GOODLUCK'S WORLD

<共感>を大切に、一人の男のスタンスをニュース・映画・本・音楽を通して綴っていきたい

<WBC あの感動をもう一度!>

2009年03月27日 | Weblog
<2009年 WBC感動のラストシーン>

こんなドラマティックな幕切れを誰が、予想できたでしょうか?

3:2で迎えた最終回、
イチロー 1ボールからの2球目、
     真ん中のストレートを強烈に叩きライトフェンス直撃の二塁打。
     きょう3安打! 
     1球目のタイミングも合っていた。     

  (一球目もストライクなら振っていただろう。
   <好球必打>こそ彼の真骨頂! もう大丈夫だ! 前回だ!)

続く中島 無死二塁。2ストライク1ボールからの4球目、
     ライト前に抜けようかという当たりも高永民がダイビングキャッチしセカンドライナー。
    (凄いファインプレー! また運を引き寄せたか?!)

青木 1死二塁。キャッチャーが立ち上がって敬遠の四球。

城島 1死一、二塁。1ストライク2ボールからの4球目、
   ストレートを高々と打ち上げてセンターへの浅いフライ。
   (足が速ければバントもあったのに…。併殺だけは避けなくてはいけない。残念!)

小笠原 2死一、二塁。2ストライク2ボールからの5球目、
    外角へ落ちるシンカーに空振り三振。
    (引っ張るより、打撃に基本、センター返しを心がけて欲しかった…)

9回裏 鄭根宇 左の李晋映に代えて右打席に鄭根宇を送る。

    ここで日本は一度マウンドへ上がった杉内に代えて、
    ダルビッシュをマウンドに送る。
    
 (ダルビッシュは心の用意ができていたのだろうか? とても心配!)



鄭根宇 2ストライク2ボールからの5球目、
    外角のスライダーに空振り三振。

    (無心で投げてワンナウト。ここで初めて、
     残りツーアウトで優勝の文字が脳裏に浮かぶ。
     任された責任の重さを痛感)     

金賢洙 ストレートの四球。代走に李鍾旭。
    (ダルビッシュ、今までの野球人生で最大のプレッシャーを感じたはずだ)   

山田投手コーチがマウンドへ向かい、ダルビッシュに声をかける。
山田コーチで笑顔で、そのプレッシャーの除こうと試みる。
    (ダルビッシュ、開き直れ! ここが正念場だ!心を強く持て!)

金泰均 1死一塁。1ストライク3ボールからの5球目を見送って四球。代走に李宅根。
    (早く開き直れ! このままでは独り相撲になるぞ…)

秋信守 1死一、二塁。2ストライク1ボールからの4球目、
    低めのスライダーに空振り三振。
    (最後のボール、相手にプレッシャーが乗り移ったか?)

李机浩 2死一、二塁。1ストライク1ボールからの3球目、
    スライダーを打って三遊間を破る同点のタイムリーヒット!
    (ストライクを取りにいったボール。落ち着け! 焦るな!

高永民 2死一、二塁。2ストライクからファウルを挟んだ4球目、
    外角高めのスライダーに空振り三振。
    (ボールは高めだったが、開き直ったボールに相手もあわてたか?)
 
韓国が李机浩の値千金のタイムリーで、土壇場で同点に追いついた。試合は延長戦へ。

韓国は林昌勇が続投。(もう彼以上の投手はいないのだ! 勝てるぞ[m:76]

内川 2ストライク1ボールからの5球目を打ってライト前ヒット。
   内川は3安打目。
   (さすが首位打者、ナイスバッティング!)

稲葉 無死一塁。初球、ピッチャー前への送りバント。
   (1球目で決める。これが流れを呼ぶ込む。いけるぞ!)

岩村 1死二塁。1ストライク1ボールからの3球目、
   外角のストレートをきれいに流し打ってレフト前ヒット。
   二塁走者の内川は三塁でストップ。
   (素晴らしいバッティング! お膳立ては出来たぞ!)
 
川崎 片岡に代えて川崎。
   1死一、三塁。初球のストレートを打ち上げてショートフライ。
   (1球目を叩くこと最初から決めていたようなスイング、
   真ん中のボールを「来た!」と焦って打ったようなスイングだった)
   若さが禍したか? 本人もミスった!と思ったに違いない!

    しかし、タイガースにこの若さ、純真さが欲しい。
    イケイケ野球の中島も本当にタイガースに欲しい[m:76])

イチロー 2死一、三塁。
     1球目、アウトコース高めのボール
     2球目、アウトコースを予測していたがインコースのストライク、思わずのけぞる!
     この間に岩村が盗塁を決めた。(最高のお膳立てができたぞ!)
     2死二、三塁。
     3球目アウトコース、やや高めのストライクを強振、ファール!   
     アナウンサーが「一塁ベースが空いているんですけどね」と敬遠策を示唆する。
     4球目、真ん中低めのストライクをファール逃げる。
     (タイミングは完全に合っている[m:76]
      絶対にヒットになるボールを待っている、私にはそう見えた!)
     清原、「イチローで始まって、イチローで決めて欲しいですね」
     (そうだ! 日本の全国民がそう思っている)
     
     5球目、大好きな低めに思わず手がでるが、ファールする。
     (これが人には出来ない天才たるゆえん
      とにかく、すべてのボールについて行っている!
      来い! ストライクを取りに来い!)
     6球目、イチローの苦手の高めをキャッチャーが腰を上げて要求。
     イチロー、またもファールで逃げる。
     (もう、完全にタイミングは合っていく、来い!ストライクを取りに来い!)
     7球目、アウトコースに逃げるスライダー、ボール!
     2ストライク、2ボール。
     (ツースリーにしたくないはずだ! 来るぞ、今度こそストライク!)
     
     もう私の心臓はバクバクだった。間合いが長いぞー!
     
     8球目、まるで魅入られたようなど真ん中のシンカーだった!   
     イチローは無心にセンター返しでそのボール反応した。
     
     (試合後の会見で、この間に色々と考えたと云っていたが、
      あの最後のスイングは無心だったはずだ。私にはそう見えた!)
        

 こんな場面が来るなんて! まさに女神を感じる!
 今日は3安打しているが、累計で2割4分以下、ことごとくチャンスに凡退していた。
 どれほど心を痛めてきたことか、この瞬間の為に、2割4分という数字が輝きだす。
 本来のイチローなら韓国の監督は四球にして満塁策を取ったかもしれない。
 そうしなかったのは2割4分という数字だった。


 (イチロー、ここで打てば今回のすべての凡打が帳消しとなるぞ、
  打つのだ、最初のストライクを初回のようなセンター返しだ!
  打て、お前なら打てる!)


 (……………)

苦しみ抜いていたイチローにようやく女神が最高の笑顔で微笑んだ!

鳥肌が止まらない! 涙が溢れてきた……。

走者二人がホームにかえり、日本が勝ち越しに成功した! 


もう後は蛇足でしかない。


10回裏のダルビッシュの四球もご愛敬にしか思えない。

最後の打者
鄭根宇 2死一塁。2ストライク1ボールからの4球目、
    外角の大きく外れたスライダーに空振り三振
   
あの最後のスイングには、もう勝ちたいとう気迫は一片のかけらもなかった。

やはり、イチローの2点タイムリーがかろうじて残っていた気迫を打ち砕いたのだ。

10回延長の末、韓国との死闘を制したのだ!
5:3で日本は文句なしに勝ったのだ!

日本が大会連覇を成し遂げた。

ありがとう ありがとう ありがとう

日本の全国民がこの素晴らしい感動を共感したのだ。[m:76]





<後日談>
本当に凄い試合でしたね。
どんな映画もあの筋書きのないドラマには勝てません。
画面に釘付けでした。

あのセンター返しは、韓国バッテリーが勝負してくれたおかげです。
監督が敬遠サインを出していたそうですが、8球も投げているのです。
その間にマウンドまで行って、「敬遠しろ!」と云えたはずです。

この日のイチローは初回から見事なバッティングを披露していますが、
バッテリーはこの日までは作戦通り、イチローだけはほとんど完全に押さえていたのです。

イチローや日本側から見れば<不振>ですが、
韓国側からみれば彼だけは絶対打たせたくない相手なので、
最も研究した相手に違いありません。
その結果が2割4分という成果だったのです。

この成果が、この自信がイチロー勝負になったのです。
韓国の監督も、敬遠指示を徹底できなかったのです。

これを上から俯瞰している野球の女神から見ると、
延長10回の表、ツーストライク、ツーボール、ツーアウト、そして2塁3塁。

この瞬間をイチローにプレゼントするために、昨日までの<不振の苦難>を与えてきた
私にはそう思えてなりません。

原監督は「あのセンター返しは一生忘れません」というコメントは、
私も同じ想いです。

侍日本の全員が一つになって、つなぐ日本野球をやり抜いてきた真摯なスタンスに女神が微笑み、
最も苦しみ抜いたイチローと、彼を最後まで信じ切った原監督に
『センター返し』をプレゼントしたのです。

こんなふうに見ることが出来る野球は、観戦するには最高のスポーツだと思います。
サッカーやバスケット以上にチームワークが明確に見えてくるからです。

本当に「素晴らしい感動をありがとう」といいたい気持ちです。