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環境問題の根本は、経済活動の持続的拡大にあるようです。つまり、われわれが豊かになることと環境保全をすることは両立しえないということです。
そういった視点に立つと、どうも様々な分野で行われる環境保全運動というものは、非常に意味のあることですが、残念ながら的を外しているということになってしまいます。
戦後、日本は経済的に豊かになることによって世界有数の経済大国になり、幸福を享受してきたことは間違いないでしょう。
しかし、このまま、経済の持続的拡大によって幸福を得ようとするならば、長期的に考えれば考えるほど我々が幸福を得ることはどうやらできないようです。
なぜなら、経済の持続的拡大そのものが、先に言ったように環境負荷を与えているからです。経済の持続的拡大を求めれば求めるほど、皮肉なことに生態学的な意味での持続可能な社会から遠のいていくようです。そして、そのことはいろいろな意味での持続可能な社会から遠のいていくことをも意味します。
つまり、ソ連や東ドイツの崩壊は、戦後、日本が選択した資本主義の道に正当性があったことを我々に示したかのようですが、どうやらその資本主義の道も、長期的にみると難しいようです。
共産主義でもなく、資本主義でもない、第3の道を我々は選択する必要がある地点に到達しているように思います。そして、生態系が環境負荷を自浄できる範囲での適切な経済発展による持続可能な社会という道をスウェーデンはすでに選択して邁進しているようです。
そして、ここが最も重要なところですが、その選択とは、「政治的な選択」を意味するということです。今、我々の現前している問題の大きさと深刻さを考慮すると、これまで主流であった「できることから」始めるというような活動には、限界があります。
この「政治的な選択」というものが、非常に大きなテーマであると私は思いました。シンポジウムの感想でも、そういった政治的な選択に身構えてしまうというような感想を書いてくださった方もいらっしゃいました。
しかし、50年後の日本のあり方は今の我々の選択に間違いなく依存しています。長期的に考えれば考えるほど、やはり我々はこれまで一部の人に丸投げしてきた政治というものに積極的に関わっていくことが必要なのではないでしょうか。
そういった時に、スウェーデンに学ぶことが多くあります。スウェーデンには、徹底した情報公開制度があります。権力は腐敗し民衆は騙されるというような日本における常識に対して、スウェーデンはそれらの問題を起こさせないようなシステムが整備されているようですし、また投票率が軒並み80%を超えることなどから国民の集団的な監視の目もあるようです。
さらに、スウェーデンの政治家の給料は企業に勤めるよりも低いそうです。つまり、よっぽどの長期的な展望を見極めた上での「志」がなければできない仕事のようです。そういった「志」が今の日本に決定的に欠けているのではないのでしょうか。ここが最も重要であると私は痛切に感じました。
今回のシンポジウムでは、生態系が環境負荷を自浄できる範囲での適切な経済発展による持続可能な社会を目指そうという方向性では、呼びかけ人の小澤先生、岡野先生、大井先生と今回ご講演頂いた西岡先生の4人の先生の間で合意は得られています。具体的な内容についてはこれから考えていこうということになりました。
以上がおおまかなシンポジウムの内容であったと思います。
引き続き、ここのブログにおいて、シンポジウムで全て答えられなかった質問などをこの場をかりてお答えすることを検討中です。また、このシンポジウムを基盤としての第2歩の情報もここでご案内したいと考えております。
こちらのブログにお越しくださいまして、誠にありがとうございます。
それでは失礼致します。
事務局尾崎
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