上勝町へ視察する運びとなったのはいろいろな御縁によるものです。それについては書き進める中でご説明していきたいと思います。
さて今回は視察の目的についてです。
当会は、エコロジカルに持続可能な社会(大きなスケールでいうと国・世界)の実現を目指しています。そのモデルが、遠い異国のスウェーデン・北欧などではなく、いろいろな問題が噴出し不安を感じている、わが国日本においてあることが大きな喜びでした。上勝町は地域社会という規模ながら持続可能な社会の実現に向け相当高いレベルで努力され、実際そこに向かいつつある地方自治体であるようです。そのことを、実際に見聞きし・体験したい、ということが視察の目的でした。加えて、当会運営委員である笠松和市町長と、今後の展望を語り合いたいという目的もありました。
そこで今回の視察では、上勝町について
①持続可能な地域社会に向けたすぐれた知恵ある取り組みを、実際に見て触れて知ること
②その実現に向け取り組んでおられる住民の方々の思い・心をじかにお聴きすること
③しかしそれでも残る限界とはどのようなものかを確認すること
(これらの点はもちろん『持続可能なまちは小さく、美しい』でも触れられていますが、やはり「見ると聞くとでは大違い」でした!)
今後、上記の目的について得たことを、私たちの体験に即して述べていきたいと思います。
先に大まかに言ってしまうと、日本のあたりまえのように見える山村の自然環境に対し、たんに知らなかっただけとはいえ改めて非常な危機感(後述)を覚えるとともに、超高齢化・過疎化などで決して条件に恵まれているとは言い難い状況にもかかわらず、工夫次第で地域単位でもここまで頑張ることができるということに、とても励まされ勇気づけられました。
そして何より持続可能な社会を目指す流れを、より大きく国づくりのレベルまで持っていく必要があるという合意をあらためて確認できたことが、また大きなひとつの達成でした。