世の中の二乗>75の二乗

話せば長くなる話をする。知っても特にならない話をする。

読書談義

2009年09月04日 23時30分01秒 | Weblog
なに読んでるんですか。渋いですね。なんの人ですか。作家?へえ。もう一回名前言ってください。へえ、知らないや。おもしろいんですか。え、小説じゃないの。エッセイ?へえ。私、小説以外は読まないですよ。んー、三浦綾子。「氷点」って聞いたことないですか。あれ書いてる人です。なんか、どろどろしてるの。好きなんですよ。へえ。本好きなんですか。なんか、私、話題になる本とかって大抵読むんですけど、「東京タワー」とか「蹴りたい背中」とか、なんかいつもうーんって感じで。おすすめの本とかないですか。村上春樹?むらかみ、って、えーっと、「ノルウェイの森」書いてるのは、むらかみ?ですよね!えー、あれエロかったあ。もう一人は?いませんでした?もう一人。ああ、村上龍!ってどんなの書いてましたっけ。「限りなく透明に近いブルー」!そうだ。読んだことある。同じ系統ですよね。あ、私、どっちも苦手かも。へえ。そっかあ。町田康?知らないや。なに書いてます?私、題名聞かないとわかんないんですよ。「告白」?え、ちょっと待って、それ、どの「告白」ですか。え、え。それってどんな筋ですか。あ、それ家にあるかも!そんな筋だった!でも途中で読んでやめちゃった。え。トーベ・ヤンソン?ああ、ムーミン。えー、つまんなそう。へえ。へえ。何がおもしろいんですか。へえ。ああ、本読みたいなあ。

昼休み、武田百合子の特集を読んでいたらスタッフの一人に話しかけられる。
上記のような受け答えをされる。
私は圧倒されてしまったが、
こういうタイプの人は嫌いではない。