伯母から贈り物が届いた。伯母は九州の某老人ホーム
の園長をしている。
母が送ったお歳暮のお返しである。
何やら韓国の方から頂いた、いわば滋養強壮に効く
薬であった。母は日頃から体調が安定せず、病院通い
をしていることを心配して、送ってくれたのである。
かなり効き目のある薬だと、お礼に電話した母に伯母はそう
言ったという。
早速母が飲んでみると、「何だかフラフラする」と言って
母はあまり具合良くは、なっていないと言った。
「使い方が悪いんじゃないの」と私。母はもう一度伯母に
電話して、使用方法を確認した。
すると、3日ぐらい続けて飲んで、しばらく様子を
みたらいい、という事で、母は3日続けて飲んだ。
これがとんでもない事になろうとは…。
母は一階に住んでいるのだが、なかなか上がって来ないので
様子を見に行ってみると、ベッドに横になっていた。
話しかけようとすると、ブルブル震えている。
「ど、どうしたの?」母は震えながら、「か、体が
足のほうからグルグル包帯を巻くようにしびれてくるんだよ」
いま、口から顔全体に来ていると言う。
唇も震えている。よく聞いてみると周期的にやってくるらしい。
さっきまで本気で、死を覚悟するほどだったが、今は
心なしか少し弱くはなってきているみたいだと言う。
少し安心したが、「また来た…」と震えが強くなり、母は耐えている様子だ。
まだまだ安心できる具合ではなさそうだ。
私にはどうすることもできないので、「救急車呼ぼうか」
と言うと「ああ…考えなかったなあ…」とつぶやく。
「ただ今日は日曜なんで、市民病院はダメかも、近くではN病院に
行くしかないなあ…」と言うと、母は急にシャキッとして、目に力がみなぎり、
「あ、あそこだけは…」と言うのだった。
N病院は以前母が入院していた病院で、対応の悪さから
あそこだけはやめようと言っていた病院なのだ。
「ああ少し元気が出た」と母は言い、「これから調子悪くなったら
N病院の名前を出そう」と冗談が飛び出すほど元気になったように
みえたが、それからも一進一退が続いた。
結局3日目にちゃんと歩けるようになり、5日目のきょうまで
食欲が回復していない。
きょうまで私の仕事の都合もあって、病院に連れて行ってなかったが、
やっときょう連れて行けそうである。
むろん伯母は良かれと思ってのことだったのだが、
とんだ贈り物になってしまったのである。
やはり薬系のものは医者に相談して使ったほうが
賢明だと思い知らされたのだった。
死線をさまよった母が、あれがきっかけで以前より
シャキッとなれば…と願っているのだが、まだまだ…。
の園長をしている。
母が送ったお歳暮のお返しである。
何やら韓国の方から頂いた、いわば滋養強壮に効く
薬であった。母は日頃から体調が安定せず、病院通い
をしていることを心配して、送ってくれたのである。
かなり効き目のある薬だと、お礼に電話した母に伯母はそう
言ったという。
早速母が飲んでみると、「何だかフラフラする」と言って
母はあまり具合良くは、なっていないと言った。
「使い方が悪いんじゃないの」と私。母はもう一度伯母に
電話して、使用方法を確認した。
すると、3日ぐらい続けて飲んで、しばらく様子を
みたらいい、という事で、母は3日続けて飲んだ。
これがとんでもない事になろうとは…。
母は一階に住んでいるのだが、なかなか上がって来ないので
様子を見に行ってみると、ベッドに横になっていた。
話しかけようとすると、ブルブル震えている。
「ど、どうしたの?」母は震えながら、「か、体が
足のほうからグルグル包帯を巻くようにしびれてくるんだよ」
いま、口から顔全体に来ていると言う。
唇も震えている。よく聞いてみると周期的にやってくるらしい。
さっきまで本気で、死を覚悟するほどだったが、今は
心なしか少し弱くはなってきているみたいだと言う。
少し安心したが、「また来た…」と震えが強くなり、母は耐えている様子だ。
まだまだ安心できる具合ではなさそうだ。
私にはどうすることもできないので、「救急車呼ぼうか」
と言うと「ああ…考えなかったなあ…」とつぶやく。
「ただ今日は日曜なんで、市民病院はダメかも、近くではN病院に
行くしかないなあ…」と言うと、母は急にシャキッとして、目に力がみなぎり、
「あ、あそこだけは…」と言うのだった。
N病院は以前母が入院していた病院で、対応の悪さから
あそこだけはやめようと言っていた病院なのだ。
「ああ少し元気が出た」と母は言い、「これから調子悪くなったら
N病院の名前を出そう」と冗談が飛び出すほど元気になったように
みえたが、それからも一進一退が続いた。
結局3日目にちゃんと歩けるようになり、5日目のきょうまで
食欲が回復していない。
きょうまで私の仕事の都合もあって、病院に連れて行ってなかったが、
やっときょう連れて行けそうである。
むろん伯母は良かれと思ってのことだったのだが、
とんだ贈り物になってしまったのである。
やはり薬系のものは医者に相談して使ったほうが
賢明だと思い知らされたのだった。
死線をさまよった母が、あれがきっかけで以前より
シャキッとなれば…と願っているのだが、まだまだ…。