死んだら談志2024

水仙花死んだら談志完成す
回文俳句&吾郎関連の諸事雑事
copyright 2024 by goro iguchi

回文は行く その八十六

2006年02月28日 00時19分56秒 | Weblog

雉鳴かば価値なき那智か馬鹿な磁器

我が家に来た最初のまともな楽器、クラシックギター。
切れたナイロン弦は、切れないようにとスチール弦に張り替えられた。
初のレパートリーは「禁じられた遊び(ロマンス)」。
アルペジオなぞできるはずもなく、一弦を上下してメロディを弾いた。
中学二年の授業だか、文化祭だかで、
アルペジオを補完するために
メロディを強化するために、
それしかできないので、
E線上のロマンスを弾いた。
コードを押さえて唄うという
クラシックギターにあるまじき行為に走るのは
その後、そう遠くはない時期の話だ。



籠る猿も子
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回文は行く その八十五

2006年02月27日 00時04分27秒 | Weblog

尻立たし蜂の命は滴りし

谷保の梅は三分咲きといったところ。
中央線は都心から10 km離れる毎に1度気温が下がるとか。
風はひんやり、おひさまぽかぽか、一木に軍鶏が三羽もとまる昼。
廃屋寸前の国立会館も含め、
ただただ長閑な武蔵野でありました。



勤勉便器
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回文は行く その八十四

2006年02月26日 01時25分21秒 | Weblog

家相見の魯文雁風呂のみ嘘か

青梅の山奥から、トラックに卵とプリンを積んで売りに来ている図を
想像してください。
その自家製プリンです。
美味しい。



トレカを彼と
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回文は行く その八十三

2006年02月25日 00時50分45秒 | Weblog

崖に建つ村から絡む蔦に毛が

新橋の魚金はいい店だ。
魚が旨い、安い。
久々に魚で満腹。
刺身6点盛り(実質9点)が1980円ってどーよ。
金目の煮付けが目の下40cm強ってどーなの。

にしても相変わらず写真と句はまったくの無関係を貫いているな。感心。


昼吐く春日

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回文は行く その八十二

2006年02月24日 00時30分21秒 | Weblog

またの名は子規と絵解きし花の玉

最初に買った、いや、買ってもらったギターはご多分にもれず
クラシック・ギターだった。
角の質屋のショーウィンドウの奥の方に飾ってあった。
3500円という値段は今にして思えば、それなりに高価だったのだろう。
勉強をするだの、なんだのという理由をならべ手に入れたギター。
茶色から黄土色に変化する表板を、磨いては眺め、
眺めては裏返し、また裏板を磨いた。
ぼろろろろ~んと弦を弾いてみるのだが、それはすぐに飽きてしまう。
調弦、ポジション、弾き方、何もわからない者にとって
憧れのロックをやるギターは、目の前にあるコレではなかった。
しかたなくギター通信教育のレコードを買った。
ターンテーブルに載せた17cmのレコードを廻し、ギターの音を合わせる。
しかし、糸巻きをいくら巻いても、音はレコードの音に届かない。
もうこれ以上は廻らないというところまできて、ようやく音が近づいた。
その瞬間にバチっという嫌な音がして、瞬間目の前を白いモノが過ぎた。
糸巻きは空回り。巻き過ぎの弦が千切れて宙を舞った。
風船を割った子がしばらく膨らますのをためらうように
その後ひと月近く、ギターは部屋の隅に放っておかれた。
後ろ向きに立てかけられたそれは、淋しそうに丸い背中を見せていた。
後になってわかったことだが、そのレコードは33回転で廻すべきものだった。
レコードは45回転で廻すもの。
当時シングル盤しか買えない者にとって、やはりレコードはそういうものだった。




厳つい使い

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回文は行く その八十一

2006年02月23日 01時30分27秒 | Weblog

知らぬ子に蛙とる絵か二胡濡らし

アジア・ティストがテーマで作った句。
かなりのどかな風景になった。
二胡は水に弱い。



謹呈天気
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回文は行く その八十

2006年02月22日 02時30分54秒 | Weblog

笑みの時虹伸ぶ野地に帰途の見え

久々に行った赤坂近辺。
かなり景観は変わったな。
特にTBS近辺はすごい。
この後、街が生まれてくるんだろうか?



金持ちモネか
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回文は行く その七十九

2006年02月21日 00時00分28秒 | Weblog

観たいのは眉目失す梅見歯の痛み

そんなこんなで、
梅見で一句作ろうと思いました。
そうしたら奥歯が痛くなりました。
で、こんなん出ました。
すいません。



占い習う
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回文は行く その七十八

2006年02月20日 02時14分01秒 | Weblog

勘違い齧る春鹿胃が沈下

久々に笑ってポンな句。
「笑ってポン」は、23年前、
1クールで打ち切りになった、ビートたけし伝説の番組。
詳しくはWikipediaでお調べを。
そういう句です。
おやすみなさい。


煮ても鴨手に
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回文は行く その七十七

2006年02月19日 08時58分33秒 | Weblog

せからしか皆はお花見頭貸せ

もちろんまだ本格的な梅見?もしていないので
桜というのもどうかと思うが。
と、書きながら、梅見‥はないわな。
散歩していて、ふと香るその甘さに
思わずあちこち姿を探してしまう‥‥というものだ。
面白いもので、見事な紅梅に近づいても
たいがいスカされる。
なるほど、「梅が香」はあっても
「梅見」はない角川の歳時記。
‥‥って、今更感心することか。




過去のあの子か
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回文は行く その七十六

2006年02月18日 02時19分09秒 | Weblog

螺鈿はね小さく焚く幸涅槃寺

ラジオを組み立てたことはないが分解したことはある。
トランジスタ・ラジオではなく、木製のキャビネットに収まったラジオ。
三つ並んだダイアルは、左から(切/入)をカチっといわせて音量調節をするもの、
短波/中波の切り替え、放送局を選ぶチューナー。
裏ぶたを開けて見ると、直径12センチくらいの口径のスピーカー。
がらんどうの内部には真空管が数本並ぶ。
左端のつまみを(入)にすると、
しばらくしてぼんやりとしたオレンジ色の光が点る。
ザーザーという雑音に、淡々と話す男のうねった声がかさなる。
ベージュ色の大きな輪と小さな輪を結んで白い紐がかけてある。
右端のつまみを回すとゆっくり大きな輪が動き、
それにつれて表面に描いてある3段組みの数列の上を赤い傍線が移動する。
900から1200くらいの数字のところで、ラジオの声はいくつか大きさを増した。
電波がどうとか、電気がこうとか、小学校低学年には無縁だ。
ぼうっとした明かりとゆっくり動く輪っか。
男の声と、にぎやかな音。
誰もいない木箱に、魔法をみつけた。
こっそり裏ぶたをもとに戻す。
閉める寸前、オレンジの明かりが大きくなった。
あわててふたをして、ねじを回した。
魔法を封じ込めたのだ。


ハムカツ噛む歯

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回文は行く その七十五

2006年02月17日 00時31分55秒 | Weblog

あわあわと列ぶあぶらなとわあわあ

あわあわは好きな言葉だ。
たしかkyon2の台詞にあった。
先生の鞄だっけ、居酒屋の肴が妙に美味そうで
熱燗が実に似合う映画だった。
神田「みますや」辺りの風情。
土間がいいんだよね。
今日くらい急に冷え込むと
妙に恋しくなる空間だ。
そういえば、立ち飲み、最近急に増えましたな。
ブームに乗っただけのなんちゃって立ち飲みも多いけど
新橋あたりの腰の座った?立ち飲みはいい。
出入り自由の秘密基地だね、ありゃ。



異様這う宵
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回文は行く その七十四

2006年02月16日 00時02分09秒 | Weblog

前髪や伸びて凍日の闇が絵馬

小学生の頃遊びまくった町の地図、
今描けと言われたら‥‥そうだな、
曲がり角のひとつひとつまで
微細に描くことができると思う。
そういうものだ。
実際には5~6年間の記憶だが、
その密度の濃さは現在の比ではない。
例えば、20年以上同じ道を行き来している
会社の近所の道、
そこまで詳しくは描けない。
あたりまえのことだが
記憶の純度が違うのだ。
五十段の石段を登り切った
ふくらはぎの熱は、今でも鮮明だ。



美空ソラソミ
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回文は行く その七十三

2006年02月15日 00時00分50秒 | Weblog

時計手に死にたい田螺煮ていけと 

神戸の湊山町は裏がすぐ山になっていた。
遊び場としては最適だったのが、ちょっとした崖だった。
滝というにはあまりにも小さな滴りが落ちる
高さ10メートル程度の傾斜60度程度の壁面。
何を血迷ったか、そこに生えている椿の花を採りに登った。
花は三分の二くらいのところにあった。
その一輪に目がけともかく上を目指して登った。
花を折った瞬間に,我にかえった。
登るか降りるか、決断を迫られる夕闇と高さだった。
あたりは暗くなり、足下は不安定、力が体から抜け落ちて行くのを感じる。
怖さより現実があった。これは夢に違いないと何度か思った。
なんとかしないと、どうにもならない。
よくは覚えていないが、崖は登り切ったのだと思う。
一目散に坂を駆け下りて家へ帰ったのは覚えている。
それにしても、あの時の椿、どうしたんでしょうね、かあさん。



涅槃ピンハネ



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回文は行く その七十二

2006年02月14日 00時59分58秒 | Weblog

ロダンな春ひらひら昼は何だろ

久々に超短時間に出来た句。
「春」で作りたかった。
「ひらひら」が降りてきた。
「昼は」という素敵なフレーズができた。
当然「何だろ」がつく。
天国的に「ロダンな」に返る。
考える人の深刻さが欠如した姿が表われる。

お、おもろいやんけ!



既に兄です
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