持続可能な国づくりを考える会

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対論!人類は原発をどうするのか?

2014年03月15日 | シンポジウム

運営委員の森中です.大変ご無沙汰していますが,みなさまお元気でしょうか.

来る4月12日(土)13:30—18:00,立教大学タッカーホール(池袋)において,私の所属する日本生物地理学会と立教大学理学部の共催で,無料の市民シンポジウム「対論!人類は原発をどうするのか?」を開催するので,ご案内させて頂きます.

ポスター

講演:小出裕章(京都大学原子炉実験所,森中定治(日本生物地理学会)

コメンテーター:飯野謙次 (失敗学会副会長),後藤政志 (原子力市民委員会委員・APAST理事長)

ゲスト:秋本真利 (自由民主党衆議院議員),小山芳郎 (ジャーナリスト・元NHKプロデューサー),加藤登紀子  (歌手),木下幹康 (東京大学, TTS),鈴木達治郎  (原子力委員会委員長代理),須永昌博 (スウェーデン社会研究所所長),山脇直司 (公共哲学/東京大学名誉教授・星槎大学学部長),吉岡律夫 (トリウム熔融塩国際フォーラム理事長)

このシンポジウムは,例年「次世代にどのような社会を贈るのか?」として開催しています.今年は,元々京都大学原子炉実験所の小出裕章先生をお呼びしてご講演を頂くつもりでしたが,小出先生から一方的な話ではなく,容認派との対論をお願いしたいとのご要望があって,副題を「対論!人類は原発をどうするのか?」として敢えて私が対論者となりました.推進派は要職にある人は出てこないし,出てきてもそれぞれが一方的な言いっぱなしの場になると思うからです.また専門家同士の対論では一般の人に難しくなると思うからです.

私は元々反原発です.我々の,持続可能な国づくりの会の講演会に来てくださった古川和男先生と知り合って,トリウム熔融塩国際フォーラムの賛助会員になっています.というのは,核兵器の廃絶と合わせて考えないと人類全体の核の廃止はできず,日本だけが原発を止めればよいという考え方をしていないからです.人類が原発を止めるには,どうしても「核兵器廃絶時代」を迎えそれを通らねばならないと思います.私は生物学者で原子力の専門家ではありません.素人の私の視点から,このシンポジウムに参加されるみなさまに十分わかっていただける話をします.そしてコメンテーターをはじめ,ゲストの方から両者の話についてコメントをいただきます.

加藤登紀子さんをはじめ沢山のゲストをお迎えし,大きな意味のあるシンポジウムになると思います. 一般公開/無料ですが,参加ご希望の方はポスターのアドレスにご連絡を頂きますようお願いいたします.


3・11によせて:永続可能な復興を

2014年03月10日 | 理念とビジョン

 運営委員長の岡野です。

 大震災からもう3年が経ってしまいました。 

 いまだに本当には収束もコントロールもされきっていない原発事故が、復興への道を複雑にし停滞させていると思われます。 

 農林水産業が主要産業である「地方」は日本全国どこを見てもほとんど、すでに疲弊しつつありました(これはますます深刻化していると思われます)。 

 そこにかぶせるように、基本的に農林水産業の地域だったところに、放射能汚染という農水産物のイメージを極端なまでにダウンさせる事故が起こったわけですから。 

 低線量被曝の危険まで考えると、現在の技術では放射能汚染に根本的な「除染」はありえないと思われます(一定程度までの軽減はできるにしても)。 

 したがって、農水産物のイメージ・ダウンは「風評被害」として片付けることのできないことではないでしょうか。 

 何度繰り返しても言い足りないくらい、原発は持続不可能なエネルギー技術であり、持続不可能な近代的生産様式の象徴です。 

 エネルギー源として原発を止めたくないという体質を持つ近代的生産様式を大前提としたままでは、持続可能な復興は実現どころかビジョンを描くことも困難です。 

 とはいえ、予想よりかなり長引くとしても、敗戦後でも阪神大震災でも見せた日本人の底力からすると、中期のいちおうの復興はやがてなんとかできるかもしれません。 

 また、そういう復興がまるで必要ないとも思いません。 東北の復興は心から願っています。

 しかし、私の知識の範囲で言えば、現状の方向は長期の持続可能な、超長期の永続可能な復興にはつながっていないように見えます。 

 せっかくの復興を、努力の相当部分が無駄になってしまうような持続困難な復興ではなく、永続可能な復興にぜひともレベルアップおよび進路変更してもらいたいものだと強く願っています。

 そのためには、場当たりの対処ではなく、どこを目指すのかという基本的な理念とビジョンが必要です。

 といっても、私たちの会の理念とビジョンが完全だとは思っているわけではありません。

 しかし、現状では「エコロジカルに持続可能な国」というビジョンは、根本的な方向としてはきわめて妥当なものではないかと自負もしています。

 心あるみなさんに、私たちの会の理念とビジョンに生産的検討や批判を加えていただき、ヴァージョンアップにご協力をいただきたいと思っています。

  目指すのなら、エコロジカルに永続可能な日本の一部としての永続可能な東北復興ではないでしょうか。