松岩寺伝道掲示板から 今月のことば(blog版)

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花びらは散っても花は散らない

2024-03-01 | インポート

花びらは散っても花は散らない

写真 千田完治

春にふさわい言葉を三月にかかげました。金子大栄(1881~1976)師の言葉らしい。「らしい」と書くのは、またまた孫引きだからです。引用のもとは、松原行樹講演録『心に一輪の花を』(伊勢崎市・玉村町佛教会編)です。
 松原という姓をみて、「ふふーん」と思った方もおられるはず。行樹君は松原哲明(1939~2010)師の四男です。ということは、仏教書としては空前のベストセラーになった『般若心経入門』(祥伝社)の著者、松原泰道(1907~2009)師のお孫さんです。
 令和5年10月26日に伊勢崎市文化会館で行われた講演を文章化したものです。行樹師の顔写真入りの講演録ですが、チラット見た時は、15年前に突然に亡くなった御父君哲明師の追悼録がまた出たの!と思わせるような、よく似ています。
 行樹師は現在、横浜市にある円覚寺派に属する寺の住職していて、昨年までは円覚寺派教学部長という重役に就任していました。そんな新進気鋭の禅僧のお話しの場所は、定員1500人のホール。お寺の本堂での法話よりも、大ホールでの講演が多かった、泰道師と哲明師の在りし日を思い出させます。まさしく、「花びらは散っても花は散らない」のです。
 A4版で30頁の冊子の中から一部分を引用します。行樹師は哲明師の四男と書きましたが、今は年上に2人のお兄さんしかいません。ご長男は生まれてすぐに亡くなっているのです。その五十回忌法要の時の話です。

「花びらは散っても花は散らない」。金子大栄先生のお言葉でございます。「散ってゆく花びらの中に、散らない、本当の仏の命をわかってくれよ」ということでありましょうか。 私がここにいるということはどういうことでしょうか。私だけではありません。皆さんお一人お一人がここにいらっしゃるということ。皆さん自身が生きているということはどういうことでしょうか。先祖代々の果てしなく長い歴史の中で、生まれては亡くなり、生まれては亡くなり、そうして花びらは散っていったけれども、この自分自身に流れている大きな命というものは、今ここに私達がこうして花を咲かせているんだということですね。何とも不思議なこのお花というのは自分が生まれてから一度も枯れたことがないんです。この花を私達は仏の命というのではないでしょうか。
 法要当日(注=長兄五十回忌)、横浜(注=帰路)までの道中で、そういうことにはっと気づいたときに、短い、二日と四時間、この命を一生懸命に生きて、この世を去って行った兄の、仏の命を正にいただいて生きているんだなということを実感致しましした。この仏の命というのはお釈迦様のお言葉にもございました。

 この部分だけでは消化不良。近いうちに、大ホールではなくて、松岩寺本堂でお話をしていただける機会を作れると良いのですが。春の夢に終わらないように!

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