今は、日本のいろいろな職場で「働き方改革」が議論されています。
過重労働にならないようにというのですが…
この議論についてはいろいろな角度から見ると違う問題点がわかってきます。
「働き方改革」の対象は医療業界にも広がってきていますが、
医師の中でも「勤務医」であり、われわれ「開業医」は対象になりません。
病院のような大会社ではなく、開業医は中小企業であり、院長がひとりで
全てを処理しなければなりません。
だから長時間勤務が当たり前で、あたかも「コンビニ店長」が
長時間労働を強いられるのに似た構図でしょうか。
もっともクリニックは24時間開いているわけではありませんが、
事務処理などもひとりで行うので、個人的にな業務量は
大学病院時代よりも格段に増えて、夜も週末も仕事に追われています。
患者さんが多ければ昼休みも十分とれなかったり、
夜も遅くまで働いたり…
最近、日経メディカルに掲載された記事に
「開業医は長生きできない? 死亡時年齢は70.8歳
60歳代の死亡が最多、背景に「過酷な労働」の指摘」
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201903/560315.html
とありました。
病院勤務を終えて、開業してゆっくり過ごすなどというのは
夢であったと思うこのごろです
クリニックは、患者さんの病気を診療するという役割と同時に
スタッフを雇い医療機器を購入し運営するという役目があります。
現在の医療経済状況は厳しくなり、病院だけでなくクリニックも
大変です。
中小企業であり、「働き方改革」をしたら、クリニックの運営も
ままなりません。
完全予約制にして患者数を制限してというやり方もあるでしょうが、
急いで診察を受けたいという患者さんも受けて入れてる診療スタイルを
とっているので、どうしても診療時間は長くなってしまいます。
医師とはいえ人間です。
われわれ開業医には「働き方改革」を自分で決めて自分で行うしか
ないのですが、中小企業ではなかなか難しいです