持続可能な国づくりを考える会

経済・福祉・環境の相互促進関係を!

連載:持続可能な国づくりの条件 13

2014年09月13日 | 総合

 スウェーデンの達成度の国際評価 

 スウェーデンについては、今までもお伝えしたことのまとめです。 

 スウェーデンは、かつて「ヨーロッパ北辺の貧しい農業国」だったのが、ここ百年あまりをかけて、近代工業国家、そして福祉国家、そして緑の福祉国家と、まさにエコロジカルに持続可能で国民みなが幸せですという国に向けて国づくりを意図的にやってきた国です。

  なぜ特にスウェーデン・モデルを取り上げるのかというと、何よりも国の持続可能性が国際自然保護連合の2001年のランキングで世界第一位だったからです。

 国際自然保護連合は、元国連機関で今は独立機関ですが、環境問題について非常に権威のある機関です。そのランキングでは、1位スウェーデン、2位フィンランドというふうに、上位に北欧がずらっと並んでいて、日本は第24位でした。

  その後2004年、2007年と、OECD30カ国で持続可能性ランキングが出されましたが、この時もやはりスウェーデンがずっと変わらず1位です。

 しかもこの場合は、持続可能性の両方の面を満たしています。環境面だけではなく社会的な持続可能性のほうもちゃんとカウントされた上で1位です。

 2008年の世界経済フォーラムの環境対策ランキングでは1位がスイスですが、2位スウェーデン。

 日本も14位で頑張っているといえば頑張っているんですが。

 それから2007年『リーダーズダイジェスト』の環境的住みやすさランキングでは、1位フィンランド、第4位にスウェーデン。

 日本も第12位で、これもまあ頑張っているといえば頑張っている

 でも、悲しいのは国民の幸福度ランキングです。1位デンマーク、第6位フィンランド、スウェーデンは7位ではあるのですけれど、幸福度もかなり高い。

 日本は90位です。世界の180カ国ぐらいの内の中ぐらいのところにしかいっていないんです。

 つまり、経済大国であろうとして頑張ってきて、この間まではアメリカを除けばジャパンアズナンバーワンで、この間中国に追い抜かれても、でも世界第3位ですが、国民が幸せかと言ったら90位という国なのです。

 国際評価はそうですし、国民の実感もそうかなという気がしますね。

 さて、こんなに環境や福祉に配慮していて、スウェーデンの経済は大丈夫なのかということですが、2007年世界経済フォーラムの国際競争力ランキングでは、スイス、フィンランド、スウェーデンと世界第3位です。国際競争力がすごくあるんです。つまり知識産業で。

 当時は日本も、1つの指標では7位でした。

 ただ、国際経営開発研究所の同じ年のランキングでは、指標が違うので、第1位がアメリカで、やはり強い。でもアメリカが強いと評価される指標でも、スウェーデンは9位につけています。

 日本は24位。GDPはまだ世界3位かもしれないけれど、国際競争力ではもう7位とか24位という評価をされるようになっている。

 政府がちゃんと情報公開をやって、汚職が少なく、国民がリーダー・政府を信用できる状態か、という「透明度ランキング」というものがありますが、第1位はアイスランド、第2位フィンランド、6位スウェーデン。

 世界170カ国ぐらいの中では日本はましなほうですが、21位。

 悲しいかな、世界では不透明な政府が圧倒的に多いというのが国際水準ですね。

 スウェーデンはかなり透明で、汚職もたまにあるけれどすぐばれるという国のようです。

 2012年の国連の世界幸福リポート、指標が違うので当然評価も違ってきますが、この場合も生活満足度第1位デンマーク、第2位フィンランド、第3位ノルウェーと北欧が一斉に並んでいます。スウェーデンは第7位です。

 デンマーク、フィンランド、ノルウェー、オランダ、カナダ、スイス、スウェーデン……どの国も何か暮らしよさそうだというメージがありますよね。実際、客観的評価もそうです。

 日本は44位で、見ると、アメリカよりもイギリスよりもフランスよりもブラジルよりもイタリアよりもドイツよりも低い。韓国よりはましかな。ロシアよりはだいぶまし。

 つまり、がんばっている割には、環境的にもしっかりしていないし、国民は幸福じゃないし、というのが日本だということは、もう国際評価は非常にはっきりしているようです。



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