一生

人生観と死生観

理性と情念

2008-06-17 23:47:49 | 哲学
6月17日 晴れ
 人の存在は地球の歴史の中でほんの一瞬に過ぎないといわれる。にもかかわらず人間は壮大な思想を持ち、宇宙にさえ飛び出して探検をしようとしている。こんな生物は今までなかった。人間は理性と情念をもった存在であるが、そのバランスが保たれている間は幸福に生きていくことが出来る。理性は人間にいろいろな未来の設計を可能にし、情念はそれを支えて現実の歩みに彩を添える。
 分からないのはあの秋葉原の通り魔事件である。一見理性的な顔立ちの若者が狂った行動をして、7人もの何の関係もない人を殺した。理性と情念のバランスは完全に狂っている。追い詰められた状態からこんなことになったとすれば、彼を追い詰めたものは社会の閉塞状況か。それとも彼には狂気の素質があって自分自身を追い詰めたのか。やけっぱちになれば何でもやる、人間の精神の深層構造の恐ろしさはある。人が人とまともに対話を持たず、助け合いをしない社会は不健全と言わざるを得ない。