世の中の二乗>75の二乗

話せば長くなる話をする。知っても特にならない話をする。

三悪人

2009年09月20日 12時01分11秒 | Weblog



帰省する。
私の実家のある所は有名な戦国武将が三人生まれたところで、
お祭りもその三人にあやかったものがいくつかある。
駅に降り立ち、目に飛び込んできたポスターがすごかった。
見たところ、信長、秀吉、家康なんだろうけど。
なんだこの悪人顔。
三悪人が民衆の頂点に君臨し、がははと笑いながら酒をすすっている。
悪政の極みじゃないか。
これを見て風情のある祭ねとか歴史的に意味のある祭なのねとか誰か思うだろうか。
誰も思わないだろうし、実際違うのだが、凄みは伝わる。
しかし、三人の顔がいまいち小悪党然としているのが不満。

見聞きした諸々

2009年09月18日 20時51分50秒 | Weblog
昼の公園。
カラスがくちばしを研いでいる。
とまっている木の幹に顔を横にかしげてこすりつけている。
それをニ、三回やるとくるっと反対側をむき、また研ぎ続ける。
猫が顔を洗っているような滑稽さ。

地面すれすれを羽ばたいている黄蝶二匹。
道路に落ちている落ち葉と同じ色をしているのだけど、
始終はたはた動いているので気がついた。
なにか落し物を慌てて探しているように見える。

うどん屋。
会話の内容から映画の専門学校の生徒らしい女二人。
一人はおにぎりを箸でひらきながら食べている。
つぶれた梅と米、水分を吸った海苔がどんどん解剖されていくよう。
「ここが心臓です」と慎重に箸でつまんで口に運んでいるみたい。
会話の内容は、止まった車の上部だけをカメラでかすったように撮るとあたかも走っている車を撮ったように見える。しかし音はあとから足す必要がある。映像ではオーバーな演技の方がそれらしく見える。小さい演技だと桃井かおりクラスじゃない限りそれこそなにがなんだかわからなくなる。以上。

よし子の友達

2009年09月17日 18時01分50秒 | Weblog
「ジャーマン+雨」を見た。
「ウルトラミラクルラブストーリー」の監督。
主人公よし子の人となりがよかった。
宮部さんに似ていた。
粗野な言葉遣いとかぶっきらぼうなとことか縦笛吹いてるとことか変な服のセンスとか繊細なとことかかわいいとことか。
そんなよし子の友達がすごく変でおもしろかった。
たぶんよし子がすごく変で、その友達がまともなんだけど、
でも本当にまともならよし子とは友達になっていないので、
やっぱりその友達も変なのだ。
前にYOUが樹木希林との対談で「内田裕也がおかしいんだと思ってたけど、頭がおかしいのはあなただったんだとわかった」と言っていたのを思い出した。
まともなよし子の友達のが理解できなくて怖い。
でも二人はとてもいい友達だった。

名作をもう一度

2009年09月16日 19時13分20秒 | Weblog
というコンセプトで決めたわけではないのだけど、
過去に見た映画をもう一度見た。

「真夜中の弥次さん喜多さん」。
スクリーンで見たのが大学の頃。
その頃、私は非常にしりあがり寿づいており、
映画を見る前から原作の「真夜中の弥次さん喜多さん」はもとより、
「弥次喜多inDEEP」や「真夜中のヒゲの弥次さん喜多さん」、末は「真夜中の水戸黄門」というものまで読んでいた。
ぶったまげた。
ビル解体の丸い大きな鉄の球でばーんとやられた感じ。
衝撃と粉砕骨折。あとあとまで残る恐怖。
ギャグ漫画のはずなのにどんどん笑えなくなっていくのがおもしろくて仕方なかった。
リアルとか虚構とかギャグとか狂気とかが混在している世界が好きだった。
そういう思い入れのある漫画の映画化だった。
そういうのどうやって映像化してみせるんだいおたくら。
という気概で見たと思う。
そしたら、100%のコメディーになっていて、
それはそれですごくおもしろかったので、
漫画のダークサイドを排除していてもなお十分いい作品でした、という感想に行き着いた。
と、ここまでが初見の感想。
今回は少し違う。
おもしろかった。
ここは同じ。
「ひげのおいらん」なんて忘れててその登場と共に大爆笑した。
ただ、これはラブストーリーなんだなあと強く思った。
初見ではここまでとは感じなかった。
そうかこの映画は二人の愛の話をしていたのか。
そうかそうか。
だから漫画を読んでいない松島さんがブルーな気分になったんだね。
それはこの映画が二人の愛をめぐる嫉妬や疑いや裏切りが渦まくストーリーだったからだね。
漫画は二人の愛というよりは、リアルと虚構とか生と死とか宗教と社会とかそっちの方へいっていた。
全然違う話をしていたんだ。
それがわかった。

新しい古い知識

2009年09月14日 22時39分56秒 | Weblog
最近、一日の大半がさわやかな風に包まれていて
ついに秋の本格化を感じてしまう。
ついでに空もどこまでも青く澄み渡り、
それに対してなんて自分は汚い生活を送っているのかと
ついつい比較してしまうので勘弁してほしい。
しかしそうやって自分を嫌いになリ続けるのもまた気持ちのいいものじゃないので
YouTubeを見てごまかしたり、
YouTubeを見ながら芸能人の絵を描いてごまかしたり、
YouTubeを見て描いた絵を見て「似てねえ」と笑ってごまかしたりしている。
そんなわけでYouTubeで得た、世間にとっては周知の事実でも私には最近知った新しい知識。
①マツコデラックスは男。
②野性爆弾はとてもおもしろい。

一晩で百円玉を産む女と結婚した男は幸せになれるか

2009年09月13日 08時58分21秒 | Weblog
妻は毎朝、百円玉を出産する。
正真正銘の百円玉。
自動販売機でも使える。
一日一枚。
一ヶ月で3千円。
一年で3万6千5百円。
十年で36万5千円。
当てにできるような額ではない。
せめて500円玉を産む女ならと思うだろうか。
それとも生活するうちに忘れてしまうだろうか。
今朝目が覚めると、まったく見に覚えのない百円玉を握りしめていたのでこんなことを考えた。

書き忘れ

2009年09月12日 14時39分27秒 | Weblog
「ウルトラミラクルラブストーリー」の中で。
電話番号を書くからと言われて町子先生が陽人にメモ用紙とペンを渡す。
しかし二人は外にいて、下敷きになるような平らな物が見あたらない。
陽人はしばらくあたりを探して町子先生の自転車のサドルの上で書くことにする。
書いてるうちに自転車の重心がずれてぐるぐる回りだす。
陽人は自転車の動きに合わせてぐるぐる回りながら電話番号を書いている。

本屋で。
夏みかん酢つぱしいまさら純潔など
鈴木しづ子。

職場で。
3歳児と積み木をする。
「お城を作る」というので大小さまざまな形を上に積んでいく。
お城が完成すると「道を作る」といってお城へ向かう一直線の道路を作る。
「人がいない」というので、積み木を二つ重ねてヒトを作る。
「赤ちゃんがいない」というので、ヒトから一つ取っ払って赤ちゃんにする。
「王子様は?」というので王子様を作り、「お姫様」というのでお姫様を作ったら、
急に「お姫様の隣にいるのがわるものだ!」と芝居がはじまった。
わるものはどんどん巨大化し、「大きいわるもの」へ成長。
そこへプリキュアのピーチとベリーとパインとパッションが登場。
颯爽とやっつけるのかと思いきや、いったん隠れて作戦を立てるという。
4人のプリキュアは城のかげに身を隠し相談する。
「私が出て行って囮になるわ」「だめよあなたにそんな危険なことさせられないわ」「じゃあみんなでせいので出て行ってやっつけましょ」「そうねそれがいいわ」
作戦通り、せいのっと出て行く。
すると、どこからともなくアンパンマンとカレーパンマンとメロンパンナが飛んできて一気にわるものをなぎ倒した。
大きいわるものは粉砕。
ついでにお城も粉砕。
ヒトも赤ちゃんも粉砕。
3歳児ばかりがげらげら笑っていっこうにやめようとしない。
地獄絵図のようだった。

幸せになって眠る

2009年09月12日 00時04分28秒 | Weblog
咳がでる。
涼しくなったせいと、薄着で寝たせい。

プールで歩く。
横で団体さんが水中エアロビクスをしている。
生徒は20人くらい。
だいたいがおばちゃん~おばあちゃんくらいの年齢。
陸上で踊る講師の動きにあわせて水中でもちゃもちゃと動いている。

レイトショーの「ウルトラミラクルラブストーリー」を見に行く。
とてもおもしろかった。
青森の田舎町に松山ケンイチの演じる男の人がいる風景は
「鎌鼬」に写っている土方巽のようだった。
変なものが日常に紛れているのに、それが様になっている感じ。
内容は湿っぽくなくて大変よい。

笑笑でおそい晩ご飯。
生春巻きを頼む。
タレが選べるので「焙煎胡麻」と言ったら、店員が「かいせんごまですね」と答える。
待っている間、隣の席の女の人が生春巻きから丁寧にささみだけ抜き取っているのを見る。不安になる。
私の生春巻きをたべる。
抜いて正解だ。まるでツナのようなささみ。
でもそのままたべる。

帰り。
ペットボトルのお水をぐびっと飲んだ拍子に空を仰ぐ。
夜11時過ぎというのに妙に明るい。
羊雲みたいな雲がうすい青紫。
その間から見える宇宙が紺。
ふいっと気持ちよくなる。
今日はなかなか良い日だった。

真相

2009年09月09日 21時14分49秒 | Weblog
小学校の頃、「じんるいのしんか」という解説図には、
4本足の猿からスーツを着た男の人になるまでの過程が絵にしてあった。
猿と男の人の間には、
2本足で素っ裸で毛むくじゃらのやつや、
動物の皮を着て石器を持ってるやつなどがいた。
私が感心したのは、スーツを着た男の人のまだ先の人類も描かれていたからだ。
未来人の予想図は、ウィダーインゼリーを飲む宇宙人そっくりだった。
頭が大きく、それとアンバランスなひょろひょろの肢体。
目が異様にでかくて、鼻と口はちょんとあるだけ。
はっきり言って嘘だと思った。
人類がこんな進化をするはずがない。今の私たちと違いすぎる。気持ち悪いし。
しかし、今日ちょっと信じる気になった。
一時あずかりの保育で、予想図と酷似した幼児を見たからだ。
今、人類の中で一番進化していると言えるのは生まれたばかりの乳幼児だ。
つまり、進化の兆候として宇宙人顔があらわれたということではないか。
実際見てみると、
鼻は低く上を向いていて、口は薄く小さい。
目がめちゃくちゃ大きくて、まつげなんてマスカラをつけたみたい。
目と他の部分のバランスが見慣れないため、現代人は違和感を覚える。
しかし、ここ50年でも日本人の顔はずいぶん変わっている。
未来人にはサイコーにキュートに見えるのかもしれない。

歩行

2009年09月07日 20時24分39秒 | Weblog
自転車がなくなった。
なので歩いて帰る。
朝は涼しいが、日中はまだまだ暑い。
汗をじんわり出しながら歩く。
久しぶりに長いこと歩いたので、
ほっほっほっと調子が出る。
音楽を聴きながらなので、
あまり苦にならない。
というか、変な気が起こらない。
体を動かすことも、
音楽を聴くことも、
私の思考を停止させるらしい。
集中というのは違う。
集中はもっと順序だてて考えてる状態。
身体は運動と音楽でどんどんさわやかになっていく。
しかし、頭はどんどん白痴になっている感じ。
邪気すらおきないので平和にはいいかもしれない。

歩いている最中、風船かずらを見つける。
私はこれが好きだ。
見つけるとぽふぽふつぶす。