朝起きると三線の音色がする。
ご近所の誰かが朝っぱらから練習しているらしい。
しかし三線なんてマイナーな楽器を。渋い選択だ。
たん たたたん たん、とつたないながらも琉球の風が愛知の辺境に吹いている。
一階に降りて母に「誰が三線弾いてるんだろうね」と言おうとしてやめた。
音は明らかに父の部屋から聞こえてくる。
磨りガラスの向こうで、たん たたたん たんと鳴らしている。
父の弾く音はとてもつたなく、近くで聞くとさらに下手っぴだった。
明らかに三線を始めたばかりの音、弦さばき。
いろいろな何故?が頭をよぎる。
母が「ここのとこ毎日コレだよ」と言った。
運転免許の更新に行った。
私は普段車に乗らないので当然事故も違反もなく、今回晴れてゴールドドライバーとなった。
ゴールドの優良運転者は更新講習が30分でよい。
15分「シートベルトを着用しなかったために即死した二人」などの恐ろしい映像を次々見せられて、
あとの15分は改訂された交通法の説明。
楽勝。
大須に行く。
ここは東京でいうと浅草と秋葉原と下北沢を足したような街で、
観音様がいる横で電気部品やら古着やらがひしめいている。
さらに中古買い取り販売の専門店が館を5店舗くらいどどーんと打ち建てており、
あらゆる層の人間が集まってくる。
無数にある屋台のB級グルメが客を集めているし、古い着物を売る店が観光の外国人も呼び寄せる。
えらい人だった。
えらい数の人だったが、服装が皆さん判で押したよう。
その服装趣味が全然合わないので、やっぱり愛知には住めないと思った。