つぶや句

夢追いおっさんの近況および思うことを気まぐれに。

禁断のお歳暮返し

2006-12-16 06:51:39 | ちょっとした出来事
伯母から贈り物が届いた。伯母は九州の某老人ホーム
の園長をしている。
母が送ったお歳暮のお返しである。

何やら韓国の方から頂いた、いわば滋養強壮に効く
薬であった。母は日頃から体調が安定せず、病院通い
をしていることを心配して、送ってくれたのである。

かなり効き目のある薬だと、お礼に電話した母に伯母はそう
言ったという。
早速母が飲んでみると、「何だかフラフラする」と言って
母はあまり具合良くは、なっていないと言った。

「使い方が悪いんじゃないの」と私。母はもう一度伯母に
電話して、使用方法を確認した。

すると、3日ぐらい続けて飲んで、しばらく様子を
みたらいい、という事で、母は3日続けて飲んだ。

これがとんでもない事になろうとは…。
母は一階に住んでいるのだが、なかなか上がって来ないので
様子を見に行ってみると、ベッドに横になっていた。

話しかけようとすると、ブルブル震えている。
「ど、どうしたの?」母は震えながら、「か、体が
足のほうからグルグル包帯を巻くようにしびれてくるんだよ」
いま、口から顔全体に来ていると言う。

唇も震えている。よく聞いてみると周期的にやってくるらしい。
さっきまで本気で、死を覚悟するほどだったが、今は
心なしか少し弱くはなってきているみたいだと言う。

少し安心したが、「また来た…」と震えが強くなり、母は耐えている様子だ。
まだまだ安心できる具合ではなさそうだ。

私にはどうすることもできないので、「救急車呼ぼうか」
と言うと「ああ…考えなかったなあ…」とつぶやく。

「ただ今日は日曜なんで、市民病院はダメかも、近くではN病院に
行くしかないなあ…」と言うと、母は急にシャキッとして、目に力がみなぎり、
「あ、あそこだけは…」と言うのだった。

N病院は以前母が入院していた病院で、対応の悪さから
あそこだけはやめようと言っていた病院なのだ。

「ああ少し元気が出た」と母は言い、「これから調子悪くなったら
N病院の名前を出そう」と冗談が飛び出すほど元気になったように
みえたが、それからも一進一退が続いた。

結局3日目にちゃんと歩けるようになり、5日目のきょうまで
食欲が回復していない。

きょうまで私の仕事の都合もあって、病院に連れて行ってなかったが、
やっときょう連れて行けそうである。

むろん伯母は良かれと思ってのことだったのだが、
とんだ贈り物になってしまったのである。

やはり薬系のものは医者に相談して使ったほうが
賢明だと思い知らされたのだった。

死線をさまよった母が、あれがきっかけで以前より
シャキッとなれば…と願っているのだが、まだまだ…。





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飲もうゼ

2006-12-13 04:33:21 | ちょっとした出来事
久しぶりに我が友F氏と飲んだ。

彼はうちの会社で最も有能な社員だったが、高い志のために
辞めたのである。もう丸々一年が経ってしまった。

車で迎えに来てくれ、彼の地元で旧交を温めるべく、彼の
家に向かった。辞める時に、「最低一年に一度は会って飲もう」
と約束していたのである。

「うちの地元には二軒しか飲み屋がないんだよ」と以前一緒に
飲んだことのある店に行った。

しかし二軒しかないにしてはなかなか面白い店で、魚から肉料理
まで、一通り揃っている。アルコールも沖縄の「泡盛」まで
置いてあり、値段も手頃で家族で来てもOKな感じの店である。
うちの地元に比べれば、はるかにセンスがいい。

この時期やはりそこそこ混んでいて、賑わっていた。
まずはお互いの健康に乾杯した。
旧交の始めはどうしても健康確認になってしまう。
やはり友はいつまでも元気でいてほしいというのが偽らざる願いなのだ。

彼は元々白髪頭だったので、さほど変化は感じなかったが、
こちらはさぞやオデコの面積が広がったのを感じたに違いない。

メニューは全て彼にまかせ、ゆっくり芋焼酎のお湯割りを
五臓六腑に染み渡らせた。

「ちょっとプレゼントがあるんだけど」と何やら取り出した。
コンパクトなアルバムだ。見ると渓流魚の写真である。
岩魚、山女魚、アマゴが、鮮やかな色合いで写っていた。

彼はフライフィッシングをやるので、彼の従兄弟と
釣った魚を写したものだった。
「おお…これはいい」私は魚を見るのも好きだが、絵を描く
資料としても喉から手が出る程ほしいのである。

彼もよく知っていて持って来てくれたのである。
気が利いているよなあ…と感心しつつ、手ぶらの
自分が情けなかった。こういうところが私はダメなのだ。

うまいお湯割りでいい気持ちになったとこで、
「場所を変えようか」と彼が言ってこの店を後にした。

二軒ある店のもう一軒へとはしごし、したたかに酔った。
最寄の駅で彼と別れ、いい酔いのまま家に帰り着いた。

来週、再来週と飲み会が続く、彼と飲んだような
いい酒がどれ位飲めるかわからないが、なるべく
そんな酒にしたいものである。

「いい酒飲もうゼ!」






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おやじガンバ!

2006-12-09 06:40:36 | ちょっとした出来事
最近「がんばれ」という言葉が敬遠されるようになってきた。
「がんばれ」と言われるということは、つまり頑張りが足りないから、
もっと頑張れということになるので、言われたほうは「こんなに
頑張っているのに…」と辛くなるようだ。

うちの会社では、トラックの配送をするドライバー
が10人前後いるのだが、どうしても人手が足りない
ので、他の運送会社に応援を依頼している。

2社あるのだが、その内の1社も人手が足りないのか、
新人がやって来たりする。

女性の場合もあるし、60才前後のおじさんの
場合もある。女性は30代と若い人が多く、けっこう
テキパキと動きも機敏だ。

しかしおじさんはモタモタしてて、動きが悪い。
何人か入れ替わったのだが、皆一様にモタモタ。

当然仕事も遅く、待たされるとイライラ。
同じおじさんとして、こんなにも頭が硬直してしまうのか、
と、その動きの硬さ遅さに愕然としてしまう。

そして、自分は違うと思いつつも、もしかしてそう見えているのかも…
と、身につまされてしまう。
しかしながら、同じおじさんとしては、つい「もっとがんばれよ」
言いたくなってしまうのだ。

うちの会社にも何人かのおじさんが、入っては辞めたのだが、
一様にがんばれない。仕事の内容もさることながら、
対人関係で、がんばれないことが、けっこう大きな原因になっている。

仕事のモタモタぶりを、パートのおばさま達の舌下攻撃に合い
あえなく撃沈してしまうのである。
パートのおばさま達は、味方に付けるとこれほど心強いものは
ないが、敵に回したら恐るべき難敵となるのだ。

以前そのパートさんの口撃に討ち死にしたおじさんは、
辞めるその日に一番口撃を受けたパートさんに向かって、
「このKUSOBABAーーー!」と一言言い放って辞めていったという。

ああ…そんな元気があるんなら、もうちょっとがんばればァ…
と言いたくなってしまうのだった。

かくしてワタクシは世のおじさん達に「がんばろうゼ!」
と自分を含めてエールを送りたい。ヤッパこれか



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「これっきりーデスかー」

2006-12-01 05:15:45 | ちょっとした出来事
最近、食べるということに関して、少し
こだわるようになってきた。

以前何かのアンケートで、中年の女性が最も感心があるのは
食べるということだった。
近頃その気持ちがよくわかるようになってきた。

若い頃、特に独身の頃など、出来合いのおかずを買って
そのまま食べたり、適当な具材を買ってそれを全部
ぶち込んで、煮込んだりして食べていた。

とても料理なんて言えた代物じゃあなかったのだ。
しかし自分も年齢とともに、料理に興味を持つようになり、
何とかおいしく食べようという欲求が強くなってきた。

酒のつまみなどは自分で適当に作るのだが、時間が
取れないので料理はどうしてもカミさんに任せてしまう。

もちろんカミさんの料理で充分なのだが、こっちの
食欲のほうが強いので、「これっきり、これっきり、これっきりーデスかー」
と思ったりしてしまうのである。

当然ながらカミさんは経済状態、栄養配分など、主婦としての
配慮などがあるので、そうなってしまうのも、やむをえない
ところなのだ。

しかし例えば夕食がハンバーグだとすると、だいたいうちでは
それにサラダで終わりなのだが、近頃それにやっぱり目玉焼きが
ほしいと強く思うようになってきて、作ってもらったりする。

やきそばでも、目玉焼きを乗っけて食べるとよりうまいのだ。
このようによりおいしくするためにあれがあれば…と思える
ものをなるべく満たすようになった。

特に品数が増えることによって、色合いが良くなり
見た目が良くなって、まず「目で食べる」ということが
満足できるようになってきた。これが大きいのだ。

すると、きょうはあれが食べたいなあと思って頭で
想像するとき、その映像が浮かぶと歓びが湧き上がって
くるのである。

ズバリ「料理には歓びがなければならない!」のだ。

しかしそのため、大皿を使うことが多くなり、洗うのに手間がかかるため
カミさんちょっと渋い顔。
それに、喜びの代償にも気をつけなければならない。
ちょっと下腹が…。

カミさんの冷ややかな視線をかわしつつ、きょうの
歓びに思いを巡らすのだった…。
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