生でレジを打ったことは一度もない。
やりたい。
レジを打ちたい。
これ、ほしい。
ということで、
店の奥にずずっと入って「おもてにあるレジがほしいんですが」と言った。
そしたら店のお兄さんが「いいよー」と軽く笑うので、もらってきた。
まるのままのレジと共に電車に乗った。
まるのままのレジと共にバスに乗った。
そこからレジを横抱きにして歩いて帰った。
発見。
レジは重い。
そして我が家にレジがきた。

ようこそ、カシオTE-M80電子レジスター。
目下、レシートの紙がないのでこいつは動かない。
紙は今週中にきっと買う。

フランス語しゃべる宇宙人

2011年07月03日 22時16分05秒 | Weblog
ルネ・ラルーという人のアニメを見た。
「時の支配者」と「ファンタスティックプラネット」の2本。
どっちもすげえおもしろかった。
これはちょっと知らないと損をしますぜというような作品。
最初、「時の支配者」見て、
その、一見穏やかなんだけど妙な不安がずっと続く感じに緊張をしながら見続けた。
物語を見ていて次の手がよめない、というのはすごく不安だ。
これが「子供向け」というのが、まあ最終的には大丈夫になるんでしょ、という安心感を発生させるが、
見ているだに、あれもしかして悲しいラストが待ってるんじゃないか、という不安をよぶ。
その不安をうむ原因は登場人物たちの無表情さのせいかもしれないし、
たった一つの命綱でさえ気分ひとつで手放してしまうかもしれない子どもの(大人から見た)怖さのせいかもしれない。
見終わると、なにが良かったことでなにが悲しかったことなのかを考えて頭がくるくるする。
しばらく反芻することになりそうな映画。
私はドラえもんやクレヨンしんちゃんの映画を見て育ったけれど、
それで、大人になってこの映画を見て、今まで見てきた子供向けとは違うなあと思ったのだけど、
これを子供の頃に見たら、それはそれでドラえもんとかと同列にして記憶するんだろうなあ。
ポール・グリモーの「王と鳥」を見たときのような気分。
良作と思う。

「ファンタスティックプラネット」。
これもすごい映画だ。
まず最初からすごい。
赤ちゃん抱えて逃げる女の人。逃げる逃げる。
そこにあらわれる青い大きな手。
女の人をピンとはじいて行く手を阻む。
なんだこりゃ。
最初、この大きな手は「作者の手」なのかと思った。
アニメでたまに出てくる、登場人物の服とか背景とか書き換えていっちゃう「作者の手」。
そしたらそれは青い大きな半魚人みたいな宇宙人の手だった。
人間はその星で、その宇宙人の愛玩動物になっている。
「家畜人ヤプー」とか「進撃の巨人」の世界がよぎる。
これもすごいおもしろい。
ぺープサートみたいな動きもおもしろい。
"Fantastic Planet" (La Planete Sauvage) Trailer subbed in JP