ポポンタポポンタタンポポタンポポ
自作では、いわゆる「ポポンタ」系と呼んでいるリズム回文俳句の元祖。そう、かの橋 幸夫の「恋のメキシカン・ロック」「スイム・スイム・スイム」を聴いて育ったが故の、ノリ一発で行けるとこまでいっちゃうリズム歌謡。だからこの手のものはひたすらノー天気、気持ちよきゃいいのよ人生は~~♪、アブラカダブラには意味なんてないのサぁ~。でも‥‥‥と言いながらも、何かありそうな気配がしてくる。そこいらがキモです、実は。
オノマトペ‥‥か。いくつかの俳論で出てくるロジックだな。ここでそれを繰り返してもしょうがないが、回文の特性(×2のミラーサーバー的繰り返し)をうまくハメると、掲句のようになる。ちょっと傾向は違うが「とんぼ捕りまるまるまる鞠と盆と」とか「半ドンどんたくツクタンドンドンは」あたりは意味と音が微妙に近似値で絡み合った句。「今朝の鬱とろろちろろと通の酒」「水仙はトホホフホホと反省す」「木槌真似とんからかんと寝待月」は中七のリズム歌謡が、句全体ののほほん感やふぬけ感を、通常の言葉の組み合わせ以上に演出してる。いい効果さんだ。SFXだね。
ま、なんにせよ回文ごく初期の掲句を許してくれて、ホメてくださった皆様にはひたすら感謝してる。否定されてたらそれ以降の回文はなかったからね。調子にのった同傾向「ぶらぶらブランコ未婚ラブラブラブ」「ねんねこねんねこねんねこねんね」はリズムに意味を練り込んだ、いわばほうれん草入りパスタみたいなもん。ちょいと邪道ですかな。ともかく、オノマトペリズム歌謡回文はおもしろい。ハマるとなによりも作者を驚かして喜ばしてくれる。そう、これほど楽しいことはないのだ。