回文は行く その五千九百九十五

鹿踏みし春田浸るはシミ深し

回文は行く その五千九百九十四

スリムね祈る母春の居眠りす

回文は行く その五千九百九十三

妻知らば春尽く蔓はバラし待つ

回文は行く その五千九百九十二

空き腹よスマン本鱒寄らばキス

回文は行く その五千九百九十一

相談課継がした四月噛んだ嘘

回文は行く その五千九百九十

財政はどうにも煮独活ハイ正座

回文は行く その五千九百八十九

魚煮に川蜷花俄かに匂う

回文は行く その五千九百八十八

桜湯さシナモンもなし白湯楽さ

回文は行く その五千九百八十七

リラの香よ飛んで螺鈿と余暇のらり

回文は行く その五千九百八十六

春はいい酔うと座頭よ言い張るは

回文は行く その五千九百八十五

馬刀貝よ力士貸し切り酔いが手間

回文は行く その五千九百八十四

花の舞い濡れ着契れぬ今の名は

回文は行く その五千九百八十三

花の幹空白は浮く君の名は

回文は行く その五千九百八十二

彼岸島閉ざす伏す座と麻疹が日

回文は行く その五千九百八十一

此処ら藤井風尾瀬甲斐路ふらここ