やまねこマッサージ

ねがうこと、ゆだねること

『ポエトリー アグネスの詩』試写会

2011-11-18 | 映画
認知症にかかった60歳代のミジャ(ユン・ジョンヒ)が
中学生の孫(イ・ダウィッド)と暮らしながら経験する
物語。

娘が出稼ぎに行って貧しいながらも平穏な生活が
孫の犯罪によって物語が動き出す。カメラは
ドキュメンタリーの様に彼女の生活を追う。

親たちや学校の反応と対応、認知症の診断、
詩の教室に通うこと、老人介護の仕事。



中心軸は孫の犯罪を知るようになって苦悩する姿と
詩を習い始めて感覚が鋭敏になっていくが、詩は
書けないで悩む様子が平行で進行したり、オーバー
ラップして動く。

劇的なシーンなど一つもないが目が離せない。
彼女に変化がうまれ、物語が呼応し、詩が完成する。



監督(イ・チャンドン)は数年前に韓国で起こった
事件を映画にする手法を思索している時、この映画の
設定を京都のホテルで瞬間的に思いついたそうだ。

直接は犯罪にかかわっていないおばあさんを主人公、
詩を作ることを主軸にする、という独創的なアプローチで
事件に迫り、全部を説明しないで観客に委ねていく映像だ。

だから彼女の心境のゆれ動きを想像したり、彼女の気持ちに
なっていたり、観る方が解釈する幅が残されているのがいい。

韓国版の予告編;

200近い韓国の映画館で上映され、興収も20億円を越えたとか。
韓国内外の賞を受賞し、カンヌ国際映画祭の脚本賞に輝く。

立ち上がったばかりのサイト
来春2月公開。