不整脈で受診された患者さんですが、動悸があるときには
脈拍は160以上になり症状も強かったため、発作性上室性頻拍と
目星をつけました。
ただし、カテーテルアブレーションなどの根治的な治療を行うためには
発作時の心電図を確認して診断を確定する必要があります。
しょっちゅう起こる不整脈だと、ホルター心電図(24時間心電図)で
検出することが可能です。
数ヶ月に1度くらいのたまにしか起こらない不整脈だと、たまたま
発作の心電図を記録するか、ホルター心電図を何度か繰り返して
不整脈の心電図を記録するしかありません。
実際にはなかなか不整脈の心電図が記録できずに、症状があるものの
診断の確定には数年かかることもありました、
今回の患者さんがお若くて、iPhone をお使いだったので、
診断のためにApple watch をお勧めしました。
3ヶ月ほど経って、ついに強い動悸が起きて、Apple watch で
記録できたと受診されました。
iPhone に記録された心電図を診察室の Mac に飛ばしてプリントアウトすると
脈拍180台の発作性上室性頻拍が捕らえられました。
これで診断が確定して、病院にカテーテルアブレーションのために
紹介させていただきました。
新しいテクノロジーが医療現場を変えますが、医療機械だけでなく、
Apple watch という日常使用の時計型デバイスが、不整脈の診断を
ドンドン変えていくのを目の前で実感しています。
次には、血糖の連続測定をスマホと連動させるデバイスも開発されて
いるので、糖尿病の治療も変わることは間違いないです