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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

霧氷とそり

2006-12-09 | その他あれこれ
・今朝の気温はかなり低かったようである.おそらく-10℃を超えていたのではなかろうか.公園のヨーロッパアカマツも霧氷につつまれて,すごい姿である.



・ホームセンターにて少し大きめのそりを購入.午前中の短い時間でそりあそび.まだ公園にはそりすべり用の専用スロープはできていないので,排雪された雪の固まりを強引に滑ってみる.こういうのは子供の方がうまいもんで・・・.”雪国ならでは”の楽しみである.

講義終了後,ゼミ初参加

2006-12-08 | 研究ノート
・9時から12時までの3時間の講義.前半は,遺伝マーカーと繁殖と更新プロセスについての講義を行う.2名の欠席があったものの,飛び入りも含めて受講者9名と盛況であった.全体的に詰め込みすぎて,飛ばしすぎた感があるような気もするが,果たしてどうだろうか・・・・.練習をしたわけでもないのに,ほぼ時間通りに完了.こちらもちょうど,しゃべり疲れてきたところで,やっぱり1時間半~2時間弱がせいぜいだと認識.

・後半,初心者のための“Rことはじめ”のミニ講義と演習.あらかじめ,Rをダウンロードしたノートパソコンを持参してもらい,エクセルのサンプルファイルも既に送っているという状態から始めたのだが,大きなトラブルもなく,予想よりはうまくいく(本当は手に負えないトラブルが発生したらどうしようかとドキドキしていた).受講者もほとんど触るのが始めてだったということもあり,ヒストグラムが出るだけで大喜びである(当方には,その気持ちがとっても良く分かる).

・今回,初心者向けのテキストを用意したのだけれど,自分自身のためにも役立ちそうであるし,何かあったらこれを読んで勉強しなさいとか言ってしまえばいいので,今後はきっと楽になると思われる.再来年はこれをたたき台にして,少し改良すればいいだろうから,後半の講義準備は格段に楽になるはずである.ただし,こうしたミニ講義と演習が本当に有益だったかどうかは,受講者の査定を待つ必要がある.うまくいけばRユーザーが9名は増えることになるはずなのだが・・・.

・とにもかくにも,無事に今回の講義が終了したわけだが,実を言うとあまりほっとしてもいられない.なんと22日には午前中講義,午後ゼミ発表,夜忘年会という超過酷なスケジュールが待っている.実はこのスケジュールは,ここ4年くらいは毎年恒例だったのだが,今回の講義準備が間にはいったせいで,22日分はまるで進んでいない.今回の受講者の意識に比べると,22日講義の意識レベルは非常に低いので,しゃかりきになって準備するとがっかりしてしまうわけなんだが,それでも多少の改良は必要だろうな.

・午後,学生たちのゼミがあるというので,初の出席.どちらも4年生なんだが,Iくんはイヌブナの実生定着と死亡要因を解明しようというお話,もう一人のNくんは,ロボットカメラで撮影した長期間の森林の画像データの中から欲しいデータ(ちゃんと森林が見えているとか)をうまく抜き出すための手法開発,というちょっと変わったテーマである.こういう変な(失礼!)テーマも好きだ.

・Iくんのイヌブナは,50×50mに25個のシードトラップを設置して,その周りに実生プロットを設定し,発生した実生を個体識別して追跡し,死亡要因を特定した,という極めてオーソドックスなものだ(小川学術研究林の仕事そのもの).ただし,対象とした秩父ではシカによる被食による死亡も相当数あるということで,シカの防護柵を設定した中でも同様に実生調査をやって,死亡要因をやはり特定している.

・というわけで,やっていることは本来シンプルなはずなのだが,不思議なまとめ方をしていて,なかなか頭に入らない.ううむ,主題が本人には見えていないようで・・・.それにしても,今回の発表ではせっかくの個々のプロットのデータを一まとめにしているせいで,バラツキが分からないのがもったいないな.むしろ,プロットごとのバラツキをいかに説明できるか,という点に力を注げばいいんだと思うんだが・・・.とにかく,「自分の研究の中で一体何が新しいのか」,ということがはっきりすれば,イントロの設定から結果の見せ方までびしっと決まりそうな印象だったのだが,それは今度のゼミ発表でのお楽しみということですか・・・.

・Nくんの発表では,写真の見え方を定量的に評価するために,いくつの稜線が見えるか(つまり,遠くの景色がガスでもやっていたりすると,7本あるはずの稜線が1本しか見えなかったりするわけだ)という独自の指標を考案している.撮影したのはデジタルなのに,稜線の数は“目で見て決める”ってあたりが,なかなか楽しい.稜線が2本以下しか見えていない画像は“駄目”であろうということで,2本以下のものをうまく排除し,2本以上のものは排除しないで採用できるような基準を設定し,その基準をもとに自動的に判別するような方法を開発したい,とのことである.

・稜線の数はデジタルロガーで計測した気象条件(湿度だったっけ,忘れた)の一つが関係がありそうということで,とりあえずはこの気象の値を用いて,75%を基準にばっさりと分けてやったとのことである.結構上手くいったようだが,ここまで来るとデジタル画像は関係なくて,単に統計の問題のような気がしてくる.glm関連でとりあえずは解けるんじゃないか・・・.とりあえず,一度データを見せてもらうことに・・・.まだ,何かが引っかかっているのだが,稜線の数を推定することぐらいはできるだろう.しかし,選別手法を一般化できるかどうかの評価というところに,これから力を注ぐべきだろうな,やっぱり.こちらも,もう一度聞いてみると,何か上手い解決案が見えてきそうな気がする.

焼松峠論文.アクセプトの巻

2006-12-07 | 研究ノート
・ようやく雪が落ち着いたので,雪かき作業から解放された.旭川空港へ.丘の街美瑛あたりにさしかかると,いい感じで晴れてきた.文句のつけようがない風景である.



・東京にてヤチダモとニレの新プライマーの結果を見る.ヤチダモについては1つのプライマーはまずまずだが,後はイマイチだ.ニレについても1つはOKだが,そもそも青で蛍光した以外のプライマーが増えていない.どうもU19を使うとうまく増えないのだが,どうしてだろうか・・・(RさんがPCRすると増えたりするんだよねえ,これが・・・).それにしても,開発した中で使えるプライマーの確率が低い.やはりプライマー設計に問題がある気がするのだが,それともやはり単に実験の”腕”の問題だろうか・・・.

・昨日の午後10時前に,気合の投稿クリックをした焼松峠論文について,その後すぐに編集部から受け取った旨のメールが届いた.こんな遅くまで仕事をされているとは,まったく,ご苦労さまです.などと思っていたら,本日付けで正式受理の知らせが届いた.このスピードは尋常ではない.それにしても,今回の論文がこうして無事に受理されたのは,編集委員のご尽力によるといっていいだろう.最初の投稿時の1人の審査者からのリジェクト査定にもかかわらず,あれこれと手を尽くしていただくなど,ご配慮いただいたのが,今から思えば非常に効いていると思える.

・それにしても,一つの論文を受理させるのは大変なことだと,改めて勉強になった(お世話になった皆さん,ありがとうございました!).学術的なことはともかく,実用的には,重要な論文になるはずである.ところで,当方にとっては,これで投稿中の論文がなくなってしまった.投稿中のものがあると,審査結果が届くたびにどきどきしながら結果を見るという過程があったり,査読結果に対して闘いを挑んだりするといったことがあるわけだが,そうした可能性がなくなってしまうと,それはそれでさびしいものだ.現在進行形の3つの論文を早いとこ投稿して,”どきどき感”を維持したいところである.

・12月22日に東京で行うゼミのタイトルを考える.今回は倒木上トドマツ実生の親子解析に関する結果を発表しようと思っているわけだが,少し楽しげなタイトルにしたいと思いつつ,今のところ考えたのは,

「倒木上で繰り広げられる散布と定着をめぐる物語
 -”逃げる”トドマツ,浮上する新たな仮説-」

 といったところだ(当方のセンスのなさが露呈している気もするが・・・).ついでに,提出する仮説の名前も考える.逃避仮説の中でも個体特異的なものについては,「隣の芝生」仮説とでも呼ぶか・・・.質の悪い種子が近くに散布される方は「低質種子近傍散布仮説」とでも呼んでみるか,などと妄想の世界をさまよう.

・こういうセンスって,どうやって磨かれるものなんだろうか.やっぱりドラマの脚本とか無理だろうねえ,当方には.まあ,頼まれることもないわけなんだけど・・・.夕刻,6時過ぎから,富良野と西東京の両K先生と飲みつつ,これらの仮説に関する話を聞いてもらう.「本当にそうかどうかはよく分からないなあ」と言われつつ,それでもいくつか重要な指摘を頂く.「妥当性はともかく,面白いじゃない」,といった評価に気をよくしつつ,やはり他人を納得させるためには,周辺の証拠固めが大事だと感じたりして・・・.

・これはむろん,論文執筆でも同じことが言えるわけだ.そういう意味では,投稿者は,同時に,自分の主張を守る”弁護士”の役もしないといかんわけである.弁護士たるからには,分野横断的な証拠固めが重要となってくるわけで,そこにこそ,自由な発想と思い切ったアイデアを盛り込む必要がある.これが考察をアトラクティブにするコツ,なのかもしれんなあ・・・.

査読5連発後,焼松峠論文の投稿クリック

2006-12-06 | 研究ノート
・「どうしても東京に5件の査読を持っていくのはいやだ」,ということで,一気に片付ける.昨晩,さっと見て赤を入れたので,午前中はこの難問から取り掛かる.が,やはりどうがんばっても,1件30分はかかる.気がつけば,原稿は真っ赤である.こんな原稿が戻ってきたら,驚くだろうな,やっぱり・・・.

・普通,支部大会論文集の審査では,こんなにも”真面目”な修正はしないものなんだろうが,どうしても”手抜き”をすることができない(これでもだいぶ流しているつもりなんだけど・・・).あるいはもしかして,南麻布のSさんが言うように,花粉親総説の執筆期間中に,当方の性格が悪化したのか・・・!?.ともかく,それぞれに感想というか,コメントも書き入れ,郵送.運営本部への報告FAXを終えると,既に11時半.午前中いっぱいかかってしまう

・午後から,講義準備の追い込み.ひたすらにレジュメとプレゼン資料を作成していく.打ちまくっているうちに,腱鞘炎になりそうだ.そんなこんなでようやく完成.受講希望者に講義で使用するCSVファイルを添付で送ったり・・・と.そうか,こういうレジュメや講義で使用するファイルをホームページで公開しておけば,こんな変なやり取りはいらないんだな,と思ったりして(もしかしたら,レジュメを見たいという奇特な人もいるかもしれないし・・・).さっさとホームページを立ち上げなければならんところだが,この分ではいつになるのやら・・・.

・焼松峠論文の修正稿を共著者である岐阜のTさんに送っていたところ,返事が返ってきた.示していただいたポイントを,早速,修正.プリントアウトし,最終チェック.おお,まだミスが残っていましたか.かりかりと修正し,気合の投稿クリック.明日は東京である.

雪にも査読にも埋もれつつ・・・

2006-12-05 | 研究ノート
・予想的中.いきなり20cmは積もっているであろう車の雪を落としつつ,近くに排雪.今年になってからまだ除雪が入っていないが,そろそろ持っていってもらわないと早くもいっぱいである.スノーシューズでは雪に埋もれてしまうので,そろそろ長靴の出番だ.

・職場に着くと,いきなり支部大会論文集の査読が待っている.やはり来たか・・・.座長をした3件だと思っていたら,妙に分厚い.なんと5件もあるではないか.そうか,今年はポスター発表があったのだ.ううむ,この不意打ちはなかなかきつい.終わったばかりの雑誌からの査読も抱え込んでいるこの状況に加えて,この5件には11日までに査読を完了せよとの指令までついている.

・さくさく終わらせないと到底間に合わんと思いつつ,昼飯とともにチェックする・・・が,どうにも気になるところがあり,あれこれ考えているうちに時間が過ぎる.1件目からこれでは絶望的である.どうなることやら・・・.

・査読のプレッシャーをいったん置いといて,とにかく締め切りが近い講義レジュメ作成を進める.こちらは,どうやら終盤にさしかかったようである.結局,今回は2つの講義分の資料を作成したことになる.無論,自業自得であるが,これで来年は少し楽になるはず(?)なのだが,そうはいかんところが不思議なところである.

大雪の予感

2006-12-04 | その他あれこれ
・12月の講義がいよいよ迫ってきたので,その準備.スライドとレジュメを作成していく.作成しはじめると,足りないところが見えてきて,既に9ページに到達している.明日から参考文献や参考図書の中で必要なところをコピーしたり,スキャナーで取り込んだりしないといかん.しかし,こうして話をしようとすると,何が分かっていないかがよく分かってくる.何よりも自分にとって有益かもしれない.

・講義準備の合間に,Tくんと再び,アカエゾマツ解析結果に関するやり取り(というか,さらに詳しい解説を送ってもらい,こちらの理解を助けてもらう).アカエゾマツの場合,標高,森林タイプ(高山帯,火山礫帯,湿地帯など),地理的な位置などでみる切り口があるわけだが,Tくんが言うように,それぞれが独立ではないので解釈は若干難しい.

・単純に,標高と遺伝的多様性のパラメータの関係を見てみると,標高が高いほどArは高いが,Fisは低く,Heは標高に関係しないという結果となった.集団を3つ増やしたおかげで,Arと標高の関係は順位相関でも有意になった.・アカエゾマツについては,集団の履歴だけでなく,個体群の隔離性,更新の不連続性などが様々に影響を与えているのであろうが,現在の問題は,これらの多様性パラメータとボトルネックの結果,さらに先日送ってもらった遺伝的バリアーの結果からどんなストーリーが生み出せるかということだろう.




・JR富良野駅に12月東京出張のチケットを取りに行く.富良野では,JRがカードが使える唯一の旅行会社(?)なのである.夜なのにやけに空が明るい.こういうときは大雪になることがしばしばあるのだが,どうであろうか・・・.明日の朝が楽しみ(?)だ.

ホワイトアウト

2006-12-03 | その他あれこれ
・再び、子供のバスケット合同練習のために旭川へ。途中から天気は快晴となり、”パッチワークの丘”が名物の美瑛は雪景色で一色となっているが、これはこれでなかなか美しい。それにしても、朝7時発だと道路がつるつるになっており、恐ろしい。急発進、急ブレーキ、急ハンドルなど、”急”のつく行動は全て危ないので、そろりそろりと運転する。

・バスケット会場では外の様子が分からなかったのだが、気がつくと、既に車には15cmもの雪が積もっており、ほとんど吹雪であった。旭川市街の駐車場もがらがらで、今日は皆、室内でゆっくりしていたのであろうか。そういえば、この時期、観光の目玉もなく、スキー本番までは一番観光客が少ない時期だろうか・・・。

・帰りになるとますます雪は激しくなり、深山峠では視界15mくらいとなる。こういう中ではゆっくり進むしかないのだが、中には強引に抜きにかかる車があり、抜かれた方は一瞬、ホワイトアウト状態になる。何とか無事にたどり着いたのだが、肩が凝った。夏ならなんてことのない往復も、気合が必要なイベントなのである。

焼松峠論文、第2審

2006-12-02 | 研究ノート
・焼松峠論文の第2審が届いた.どうやら改訂は基本的に了承されたようで,後は軽微な修正でOKと.あれれ,まだケアレスミスがありましたか?前回の投稿時に,チェックしたはずなのだが,情けない限りである.そのほか,図表の体裁などについても丁寧に見ていただけた,細かいご指摘をいただく(これは,ありがたかった).引用における支部大会論文集の取り扱い等については,最後まで意見の相違はあるのだが,先方の言うことも理解できなくはなく,何とか妥協点を見出せたようである.

・アカエゾマツ集団遺伝の共著者であるTくんから,景観遺伝学の新たな解析手法による最新結果が届く.そういえば,こっちの方面はまるで最近はチェックしていなかったが,当然ながら解析法も使えるソフトなども日々進歩しているようで・・・.まずは,時間をみつけて,Tくんから紹介してもらったおすすめ論文を読んでみるとしよう.

研修報告会とグーグル・アース

2006-12-01 | 研究ノート
・先週くらいまでは,今年は雪が降らないんじゃないかとおもっていたんだが,そんなことはないもので,今朝はいきなり真っ白である.我が家の駐車場にはなぜか雪が集中して降る傾向があり,朝飯前に雪かきしたにもかかわらず,出発時には既に5cm近く積もっている.こういう日を体験すると,やっぱり富良野は雪国だと思える.

・午前中,講義準備.受講者ゼロではないかという恐れはどうやら解消されたらしく,受講希望がちらほらとメールで飛び込んでくる.講義レジュメを作り始めると,足りないところが目に付いてしまい,まだまだ5合目付近といった風情である.おっと,Rのミニ講義のプレゼンと準備はまだ手をつけていないという危ない状態である.急がねば・・・.

・7日の上京に向けて,シーケンサーを使用するためにPCR産物をあらかじめ送る手配をする.今回は,ヤチダモとニレの新開発プライマーをチェックする予定である.今度のプライマーはどうだろうか,波形や多型性が楽しみである.ただ,この時期,先方もシーケンサーが大人気らしく,何とか駆け込めるようにあわてて実験を行う.

・午後は,職員の研修や出張報告会を開催する.11件もの発表があったのだが,近い所では同じ北海道の雨竜から遠くは屋久島,あげくの果ては国外に飛び出しアメリカ,ドイツ,メキシコと,皆さんあちこちに出かけていたんですなあ・・・.内容も硬いものからやわらかいものまで様々だ.発表では,1鈴から3鈴まで時間指定があり,ちょっとした学会みたいである.

・それにしても,当世の若者は発表が上手で,まったくもって落ち着いている.スライドも十分に吟味されており,気合が入っているのがよく分かる.ちょっと前までは,パワーポイントの使い方などを,当方が手取り足取り(?)で教えていたものなんだが,今回はもはやこちらが知らない機能まで使っていてして,感心しきりである(こんど教えてもらおう).一方,当方はというと,準備不足がたたり,ぐずぐずであった.やっぱり練習しないと駄目なもんだと反省.

・Oさんの発表では,Google earthのプレゼンが目を引いた.噂には聞いていたが,かなり惹きつけられるソフトである.導入するとパソコンが重くなりそうなので,ちょっとためらっていたのだが,検討する価値は十分ありそうである.