持続可能な国づくりを考える会

経済・福祉・環境の相互促進関係を!

持続可能な国づくりの会 理念とビジョン(画像をクリック)

  「理念とビジョン」全文                   ダイジェスト版                  

                    

今何をするべきか

2013年01月19日 | 総合

 運営委員長の岡野です。 

 先日の学習会で、参加者のお一人から「私は何をしたらいいのでしょう?」という質問がありました。

 これは、いろいろなところで講演・講義するたびに必ずといっていいくらい出てくる典型的な質問です。 

 この質問の前提になっているのは、当然のことながら、「社会をよくしたい」とか「環境問題を解決したい」とか「日本をエコロジカルに持続可能な国にしたい」という気持ちでしょう。 

 そういう気持ちをもっているにもかかわらず、どうしたらそれを実現できるのか、実現するためにどう自分が貢献できるのかがわからない、ということだと思われます。 

 当日は、時間がないので簡略に、「まず理解をしてください。それから、その理解をできるだけまわりの人とシェアしてください。さらに、社会を変えるのは一人ではできないので、この会でも他でもかまいませんから、自分がいいと思ったグループに参加してください。今、日本で必要なのは、それぞれがそれぞれの場でできることをするという「ハチドリのひとしずく」的な善意の行動をもう一歩超えて、結集―連帯することです」といった趣旨のことをお答えしました(まったくこのとおりではなかったと思いますが)。 

 ここで付け加えると、持続可能な社会が、

①「ハチドリのひとしずく」の積み上げ方式でいつかやがて実現するだろうと思う方は自分のできることを自分のできる範囲で続ける、

②デモや署名を続けることでリーダーが反省して実現してくれると思う方はこれまでどおりそれを続ける、

③持続可能な社会のモデルを情報として伝えていればやがて市民もリーダーも変わってその結果実現できるだろうと思う方は情報伝達を続ける、

④4象限の条件がすべて揃わなければ実現しないと考えている私たちは、まずその考えをできるだけ広く伝達―共有する努力をし、その考えを核として結集する努力をし、それがやがてより広い、日本全体に及ぶエコロジカルに持続可能な国を実現することを理念とした党の誕生―成長に影響を及ぼし、その結果、日本が実際に持続可能な国になることを目指す、

という、それぞれの行動を選択していけばいいのではないか、と私は考えています。 

 そして、それらはもちろん対立するものではなく、やがては一つになっていくべきものだと思いますが、当面、別々のスタイルでそれぞれにやっていくほうが、効率がいいのではないかと考えています。

 (日本未来の党については、まだ不十分なところが多いとは思いながらも、やがてそういう党に成長してくれることを期待しながら、当面支持するというのが私の姿勢です。) 

 私たちの会の創設のきっかけとなったシンポジウムから6年あまり、当初は方向性が大まかに一致している人々とのゆるやかで幅広い運動体になっていくことをイメージしていましたが、さまざまな紆余曲折を経て、今私が到っている結論はこれです。 

 会員のみなさま、読者のみなさま、賛否どちらであれご意見をいただき、生産的な議論ができると幸いです。

 


私たちの会の存在意義

2013年01月15日 | 学習会

 運営委員長の岡野です。

 松原さん、三谷さんのコメントへのお返事ですが、広くみなさんとも共有したいので、記事で書きます。 

 お二人にも、参加されたみなさんにも、持続可能な国づくりが国によってなぜできるか・できないかの理由が4象限理論で分析するとよく見えてくる、ということを理解していただけたようで、喜んでいます。

 どんなに善意であっても、右上だけ、あるいは右下のシステムの話も含めて右側象限だけの話をしていても、実現に近づくことはできない、と私は考えています。 

 (もちろん、日本が持続可能な国になることが目的なので、もし右の話をしているだけで実現できたとすれば、それはとても喜ばしいことですから、私の意見が外れても何の異議も不満もありません。)

 環境・持続可能性に関するグループが「山ほど」といってもいいくらいたくさんあり、相当な人数を集めているグループもある中で、あえて私たちのまだ小さな会が存在する意義は、環境に関する専門的知識や理論の豊富さや正確さでもなければ、個別の「環境にやさしい」行動の活発さでもなく、また環境問題の解決には政治に関わる必要があるという考え方でもなく、4象限にわたるインテグラルな視点をもっていることだと思います。 

 この視点をもっているグループは、私の知る限り日本には他にはありません(もしあったら、ぜひ交流→合流したいと思いますので、ご存知の方はお知らせください)。

 持続可能な国をつくるために必須の(と私は考えますが)この視点を広く伝えて、国民(少なくとも国民のリーダー)の多数とシェアしていくことが、この会の存在意義でありミッションだ、と今回の総会と学習会を経て改めて私は考えるようになっています。

 みなさんは、どうお考えでしょうか。

 


昨日の学習会:要点

2013年01月14日 | 学習会

 運営委員長の岡野です。 

 昨日は、久しぶりの学習会、なかなかの盛会でした。参加者のみなさん、お疲れさまでした。 

 テーマは、「持続可能な国づくりの条件~4象限で読み解くスウェーデン・ブータンモデル~」。 

 アメリカの思想家ケン・ウィルバーの存在の4象限のアイデアを適用して、なぜ、スウェーデン、ブータンでは、持続可能な社会が着実に実現の方向に向かいつつあるのかを論じました。 

 詳しくは、間もなく編集してお頒けできるようになる予定の講義のDVDを見ていただきたいと思いますが、要点だけお伝えしておきたいと思います。 

 ブータンでは、持続可能な社会の実現のための4象限にわたる条件がかなり満たされていると推測されますが、その概要は以下のとおりです。 

 まず、左上:個の内面についていえば、仏教精神と近代を統合できるリーダー群(国王他)の存在があります。 

 次に、左下:集団の内面については、 国教である大乗仏教の精神が国民全体に共有されていることがあげられるでしょう。 

 そしてもちろん、右下:集団の外面では、 ブータンには伝統的農村共同体がしっかり残っています。 

 そこで、右上:個の外面のオルタナティブな技術によるゆるやかな近代化が比較的スムースに行なわれるのだと思われます。

 

 さらに私たちの会ではここ5年ほどかけてずっと学んできたスウェーデンについても要点を述べましたが、以下のとおりです。  

 左上:個の内面については、スウェーデン福祉国家を創りあげてきた社会民主労働党の歴代の党首たち、ブランティング、ハンソン、エランデル、パルメなど、自然と人間社会の調和への欲求と構想力を持ち、社会全体の中長期の利益を構想できるリーダー群と市民の存在があります。 

 加えて、左下:集団の内面では、ヴァイキング以来自然への畏怖と愛の思いを持った国民性、プロテスタント・キリスト教の愛の精神をベースにそれが世俗化された社会民主主義ヒューマニズムの連帯の精神があげられるでしょう。 

 だからこそ、右下:集団の外面としてのエコロジカルに持続可能な社会=緑の福祉国家を構想し本気で実現に向かうことができているのだと考えられます。 

 そしてもちろん、スウェーデンにはきわめて先進的な環境技術があることは言うまでもありません。 

 それぞれに4象限すべてにわたる条件が満たされているために、国全体が持続可能性に接近できつつあるのではないか、と私は推測しています。 

 こうしたブータンやスウェーデンの4象限にわたるあり方は、日本での持続可能な国づくりを考える上で大きなヒントになる、と私は考えており、参加者に、「みなさんはどう思われますか」と問いかけをしました。 

 感触としては、全体としてとてもよく理解―合意していただけたのではないか、と感じています。 

 (蛇足ですが、もちろん私はブータンやスウェーデンを絶対視・理想化しているわけではなく、それぞれが克服すべき大きな問題も抱えていることは承知しています。それにしても、日本の現状よりははるかに持続可能な国に接近していると評価しているのです。) 

 当日参加されたみなさん、持続の会員のみなさん、読者のみなさん、よろしければコメントをお寄せください。

  ※写真は、会場の皆さんの許可を得た上で、事務局が岡野運営委員長の記事に入れ込みました。


総会と学習会のお知らせ 1月13日

2013年01月12日 | 文化

持続可能な国づくりを考える会 会員の皆様

会員の皆様に、先だって総会の案内をお送りいたしました。

出欠や委任の連絡をいただき、有り難うございました。

万が一、こちらの不手際で案内が届いていない場合は誠に申し訳ありません。

ご一報、いただけると助かります。

明日の開催となりましたが、学習会の開催案内を合わせて、お知らせ申し上げます。

     事務局長 松原

  

【お知らせ】

次のとおり、来る1月13日14時から当「持続可能な国づくりを考える会」の学習会を行います。

岐路に立つ日本の「持続可能な国づくり」について、2つの異なる国のモデルから考える学習会です。

 

持続可能な国づくりの条件 ~4象限で読み解くスウェーデン・ブータンモデル~ 

<プログラム概要>
・講演:岡野守也
  「持続可能な国づくりの条件 ~4象限で読み解くスウェーデン・ブータンモデル~」
 ・参加者全員による、質問と討議

●日 時
1月13日(日)14時~17時 学習会
※13時~14時 会員総会(会員の方のみ) 

●会 場
スタジオフェザー 
http://studio-feather.com/map.htm参照)

 ●参加費
 500円(会場整理費 資料代)
※申し込みは不要です。直接会場にお越しください。

 

 

 

 


日本未来の党 嘉田氏代表辞任について

2013年01月04日 | 政治

 運営委員長・岡野です。

 NHKニュースによれば、「滋賀県の嘉田知事は県庁の仕事始めであいさつし、県政の運営に専念したいとして、みずからが結成した日本未来の党の代表を辞任する考えを正式に表明しました」とのこと。

 はっきり言って、期待はずれ、がっかりです。県議会がダメというのなら、県知事を辞任してもらいたかった。

 県政に専念しても原発は止まらず、日本の混迷は変わらず、滋賀県にも日本国にも未来はない、と私には思えるからです。

 阿部知子氏は、どう動くのでしょうか? 日本の未来のために日本未来の党の動向をもう少し見守りたいと思います。

 


勝利は我らに

2013年01月01日 | 文化

 

岡野です。

あけましておめでとうございます。

といっても、率直に言えば今年はいい年になるかどうか、政治・社会的にはとても心配です。

しかし、中長期で言えば、日本も世界も持続可能性へと方向転換をするほかありませんから、きっと「勝利は我らに」です。

念頭にあたり、希望の勝利に向けて、60年代、プロテスト・フォークの女王だったジョーン・バエズの歌を共有したいと思います。

 

 

Joan Baez - We shall overcome