松岩寺伝道掲示板から 今月のことば(blog版)

ホームページ(shoganji.or.jp)では書ききれない「今月のことば」の背景です。一ヶ月にひとつの言葉を紹介します

浪を静めなければ

2011-02-28 | インポート

浪を静めなければ、川底の宝石は、見つからない。同じように、心を澄まさなければ、真実の自己は、見つからない。

ふと考えました。この欄に紹介することぱは小説や俳句和歌からの引用が多くて、仏教経典や禅の語録か少ないのではないか。そこで、今月は禅の書物からとりました。禅の書物といっても、いろいろあるけれど、坐禅の仕方、今の言葉でいえば坐禅のマニュアルで、『坐禪儀』といいます。同じ題名で道元禅師も書かれているけれど、中国は北宋の禅僧・慈覺大師宗賾(そうさく)の『坐禅儀』からの引用です。

原文は「珠を探るには宜しく浪を静むべし。水を動かせば取ること応に難かるべし。定水澄静なれば心珠自ずから現ずる」。原文にくらべて、現代語訳が舌足らずでリズムが悪いのは、訳した者の力不足が原因。私流現代訳なのでおゆるしを。

坐禅の効能を浪にたとえた比喩で、うまい方便だなー、と思う。

方便といえば、少し前にどなたかが不用意に口にして、新聞紙上やテレビ画面を踊っていたけれど、「悟りに近づく方法」といった意味が方便。まさしく、心を静めるのがさとりに近づく方法であることに違いないのだが、なんと難しいことか。

これを書きながらも、かかってきた電話が2本。直近で止まった救急車のサイレンに灯油の残量が少なくなったことを知らせてくれるストーブの電子音。心を鎮めるには、雑音が多すぎる日常です。だから、決心して特別の時間を作らなければ、心は鎮まらない。そこで、毎週日曜日朝6時から7時まで坐禅会やっています。

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