Sydney Yajima


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怒りの矛先

2011-11-08 23:55:45 | 政治
あなたが、レストランに行きたいと思ったとする。
家族での食事の場合もあるだろうし、一人の場合もあるだろう。友人たちとの場合もあるかもしれないし、仕事仲間と一緒のときもあるだろう。
それぞれの場合によって、行く場所は異なるだろうし、また、そこで注文するものも違ってくる。
もちろん、あなたや周りの人にとって、予算は重要だ。

あなたは食事に行った先で、それなりに楽しみ、そして家に帰るわけだ。

仮に、今、あなたは、家に帰ってきたところだとしてみよう。
そして、私はそんなあなたに 質問してみたい。

あなたは、どうして そのレストランに行き、そして、なぜその料理を注文しましたか?

簡単な質問だ。
だが、意外と難しい。
なぜなら、はっきり 「これ」と言った答えが見つかりそうもないからだ。

おおよその答えは、「なんとなく」というものだろう。
そう、人間は毎日の生活の大半を 「なんとなく」決定して そして生活しているものなのである。

それに反論のある人は、では、旅行先や出張先でこんな経験はないだろうか?
出先でふらっと入った喫茶店も、「なんとなく」だったことはないだろうか?

いやいや、もっと人生のなかで重要な事柄でさえ、あなたはなんとなくで決めてしまったこともあるはずだ。

たとえば、あなたの横でいびきをかいている配偶者はどうだろう?
あなたは、その人とどうして、結婚してしまったのだろうか?
もっと 良い人もいたはずだ。
後悔先に立たず。しょうがない とあきらめているそこの、あなた。
なぜ、結婚したのか、考えてみて欲しい。
好きだったから?それとも、金持ちだったから?いやいや、あなたはそんなにはっきりした理由などもっていなかったはずだ。
なんとなく
では、なかったかな?

どうだろう。あなたの人生は あなたがコントロールしているようにみえて実は、なんとなく という非常に曖昧かつ非科学的で立証のできない かなり いい加減なもので、決めてきた経緯があったのではなかっただろうか?
あなたの仕事だってそうだ。
あなたは、今の仕事に満足していますか?
という誘い文句があると、満足しているのかな?と自問自答したりもするだろう。
それは、あなたは、会社のこともあまり知らず、そしてそのなかで自分が何をしていくのかというビジョンも持たず、たまたま今の部署で、たまたま今の仕事内容をまかされてきたからではなかっただろうか?
あなたが入社するとき、あなたは会社のROEを知っていただろうか?
あなたの会社の取引先銀行の名前さえ知らなかったのでは、なかったか?

そう、あなたは、間違いなく「なんとなく」生きてきただけである。
ただ、誤解しないでもらいたいことは、私はここで、それが悪いと言っているのではない。

それが、ほとんどの人類に共通する当たり前の事象だということを 伝えているに過ぎない。
それは、もちろん、私自身を含めての話だ。

そして、それは国家にも当てはめることが出来る。
例えば今の中国は、エンジントラブルを抱えた巨大 ジェット エアバスで、かなり高い高度を飛んでおり、しかも そのエンジントラブルはコントロールが効かないが、出力は最大限であり、できればどこかに緊急着陸したいのだが、残念ながらそれは出来ない状態で、ただ、燃料が切れるのを待っているしか方法はなく、しかも燃料が切れた時点で垂直落下をすることが確実な状態だが、そうなるまで、高度を上げ続けてきたのも、その判断をしたのも、あなたや私と全く変わらない人間たちであって、彼らは神ではない。それどころか、かなり生臭い人間たちで、共産党の頭脳とか、あるいは北京大学の経済理論などを勉強してきたかもしれないが、実際は、「なんとなく」で決定してきた経済政策の祭りのあとの話なのである。
EUにしても アメリカの2008年のクラッシュにしても、日本のバブル崩壊にしても、あるいは超円高を継続し続ける日銀の緊縮予算にしても、だ。すべては、「なんとなく」なのである。

もちろん、もしかしたら そこには目に見えない大きな神の手が働いているのかもしれない。
だが、もっともらしい注釈を読んで その謎解きをしようとすることは、あなたをさらに 迷わせることになるだけだろう。
なぜなら、人間のしてきたことは、ただ、なんとなくの結果でしかないからだ。

あなたたちは、多くの怒っている人々を、最近 たくさん見かけているかもしれない。
彼らは、一体 何に対して怒っているのだろうか?
それは、原発の事故を引き起こした東電にたいしてか、保安院にたいしてなのか、あるいは、政府にたいしてか、あるいは拉致被害者のために北朝鮮の金正日にたいして怒っているのか、あるいは自分の国の利益しか考えないアメリカや中国に対して怒っているのか、それとも、嘘をついて平気なギリシャに対して怒っているのか あるいは、ウォールストリートの一部の金亡者に対して怒っているのか・・・なににせよ、怒っている人たちがあなたのまわりに、最近増えたとは、思わないだろうか?

それは、一種の インフルエンザであり、かならず伝染していくものであるので、あなたは、予防注射を打っておくべきだろう。
怒る人は、さまざまな矛先に向かって ただ怒っている。
怒る理由はなんであれ、怒ると言うことが いまの流行なのだ。

そして、怒っている人たちも、実はなぜ怒っているのか、分かっていないことが多いことも付け足しておこう。
それは、「なんとなく」であるのだから・・・