一生

人生観と死生観

貧困のスケール

2008-06-20 18:27:19 | 哲学
6月20日 曇り
 日本エッセイスト・クラブ賞が岩波書店刊の堤未果著『ルポ 貧困大国アメリカ』に決まったというお知らせがはいった。
 中味は読んでないが買って読みたい本である。私は1961年にアメリカに行って黒人家庭の隣に住む留学生一家の家を訪問したことがある。この一家は日本では裕福な暮らしをしているのだが、カトリック教徒なので貧困問題にはいささか関心が深いように見受けられた。隣の黒人家庭は子沢山で生活保護を受けているとのことだった。思ったほどには困っていないということであった。何とか生活は出来るし、子どもだって穢い身なりはしていない、心の持ちようだというのである。
 これがアメリカ一般に通用するとは考えられないが、一面の真理を現わしているかも知れないと思ったものである。貧しいということで心まで貧しくなってしまわない人もいるということである。そのような心境を持つ人は何らかの宗教を持っている人であるようだ。無一物に徹すれば無尽蔵の宝を所有できる。東洋的に聞こえるかもしれないが、西洋でもそれは真理なのである。