持続可能な国づくりを考える会

経済・福祉・環境の相互促進関係を!

台風に思うこと:あえて言えば想定内だった

2019年10月19日 | 環境

 運営委員長の岡野です。

 いろいろな事情で長らく休止していたブログ更新を、少しずつ再開することにしました。

 大きなきっかけは、9月9日関東地方に上陸し、千葉県を中心に甚大な被害をもたらした台風第15号、追いかけるように10月12日伊豆半島に上陸し、関東地方、福島県等を縦断し、広範囲で甚大は被害をもたらした(まだその影響が続いている)台風第19号のニュースです。

 亡くなられた方のご冥福をお祈りし、遺族のみなさん、被災者のみなさんに、心からお見舞い申し上げ、一日も早い、復旧ー復興をお祈りしています。

 しかし、こんな時に言うのが適切かどうかわかりませんし、えらそうに聞こえるかもしれないのですが、あえて言うと、私たちにとって、こうした台風や雨の強大化は「こんなことになるとは思ってもみなかった」「想定外」のことではありません。

 IPCC他の専門機関・専門家の警告に耳を傾ければ、それはいやでも(確かにいやなのですが)「想定せざるをえない」ことだと思ってきました。

 そして、非常に心配し、なんとかできないのかと考え、2006年に会の活動を開始する時点で、会のメンバーは、

 「多くの警告や専門機関、専門家、民間活動家も含めた多くの人々の努力にもかかわらず、この数十年、世界全体としての環境は悪化の一途をたどっています。

  例えば、地球温暖化―異常気象、オゾン層の破壊、森林の減少、耕地・土壌の減少、海洋資源の限界―減少、生物種の激減、生態系の崩壊、化学物質による大気・耕地・海洋の汚染、核廃棄物や産業廃棄物から生活ゴミまでの際限のない増加などなど、どれをとっても根本的に改善されているものはないのではないでしょうか。」(シンポジウム『日本も〈緑の福祉国家〉にしたい!―スウェーデンに学びつつ』趣意書より

という認識を共有していました。

 そして、根本的な解決への第一歩として、

 「私たち日本人が今スウェーデンから学ぶべきものは、なによりも国を挙げて「緑の福祉国家」を目指しうる国民の資質とその代表・指導者たちの英知と倫理性だと思います。


  きわめて残念ながら当面日本には、「緑の福祉国家」政策を強力に推進できるような国民の合意も政治勢力も見当たりませんし、すぐに形成することも難しいでしょうが、環境の危機の切迫性からすると早急に必要であることは確かだと思われます。


  本シンポジウムは、そうした状況の中でまずともかく、方向性に賛同していただける方、あるいは少なくとも肯定的な関心を持っていただける方にお集まりいただき、近未来の日本の方向指示のできる、ゆるやかではあるが確実な方向性を共有するオピニオン・グループを創出したい、という願いをもって開催致します。 」(同上)

という趣旨で、シンポジウムを開催し、以後、活動を続けました。

 けれども、きわめて残念なことに、これまで大きなオピニオン・グループの創出にはまったく到っていません。

 そういう意味で、活動の効果はなかったと言わざるをえません。

 そうした状況の中、メンバーたちもそれぞれの事情で積極的な活動をすることが難しくなってきたため、活動は無期限休止状態になっていました。

 しかし、今回の二度の台風の激甚災害のニュースを見ながら、もう一度、「効果のあるなしにかかわらず、言うことは言ってみよう。やれることはやってみよう」という気持ちになりました。

 そして、19号の関東直撃の後、まず自分のブログに以下のような記事を書きました。ここにも掲載させていただきます。   

            * 

 またしても記録的な台風でした。

 型どおりの言葉になってしまいますが、亡くなられた方々のご冥福をお祈りし、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。

 今のところ、親族、友人、知人には被災した人はいないようで、たくさんの「無事でした」という知らせをいただいています。

 その一つに次のような返事をしました。

 「こんばんは。 

 無事でよかったですね。

 それにしても、あまりにも広域の激甚災害で心が痛みます。復興に時間がかかりそうです。

 そして、こういう被害が今後ますます増えるかと思うと、非常に心配です。 

 地球全体が後戻りできないところまで行く前に、意識と行動と社会システムの根本的変容が起こることを祈らずにはいられません。 

 特に日本人にとって、この二連続の大型台風が心に響く警告になれば、まだ亡くなった方も報われるのではないでしょうか。」

 地球環境はこの十年が正念場だと科学者は言っています

 耳を傾け、危機感をもって理解し、そして適切な行動をしたいものです。

            *

 今後、旧メンバーと相談しながら、まずは学習会から活動を再開したいと思っています。

 具体的になったら、お知らせしますので、危機認識と危機感を共有できる方はぜひご参加ください。

 

 



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