大磯のシンボル松並木 保全活動が岐路に
12/11(土) カナロコ
維持管理が課題となっている
松並木=大磯町大磯
大磯町のシンボルとなっている松
並木の保全活動が岐路に立っている。
専門的知識に基づいて松並木の維持
管理に取り組んできた地元の中心的
存在だった岡田豊太郎さんが2年前
に亡くなり、民間の担い手が不在と
なっている。国や町が害虫駆除など
に取り組んでいるが、民間の力なし
では今後、管理不足による樹勢の衰
えなどが懸念される。住民からは
「松並木がしっかり後世に残るよう
に守ってほしい」との声が上がる。
「江戸時代の人たちも同じ景色を見
ていたと思うとロマンを感じる。こ
の景観は町の大切な財産」。大磯町
大磯の町道沿いの松並木を見つめ、
地元の男性(72)がつぶやいた。
この町道は江戸時代には東海道とし
て多くの人々が往来し、周辺は宿場
町として栄えた。現在も沿道の松並
木は地元住民に親しまれる誇りだ。
2008年からは岡田さんを中心と
した地元のNPO法人「大磯町内の
松並木敷地を大切にする会」が維持
管理に努め、景観を守ってきた。
しかし、岡田さんが19年に享年
82歳で他界した。同会は解散し、
保全活動は途絶えているという。現
在は松の根元に落ち葉が積もって物
悲しさが漂う。近くに住む女性(82)
は「岡田さんがいた頃はきれいな景
観だった。町が主導して維持管理を
してほしい」と話す。
町は、岡田さんが管理していた大磯
こゆるぎ緑地(同町西小磯)なども
含め、業務委託によって害虫駆除や
間伐などを行っている。それでも、
町の担当者は「こまめにできず、十分
な状況とは言えない」とし、維持管理
を担う市民団体などを探している。
「落ち葉かきや剪定(せんてい)など
こまめに手入れをしないと、いずれ樹
勢に悪影響を及ぼす。行政の積極的な
取り組みが必要」。島根県で松並木の
保全活動を続ける樹木医の槙野浩二朗
さん(61)はそう指摘する。一方で
「行政だけでは限界がある。松並木に
関心を持ってもらう広報活動に力を入れ、
住民の保全への意識を高めることが重要
だ」と話している。
二宮の町民団体
葛川の親水化 先例に学ぶ
20周年シンポジウム
タウンニュース
シンポジウムの参加者
二宮町のボランティア団体「葛川を
きれいにする会」が12月4日、設立
20周年記念の集いを町民センターで
開催した。活動報告と、川の環境保
全に取り組む大和市の団体の代表者
らを招いて葛川を町民に親しまれる
川にするための方策について意見
交換を行った。
「葛川からみえてくる二宮の未来」
をテーマにしたイベントに約90人が
参加。同会代表の長田信夫さんは河川
から海へ流れ込むプラスチックごみの
問題に触れ、「川のごみを拾う私たち
の活動に新たな意味が出てきていると
思う。ごみのことを頭の片隅に置いて
もらえればありがたい」とあいさつし
た。来賓の村田邦子町長と池田東一郎
県議会議員が祝辞を述べた。
社会貢献活動実習生として同会の活動
に参加する湘南工科大学2年の熊谷優
作さんと、元実習生で同大3年の武田
紗季さんは活動報告を行った。2004年
に葛川で回収したごみの重量は5421kg
で象に例えると1・5頭分、19年は象
の足1本分に相当する895kgだった
ことを説明。「昨年の底生生物調査で
54種の生物を確認した。前田橋付近に
はサワガニが生息する」と伝えた。また、
「川をきれいにすることは海を守ること
につながる。川にプラスチックごみが
ある段階で拾うことが大事」と訴えた。
魚道や遊歩道要望
シンポジウムには、大和市を流れる
引地川で清掃活動や生物調査などを
している3つの市民団体から代表者
が登壇。地域ぐるみでの活動の様子
とその成果などを語った。引地川・
下福田子どもの水辺協議会書記の
鈴木恵美子さんは「川は人をつなぐ。
子ども向けの催しで親も川に入るよ
うになった」と報告した。
「魚道や遊歩道、車いすでも川へ下り
られるスロープがあれば、町民にとっ
てより親しめる葛川になるのでは」。
パネリストを務めた葛川をきれいにす
る会事務局長の野谷悦さんは、県の
葛川整備計画に対し同会が働きかけ
た親水化のイメージを紹介。「生き物
にやさしい自然公園のような川にした
いと夢を描いている。地域・町・県と
話し合い、きれいで安全なみんなの
葛川を作っていけたらいい」と話した。
同会は2001年に有志11人で発足。
真夏の8月と12月から2月までを除く
月の第1・3土曜日に清掃を行い、今年
6月で300回に達した。参加者の平均
人数は、昨年の約22人から30人ほどに増
えた。年4回の水質検査と小学生を対象
にした生き物観察会なども実施。『清掃
活動20年記念誌』を発行した。
※人物風土記に関連記事
葛川をきれいにする会の会員と関係者たち
ライブで健康祈願
二宮町のJAH
タウンニュース
地元4組が熱唱
二宮町のラーメン店「JAH」で12月
5日、コロナ禍からの健康を祈願する
アコースティックライブが催され、飛
沫防止シート設置などの感染対策をし
ながら地元アーティスト4組が熱唱し
て会場を盛り上げた。
同店オーナーの大竹一仁さんが、地元
アーティストの応援や音楽を通じた地
域貢献を目的に開催しているライブ。
この日は「スターマン」「TARO」
「KENZO」「よもぎーず」が出演
して軽妙なMCとギターの弾き語りを
披露し「音楽を楽しみ、健康第一で過
ごそう」と誓い合った。
絵画に見る大磯
OISO学び塾
タウンニュース
大磯町生涯学習課は、12月17日(金)に
同町生涯学習館で開催するOISO学び
塾「絵画に見る大磯」の参加者を募集し
ている。参加無料。
多くの芸術家がアトリエを構え、名所旧
跡が描かれた大磯。かつて大磯に暮らし
た4人の画家(安田靫彦、山本丘人、堀
文子、加山又造)や大磯を描く楽しみに
ついて、加山又造に師事し、横浜ベイシェ
ラトンホテル&タワーズのラウンジ壁画
などの作品で知られる日本画家の内山徹
さんが語る。午後1時30分から3時30分
まで。筆記用具・うわばき持参。
申し込みは大磯町生涯学習課へ電話
(【電話】0463・61・0255)
またはメール(【メール】
kouza@town.oiso.kanagawa.jp)で、
氏名・電話番号・住所を伝える。
2月から開始見込み
新型コロナワクチン3回目
タウンニュース
1〜2回目の集団接種会場の様子
新型コロナウイルスワクチンの3回
目の接種が医療従事者を対象に全国
で始まった。神奈川県は新型コロナ
ワクチンの3回目の接種については、
国の方針を踏まえ「2回目接種後、
おおむね8カ月以上経過した方」か
ら居住地で順次接種する「住民接種」
を基本とし、市町村と連携して調整
中としている。秦野市の今後のスケ
ジュールを取材した。
秦野市ワクチン接種経過
秦野市のワクチン接種のための体制は、
今年1月に健康づくり課内に「感染症
対策担当」を設置、3月には集団接種
に向け、総合体育館のメインアリーナ
とサブアリーナを全面使用し、会場運
営訓練を実施するなど、接種体制を
整備。
4月には市内の高齢者施設でのワクチ
ン接種がスタート、その後、5月23日
から集団接種、6月1日から個別接種
が始まった。集団接種会場には、高齢
者などが安心して接種を受けられるよ
う、会場で介護福祉士がサポートする
などの体制を整え、混乱もなく接種が
進められた。
また高齢者の集団接種会場への行き来
をサポートするために、6月14日から
8月7日まで市内4駅から会場までの
無料シャトルバスも運行し、接種率の
向上を図った。
シャトルバス運行初日の6月14日には、
担当する「感染症対策担当」が格上げ
され、「新型感染症ワクチン接種推進
課」が設置された。
ワクチン接種の計画調整担当と接種推
進担当の2担当の総勢9人の専任職員
体制となり、日々変動するワクチン供
給量などを見通しながら、ワクチン接
種の推進に当たってきた。
接種状況と感染者数
秦野市の現時点でのワクチン接種状況
(12月2日)は、1回目接種者数12万
5758人(85・78%)、2回目接種
者数12万4754人(85・10%)とな
っている。
また、12月6日現在の市内における累
計感染症患者発生数は1590人。新
規感染者は月ごとで最多数だったのは
8月の546人。直近では10月は8人、
11月は0人、12月は6日時点で2人が
確認されている。
3回目の接種
全国で始まっている3回目の接種につ
いて、担当課に聞いたところ、対象者は
2回目接種完了から原則8カ月以上が経
過した18歳以上の人で、「接種券につい
ては、2回目の接種完了から8カ月以上
経過する方から順に送付する」とのこと
だ。全体の接種スケジュール(予定)は、
今月から医療従事者へ接種開始、一般の
高齢者への接種は2月中旬から順次開始
する予定という。また接種時期の前倒し
については国の方針により対応するとし
ている。
使用ワクチンは、ファイザー製または
モデルナ製で、国が調整を実施してい
るため詳細が分かり次第、HPなどで
発表するという。3回目の接種では、
2回目までの接種ワクチンと異なるメー
カーの「交互接種」も行われる。ワク
チン接種に関する問い合わせは、市新
型コロナウイルス感染症コールセンター
【電話】0463・82・5283へ。
(12月6日起稿)
花火一斉に17カ所、広島・廿日市の
夜空彩る みなと夢花火中止の代わりに
12/11(土) 中国新聞デジタル
広島市の臨海部などで一斉に打ち
上げられたドリーム花火
=11日午後8時4分、広島市安芸区
の絵下山から
広島、廿日市両市の計17カ所で花火
を一斉に打ち上げる「広島ドリーム
花火2021」が11日あった。見物客に
よる密集を避けるため、事前に打ち
上げ場所を明かさない「サプライズ
開催」。計約1500発の大輪が冬の夜
空を彩り、新型コロナウイルス禍が
続く地域へエールを送った。
【動画】
花火が一斉に打ち上がった広島の夜空
午後8時から約10分間、広島市の全8区
の15カ所と廿日市市の2カ所で、各75~
225発が打ち上げられた。色鮮やかな花
火が方々ではじける様子は、特設ホーム
ページでもライブ配信された。
企画したのは、広島港(南区)一帯で
の「広島みなと夢花火大会」を主催す
る広島祭委員会など。同大会がコロナ
流行の影響などで中止となった代わり
に開いた。事務局は「コロナで疲弊し
た地域が元気になるきっかけをつくり
たい」とし、来年1月29日には旧市民球
場跡地(中区)で花火や音楽の無料
イベントも開く予定でいる。