Sydney Yajima


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太平洋経済圏

2011-11-18 23:42:30 | 政治
じっくりと考えてみた。
TPPについてである。

構想の、基本は、アメリカとオーストラリア、日本の三角形にカナダ、東南アジアを加えた 経済圏を作るということである。
反対意見を集約するとおおよそ次の三つである。
日本にとっては、農業の危機のみ取り沙汰されているが、それは日本の投票の違憲状態によって、おこる投票格差・・・つまり都会の一票が田舎の五票に当たる・・・ために、農業票を大事にするあまり、農家の補償問題のみ大きくなっていることによる反対。
または郵貯の金が自由化によって アメリカに食い尽くされてしまうという心配。
あるいは、保険などの新しい商品が日本にどっと流れ込んでくるという金融の不安。
などである。

日本の参加は、アメリカにとって、とても重要である。日本が参加するかどうかで、例えばカナダなどは、意思決定をしたいといっているほどだ。
逆に日本が参加しなければ TPPは、始まらないのである。
ここで、日本はじらすことを選択したのであるが、交渉を有利に運ぶために、じらす方法は、決して悪くはない。
ただ、アメリカをなめてはいけない。

アメリカは、着々と自分たちのできる準備を始めた。
アメリカのできる準備とは、軍事である。

すでにオーストラリア ダーウィンにアメリカ海兵隊2500人を常駐させる基地を作ることは書いた。しかし日本に4万人、韓国に3万人の規模にくらべると、わずかである。しかし、現在では軍事は、人数ではなく、兵器である。
兵器といえば、アメリカは今日の発表で、音速の5倍のスピードで飛ぶミサイルの開発に成功し、配備をするとした。
さらに、「音速の5倍とは、たとえば、ハワイから飛ばして3700キロ先まで30分で到達するというスピードである。」とも付け加えた。ハワイから3700キロの直線距離がどこを指しているのかを、私が改めて言うまでもないかもしれないが、ようするに、中国を壊滅させるのに必要な所要時間は 30分だとアメリカは言っているのである。
アメリカが、先制攻撃をしたら、今の技術の中国では、何もできずに、一気に土俵下まで放り投げられるのである。

アメリカが、着々と準備をしているという意味を、この面から理解すれば、日本が自分たちにとって、有利に交渉をすすめようと、じらしていくことに、どれほどストレスを与えることになるかは 自明である。
日本には、来年中にTPPへのコミットメントが求められるはずだし、日本に NOと言える選択はない。
NO と言えば、アメリカはどんなことでも仕掛けてくる。それはCIAを使うかもしれないし、露骨にトレードの邪魔をするかもしれないし、あるいは日本の根幹企業であるトヨタをまた、ターゲットにするかもしれない。
こんなことは、アメリカにとって いけないことでも何でもないのだ。
ミシシッピ川でアメリカンインディアンが開発したとうもろこしの畑を、紙一枚の大統領命令書で、全員を放り出して、乗っ取るということをやってできあがった国だ。気に入らない国には爆弾を落とし、従わせてきた国だ。今も昔も アメリカはアメリカなのである。
しかし、彼らが日本人に比べて、なにか特別に優れているということはない。
恵まれた土地と、恵まれた条件を持っていたと言うこと以外、人間として特別彼らが 上等であるとは 私は思わない。
だから、TPPで、日本は、損をするのか得をするのかは、日本人の資質によって、左右されるだろうと言っているのだ。

日本はどんな場合においても、戦争は避けなければならん。
中国と日本は たとえ何があっても、二度と 争うべきではない。
アメリカのやり方では、争いが起きるかもしれない。
ここで、日本は、真ん中に立って、なんとか、賢く行動をしてほしい。
争う以外の、選択を日本は真剣に 日本独自に考えた上でのTPPの参加が、一番 望ましいのである。

オーストラリアは、アメリカからさまざまなことを押し付けられて 実は内心 迷惑している。
中国との良い関係も継続させていきたいからだ。
日本はそこのところを、よく観察しなければならない。
その上で、どんな参加をすればいいのかが、見えてくるはずだ。

アメリカは確かに 大きく強い国だが、日本のように小さくても何が出来るかを考える国こそが、本当は、もっとも強い国なのである。
自分たちを過信することなく、自分にできることを身の丈にあったところで、実現していくことだ。