世の中の二乗>75の二乗

話せば長くなる話をする。知っても特にならない話をする。

赤い花と黄色い花

2012年07月29日 10時52分18秒 | Weblog
インタビューをしてもらう。
夏の午前10時は暑い。
電車から降りたばかりなのにもうじんわり汗をかいて肥田さんと合流。
京都から来ている肥田さんは6時に出たとか。
公演以来なので久しぶり、という感じでもないが、
年に1、2回会えるか会えないかぐらいなのでやはりうれしい。
肥田さんは探検隊みたいな帽子をかぶっていた。
教えられた道を行く。
直射日光というより、やはり熱気がすごい、東京は。
湯気の中を歩いているよう。
日頃は建物の中で冷房にあたって仕事しているので
夏の昼間のこの暑さはくへえと思う。
思うが、嫌いではない。
教えられた通りに進むが、見つからない。
どうやら行き過ぎたようだが、どこまで戻ればいいのかわからない。
電話して聞いて戻る。
肥田さんが「いいねあの家」と言った民家を見ながら戻る。
さつきとメイの家みたい。
そういえば、あの家のモデルは阿佐ヶ谷にあるらしいですよ、などと話していると見つけた。
やはり素通りしていた。
なぜ気づかないんだと言わんばかりに阿部サダヲがこっちを見ているポスターがでかでかと貼られていた。
おじゃましますと入っていって、どうぞどうぞとすすめられるままに座り、冷たいお茶が出てきて、いただきますといって飲んだ。
「まずは雑談で」みたいなこと言われて、肥田さんの経歴とか聞いてた。
ミュージシャンなんですか、と聞かれていて案の定、とほくそ笑む。
そのときに肥田という苗字が初見では読みにくいことを知る。ルビがいるな。
テープが回って聞かれたり、しゃべったり。
私の手柄は何もなくてすべて役者と脚本と場所のおかげだったと思うことを話した。
印象的だったのは、
座付きの脚本家が別の場所にいて(「地方」と言っていた)、稽古や公演は演出家に任せて運営している演劇団体というモデルケースとしておもしろいと言われたこと。
そうか。
やはりおもしろいと言われるものの最初は、
「そうせざるを得ない」ケースによって突然変異的に現れるものなんだな。
全くもって計算ではないからな。
肥田さんの脚本について物語構造がどうのこうのと話したら
肥田さんがこっちを向いてにやにやしていていたので
くっだらないこと話しちまったなと思った。
「甘もの会とはと、説明するとしたら」と言われて
甘もの会の名前の由来みたいなのを話したら
「小料理屋みたいですね」と言われる。
ああ、そうかも、そういうのやりたいのかもと思う。
肥田さんは相変わらずにやにやして聞いていたのでもう何か三者面談の生徒気分だった。
最後に「今後の展望は?」と聞かれて
肥田さんは俗世から寸断されたところに住む仙人のようなことを言っていた。
私はやはり、こじんまりした小料理屋の女将みたいなことを言ったように思う。
ありがとうございました、お邪魔しましたと言って猛暑の中へ出る。
歩きながら壁など見つけて写真を撮ってもらう。
民家の庭先に赤い花が咲いていて、「なんて名前なんでしょうね」と言いながら撮ってもらう。
駅前のひまわりの群生の前で、「ひまわりがみんな太陽の方向を向くなんて嘘ですね」と言いながら撮ってもらう。
そんでおいしくて安い料理屋を「お昼食べていかれるんでしたら、」と教えてもらって、分かれる。
肥田さんと入ってイナダをトマトとバターでアレしたのを食べた。
おいしかった。
次回作について少し聞く。
DVDを借りる約束をする。
前史のこととか、すっごい未来のこととかになると楽しいなど。
実現するかはわからないけど。
時間があまりない肥田さんはこれからすぐ帰って仕事だそうだ。
過酷な一日。ごくろうさまでした。
楽しかった。
どんな記事の感じになるかはまだわかりません。