世の中の二乗>75の二乗

話せば長くなる話をする。知っても特にならない話をする。

こうだ!

2009年09月03日 18時30分01秒 | Weblog
文藝別冊の武田百合子特集を読んでいる。
単行本未収録の文章が載っていてうれしくなる。
結婚前に書いた詩も載っている。
吉行淳之介との対談も載っている。
寡作の文章家なので、こういうのにいちいちはっとする。
なかでも、これまでみたことない写真がたくさん掲載されているのに驚く。
写真をみると武田百合子とはこうだ!と断定された気分になる。
あれこれ思い浮かべていたのは全部嘘だ。正解はこうだ!と突きつけられた感じ。
顔をぴしゃんと叩かれたよう。
いままで思い描いていた武田百合子は本来の武田百合子ではなくて、
私が勝手につくりだした武田百合子だったんだと思いなおす。
けっこう気に入っていたんだけど、写真は威力が強いからもうもとには戻らない。
写真の武田百合子は目と口がくるくる早く動きそうだ。
眉はきゅっきゅと上下をスライドしそう。
鼻は中心にぽんとのっている。
なによりほっぺたがすてき。
愛される顔だ。見たらいい。愛してしまうから。

激しい恋

2009年09月03日 01時25分54秒 | Weblog
今日の夢。
ある男女混同のグループがあって、私はその中のリーダー格に恋をしている。
みんなで離島に遊びに行き、海で泳ぐ。
そのうち、リーダー格が洞窟を見つけたといい、入ってくるわという。
その洞窟は中が全て海水に浸っており、狭くて深い。
しかし奥に進むと光の加減であたり一面真っ青に光る部分があるという。
その光をみたい、というのだ。
リーダー格は昔、真っ青な光に包まれたタクシーを目撃したことがあり、
そのタクシーはその後姿を消したことを記憶している。
真っ青な光にはいるとこの世界から消滅して、どこか別のところへ行くらしい。
みんなは危険だからやめとけとなだめる。
リーダー格はごく軽い口調で「大丈夫大丈夫」と笑ってどぼん、と潜っていってしまう。
そして案の定、彼はどれだけ経っても浮かび上がってこない。
グループの男の子達が中に潜って探してみるが、あるところから急に狭くなっていてそれ以上進めないという。
帰りの海は大荒れで、船の上でみんなげえげえ吐いた。
波が高く、海は泥水の色をしている。
そこから場面が切り替わって、こんどは大きな河に浸かっている。
腰まで水位のある茶色い色をした河で、
警察なども出動し、みんなで何かを探している。
どうやらその河は失せものが最後に流れつく河らしく、
いなくなったリーダー格をその河で捜索しているのだ。
警察が長い棒で川底をつつき、遺留品を探す。
私たちは途方にくれてあっちを見、こっちを見してうろうろしている。
あ、といって警察官の一人が腕時計を引き上げる。
しかし誰もその時計に見覚えはない。
そのとき、向こうの方でごぶりと音がし、タクシーが浮かび上がる。
青い光に包まれて消えたあのタクシーだ、とわかる。緑色だった。
タクシーはどんどん流されていく。
みんなはタクシーを必死で追いかける。水の中でなかなか進めない。
遠く遠くタクシーは流されていく。それでもみんな追いかけ続ける。
そこでまた場面が切り替わり、今度は塩田。
見渡す限りの白。空は真っ青。その境目にタクシーが小さく見える。
みんなはタクシーを追いかけ、走り出す。
すると、タクシーがリーダー格の姿に変わって見える。
小さく小さく塩田を歩いている。
みんな、あれは蜃気楼で実際に行っても彼がいないことはわかっている。
わかっているが、走る。
ぜえぜえ言いながら、走る。涙がだばだば流れる。
走っていると、だんだん近づいていく。
あ、本物だと気づく。
あそこにいるのは本物の彼だ。
涙がばっとでて、鼻水もびっとたれる。
そしてとうとう、彼の許にみんながたどり着く。
彼は相変わらずのにこやかさで、息切れしているメンバーを見ている。
私はうれしくてうれしくて、でも涙と鼻水だらけの顔が恥ずかしくて一生懸命ぬぐっている。