回文は行く その三十四再び

ゐのこづちまさか逆さま千鶴子の胃
裏も見よゴルフの古暦もらう
生太陽よい太陽よい玉菜
知らぬわい花守も名は言わぬらし
腹這いの余生愛せよ野イバラは



人気至近に

回文は行く その二十四再び

浮く照葉二回も烏賊に張り手喰う
諸子魚大人かなと被う衣
錦鯉手みやげ止みて以後岸に
寝るよ飯蛸だ飯蛸だいい夜ね
蜂の死に形見沁みたか西の地は

回文は行く その弐拾参再び

数知り問ひてさてさて一人静
野幇間の傷果て葉月の恋だの
今朝の鬱とろろちろろと通の酒
君はともだちだ酢橘だ元は神酒
咲くな亡き兄南に秋七草


人気糸菌に

回分は行く その弐拾壱再び

薄く花粉飛ぶ座布団深く吸う
死人はね寡黙な雲か涅槃西
決め技木の芽和え雨の木ざわめきて
師走かな人火の感じ泣かす儂
母の留守草餅模索するのは歯

回文は行く その弐拾 再び

倉木麻衣枸杞の芽の濃く今気楽
ぶらぶらブランコ未婚ラブラブラブ
コツ甘酢鮑と枇杷東文津子
カス枠で年の瀬の死と出くわすか
胃はくたびれて春はテレビ宅配



人気至近に

回文は行く その十九再び

旅の花病んでオデン屋名はのび太
夜なべ食べなこの茸鍋食べなよ
滋味盛りて連れのその列照り紅葉
冬枯れか鳥と独りと彼が言ふ
寒凪やごついドイツ語山羊なんか

回文は行く その十八ご新規

イマジンからスキヤキすら感じまい
空見れど快晴聖歌ドレミラソ
監視委聖樹主治医精神科
国枯れて各国国歌テレカに句
アパラチア少し年越すあちらぱあ





人気試金に

回文は行く その十七再び

紀信が撮る空パラソルと眼識
スハルトの遺産寛斎の採る蓮
空つ風名うて盧泰愚なぜカツラか
軽くニクソン笑む遠足に来るか
好きだ恋だとヒロヒト大根焚きす



人気資金に

回文は行く その十六再び

串かつ泣き虫梨剥きなつかしく
吊り紐でいかなトナカイでも比率
刺身さつまいも思い待つ淋しさ
開戦時なんでオデンな人生か
椎茸やムカつき掴む焼けた石

回文は行く その十五 再び

買うといけない買うかいな鶏頭花
マルクスがうそ寒誘うガス車
白髪昆布金婚気分木枯
モウモウ臓物発毛増毛も
茄子か馬込かバ、バ、バカめ誤魔化すな

回文は行く その十四再び

ビル傾ぐ桁以外竹串カルビ
蝉のメカ止まるカルマと亀の店
漉す燃す漉す燃すコスモス濾す燃す子
神輿肩我が名品川誰が仕込み
巷では新月幻視派で田町

回文は行く その十三再び

水仙はトホホフホホと反省す
屠蘇の香はすれどアドレス墓の外
目借り時ときに兄貴と気取り亀
好きや痛いのはとハノイ鯛焼す
虹の橋高き生き方死は野路に

回文は行く その十二再び

子規よ哀しむな舟虫仲良き死
中身夏のネタまたねのTSUNAMIかな
胡麻塩という亀飼う愛おし孫
大差まんま赤まんま咲いた
ねんねこねんねこねんねこねんね




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回文は行く その十一 再び

諏訪湖型北風固き箍壊す
二胡の音愛さじ紫陽花姉の子に
蜂のお尻和風ふわり塩の地は
妻照れぬ朝顔がさあ濡れて待つ
とこしえ眺める潤目が萎えし古都



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回文は行く その拾 再び

橙は橙代打は偉大だ
小春日の照れか浮かれて伸びる箱
くぷくぷ寒鯉遺言かぷくぷく
遠霞遥か盛るは御簾が音
亀の子にはにかむ蟹は二個の目か